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平成二十五年五月十六日提出
質問第七五号

予算委員会における辻元清美の慰安婦問題についての質疑に係る安倍首相の答弁に対する質問主意書

提出者  辻元清美




予算委員会における辻元清美の慰安婦問題についての質疑に係る安倍首相の答弁に対する質問主意書


 安倍首相は、二〇一三年二月七日の衆議院予算委員会において、前原誠司委員の質問に対し、以下のように答弁している。「辻元議員の質問主意書に対して当時の安倍内閣において閣議決定をしたものについては、裏づけとなるものはなかったということであります。いわば強制連行の裏づけとなるものはなかった。」「さきの第一次安倍内閣のときにおいて、質問主意書に対して答弁書を出しています。これは安倍内閣として閣議決定したものですね。つまりそれは、強制連行を示す証拠はなかったということです。つまり、人さらいのように、人の家に入っていってさらってきて、いわば慰安婦にしてしまったということは、それを示すものはなかったということを明らかにしたわけであります。しかし、それまでは、そうだったと言われていたわけですよ。そうだったと言われていたものを、それを示す証拠はなかったということを、安倍内閣においてこれは明らかにしたんです。しかし、それはなかなか、多くの人たちはその認識を共有していませんね。ただ、もちろん、私が言おうとしていることは、二十世紀というのは多くの女性が人権を侵害された時代でありました。日本においてもそうだったと思いますよ。二十一世紀はそういう時代にしないという決意を持って、我々は今政治の場にいるわけであります。女性の人権がしっかりと守られる世紀にしていきたい、これは不動の信念で前に進んでいきたいと思っています。そのことはまず申し上げなければいけないし、そしてまた、慰安婦の方々が非常に苦しい状況に置かれていたことも事実であります。心からそういう方々に対してお見舞いを申し上げたいと思う、この気持ちにおいては歴代の内閣と変わりはない。しかし、今の事実については、そうではない、それを証明するものはなかったということをはっきりと示したわけであります」
 さらに二〇一三年三月八日の衆議院予算委員会において、辻元清美の質問に対して菅官房長官は下記のように発言している。
 「前回の安倍内閣において閣議決定をした、そういう経緯も踏まえて、内外の歴史学者、さらには有識者の手によって、さまざまな問題について今検討がされている。その中で、この問題についても学術的観点からさらなる検討を重ねることが望ましい」(答弁一)
 当該の、二〇〇七年三月八日に辻元清美が提出した質問主意書(ア)に対しては、以下のような答弁が出されている。
 「関係資料の調査及び関係者からの聞き取りを行い、これらを全体として判断した結果、同月四日の内閣官房長官談話のとおりとなったものである(A)。また、同日の調査結果の発表までに政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった(B)」(答弁二−1)。
 「政府の基本的立場は、官房長官談話を継承しているというものであ」る(答弁二−2)。
 さらに、「政府は『慰安婦』問題について『すでに謝罪済み』という立場をとっているが、いつの、どの文書や談話をもって謝罪しているという認識か」という質問に対して「官房長官談話においてお詫びと反省の気持ちを申し上げているとおりである」(答弁二−3)
 当該答弁が出される以前の一九九七年一月三〇日の参議院予算委員会で、片山虎之助委員に対して「政府が調査した限りの文書の中には軍や官憲による慰安婦の強制募集を直接示すような記述は見出せませんでした(C)。ただ、総合的に判断した結果、一定の強制性があるということで先ほど御指摘のような官房長官の談話の表現になった(D)」という政府答弁(答弁三−1)が出されている。
 一九九八年四月七日の参議院総務委員会で当時の村岡官房長官も「第一点は、先生今御指摘になられましたように、政府が発見した資料、公的な資料の中には軍や官憲による組織的な強制連行を直接示すような記述は見出せなかったと。第二点目は、その他のいろいろな調査、この中には、おっしゃったような韓国における元慰安婦からの証言の聴取もありますし、各種の証言集における記述もありますし、また日本の当時の関係者からの証言もございますが、そういうものをあわせまして総合的に判断した結果は一定の強制性が認められた、こういう心証に基づいて官房長官談話が作成されたと、こういうことでございます。こういうことで、私のお答えとしては、いわゆる従軍慰安婦問題に関する政府調査は政府として全力を挙げて誠実に調査した結果を全体的に取りまとめたものであり、これまでのところ、政府調査結果を公表した際の官房長官談話の内容を変更すべき事由はないものと考えているところでございます。」と答弁している(答弁三−2)。
 また、辻元清美が二〇〇七年五月二八日に提出した質問主意書(イ)に対し、政府は「御指摘の記者会見において、安倍内閣総理大臣は、日本語で、慰安婦の問題について昨日、議会においてもお話をした、自分は、辛酸をなめられた元慰安婦の方々に、人間として、また総理として心から同情するとともに、そうした極めて苦しい状況におかれたことについて申し訳ないという気持ちでいっぱいである、二十世紀は人権侵害の多かった世紀であり、二十一世紀が人権侵害のない素晴らしい世紀になるよう、日本としても貢献したいと考えている、と述べた、また、このような話を本日、ブッシュ大統領にも話した、という趣旨の発言を行」ったと答弁している(答弁四)。
 二〇一三年三月八日の衆議院予算委員会において、安倍首相は「二十世紀においては戦争や、人権が著しく侵害された時代であった、そして女性の人権も侵害された、残念ながらその中において日本も無関係ではなかった、二十一世紀においてはそういう時代ではない、人権がしっかりと守られていく、女性の人権も守られていく時代にしていきたいということを述べていた」と答弁している(答弁五)。
 第一次安倍内閣は歴代内閣同様に河野談話を継承する立場を表明しており、それに基づく答弁を繰り返してきた。にもかかわらず、当時の答弁を根拠に河野談話を見直すというのは整合性がなく、国内外からも批判の声が高まっている。
 従って、以下、質問する。

