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平成二十四年十二月二十六日提出
質問第四号

医療用医薬品から一般用医薬品への転用の在り方と新規に転用された一般用医薬品の販売体制に関する質問主意書

提出者  柚木道義




医療用医薬品から一般用医薬品への転用の在り方と新規に転用された一般用医薬品の販売体制に関する質問主意書


 平成二十四年十二月十九日の薬事・食品衛生審議会にてイコサペント酸エチルの一般用医薬品への転用を承認したと聞く。本成分については、諸外国において食品として販売されていることもあり、その国際的な運用状況と安全性の観点から審議会にて適正な手続きにより転用が了承されたものと理解するところであるが、こうして新規に転用された成分を配合された一般用医薬品の販売の在り方や転用について議論する審議会の在り方に併せて安全と信頼を確立するための政策について政府の見解を求めるものである。

一 新規に転用が承認された成分を含有する一般用医薬品の販売の在り方について
 1 イコサペント酸エチルの転用にあたっては、承認条件として「適正使用調査」を付与したと聞く。そもそも「適正使用調査」などというリスクがあるのであれば、なぜ一般用医薬品としての転用をするのか理解できないが、政府の見解如何。
 2 「適正使用調査」とは、当該医薬品の販売が適正に行われているかどうかを確認するものと理解するところであるが、この調査は、主として当該医薬品を販売する職能団体が主体的に実施するものであるのか。あるいは国が主体的に実施するものであるのか。あるいは当該成分を含有する医薬品の販売を申請するものが実施するものであるのか。明示願いたい。
 3 仮に当該成分を含有する医薬品の販売を申請するものが前記した調査を実施するとして、どのように中立性・公正性を担保するのか具体的に明示願いたい。
 4 同様に今回の承認条件にはチェックリストなるものを用いて消費者の生活状況をチェックした上でなければ販売できないとしていると聞く。このようなチェックリストのような判断シートは、諸外国の事例を鑑みれば、一般的なものであり、医薬品の安全及び適正使用を深慮するならば、必要な措置であると理解するところである。しかしながら、諸外国ではこうしたチェックリストのようなものは、専門職たる職能団体が自主的に作成し、これをもとに研修会を実施する国が多いと聞く。また、この過程で、多職種連携の基本である信頼関係を構築するよう努力していると聞く。今回の承認条件と承認プロセスを確認する限りでは、このチェックリストも当該成分を含有する医薬品の販売を申請する製薬会社が主体的な役割を任ずるものと理解する。販売者が作成するチェックリストで充分な安全性を担保できるのかどうかについて、また、このチェックリストに専門家の意見をどのように反映させるのかについても政府の見解をお示し願いたい。
 5 転用について厳しい承認条件がつくものについては、その使用の安全性や適正な販売の在り方について不安があるものと理解するところである。したがって、販売における薬剤師など専門職の積極的な関与が求められるものであるが、平成二十四年十二月二十一日に発表された「一般用医薬品販売制度定着状況調査」の結果を鑑みるに、医薬品販売セクターである薬局等で第一類医薬品の販売に際して関係法令が求める文書等を用いて販売している事例は充分とはいえない状態であったと聞く。そもそも販売者たる医薬品販売セクターが法令順守できない状態では、承認条件に販売条件を付与し、承認条件を厳しくしたとしても安全適正な販売を実行できるとは断じえない。適正な販売を担保するためにも、まずは販売状態の適正化が必要不可欠と考えるが、政府の見解如何。また、政府として具体的な医薬品販売の適正化についての政策案があるようであれば明示頂きたい。
二 一般用医薬品への転用の在り方について
 1 一般用医薬品への転用については、薬事・食品衛生審議会にて審議されるものと理解するところであるが、審議においては科学的にその成分の有用性と安全性が評価されるものであり、その社会的基盤整備や使用環境整備などが評価されることはないと考える。しかしながら、一般に広く使用されることが想定される医薬品の販売については、医薬品使用を円滑せしむためにも、国民の理解は当然のことながら、関連職種たる医師、歯科医師、薬剤師、看護師等の多職種間の連携も重要である。保険医療における医師による治療を補完しうるのであれば、国民の保健福祉に充分に貢献することにもなりうるが、逆に医師の治療を妨げるようなものとなっては、かえって国民の健康を害することになりかねない。医療用医薬品の転用にあたっては、こうした医療職間の信頼関係を十分に斟酌しなければならない部分もあると考える。審議会は、評価尺度が客観的なものである必要があり、科学的な評価を旨とするのはやむをえない。しかしながら、社会基盤整備や使用環境整備が先行していなければ、国民に利する形の転用とはならないと案ずるところであり、評価とは別に、政府として一体として円滑に転用ができる社会基盤整備や環境整備のために何らかの施策が必要と考えるところであるが、医療用医薬品の円滑な転用を企図した多職種間の信頼関係構築等のための施策について政府の見解如何。

 右質問する。



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