一 第一次安倍内閣における歴史認識について
 1 答弁二−2にあるように、第一次安倍内閣では、歴代の内閣と同様に、河野談話を継承していたか。
 2 河野談話においては、答弁三−1にあるように「総合的に判断した結果、一定の強制性がある」とされた。河野談話を継承すると答弁した第一次安倍内閣では、「総合的に判断した結果、一定の強制性がある」という認識だったか。
二 二〇〇七年三月八日に辻元清美が提出した質問主意書(ア)と安倍首相の現在の歴史認識について
 1 (A)と(D)は同じ内容を述べたものか。違うとすれば、どこが違うのか。
 2 (B)と(C)は同じ内容を述べたものか。違うとすれば、どこが違うのか。
 3 「前回の安倍内閣において閣議決定をした」という答弁一の「閣議決定」というのは、答弁二−1を指すのか。
 4 答弁二−1と答弁三−1は同じ内容を述べたものか。同じならば、「前回の安倍内閣において閣議決定をした、そういう経緯も踏まえて、内外の歴史学者、さらには有識者の手によって、さまざまな問題について今検討がされている」という答弁において、歴代内閣と同じ認識のもとに、新たに何が検討されているという認識か。具体的に明らかにされたい。
 5 答弁二−1と答弁三−1が同じ内容であれば、安倍総理の「人さらいのように、人の家に入っていってさらってきて、いわば慰安婦にしてしまったということは、それを示すものはなかったということを明らかにしたわけであります。しかし、それまでは、そうだったと言われていたわけですよ。そうだったと言われていたものを、それを示す証拠はなかったということを、安倍内閣においてこれは明らかにしたんです」という認識は間違っているのではないか。
 6 答弁二−1と答弁三−1が違う内容であるとすれば、どこが違うのか。安倍総理は「一定の強制性」がなかったという認識か。
 7 第二次安倍内閣で、「総合的に判断した結果、一定の強制性がある」という認識が変わったのだとすれば、判断を変えるような資料が見つかったのか。それとも答弁三−2にあるような「その他のいろいろな調査、この中には、おっしゃったような韓国における元慰安婦からの証言の聴取もありますし、各種の証言集における記述もありますし、また日本の当時の関係者からの証言」等の信頼性が失われたのか、判断根拠を示されたい。
 8 安倍首相は、今国会で繰り返し答弁二−1を引用して答弁している。それでは、同じ答弁書における答弁二−2についても、引き継ぐ立場か。
 9 安倍首相は、今国会で繰り返し答弁二−1を引用して答弁している。それでは、同じ答弁書における答弁二−3についても、引き継ぐ立場か。引き継がないとするならば、第二次安倍内閣では「お詫びと反省の気持ちを申し上げてい」ないという立場か。
三 二〇〇七年五月二八日に提出した質問主意書(イ)と安倍首相の現在の歴史認識について
 答弁四と五は同じ内容を述べたものか。それであれば、安倍総理は記者会見で「申し訳ないという気持ちでいっぱいである」と述べたことになるが、答弁五からはそこが抜け落ちているが、人間として、総理として、安倍首相の気持ちは当時と変わったのか同じなのか。変わったのであれば、人間として気持ちが変わったのか、総理として気持ちが変わったのか、両方の意味で気持ちが変わったのかを示されたい。
四 安倍総理は現時点で、一九九三年八月四日の内閣官房長官談話(いわゆる「河野談話」)を継承しているか。今後も「河野談話」を継承するか。

 右質問する。



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