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平成二十五年五月十六日提出
質問第七八号

「極東国際軍事裁判」及び「旧オランダ領東インドにおけるオランダ人女性に対する強制売春」についての安倍首相の認識に関する質問主意書

提出者  辻元清美




「極東国際軍事裁判」及び「旧オランダ領東インドにおけるオランダ人女性に対する強制売春」についての安倍首相の認識に関する質問主意書


 一九九四年一月二四日に公表されたオランダ政府の公文書「旧オランダ領東インドにおけるオランダ人女性に対する強制売春」“Gedwongen prostitutie van Nederlandse vrouwen in voormalig Nederlands-Indie¨”と題する報告書には、軍・官憲による暴力的拉致のケースが数多く記録されている。:(A)一九四三年三月にジャワ島ブロラで二〇人のヨーロッパ人女性を日本軍が監禁・レイプしたケース(B)一九四四年一月、抑留所からマゲランの慰安所に女性たちを暴力的に拉致したケース(C)一九四四年二月、抑留所からスマランの慰安所に女性たちを暴力的に拉致したケース(D)一九四四年四月、スマランで女性たちを逮捕し、スラバヤやフローレス島の慰安所に移送したケース
 なかでも(C)のケースは「スマラン慰安所事件」として知られており、バタビア臨時軍法会議で、現地日本軍部隊が抑留所にいる若い女性を暴力的に拉致して慰安所に入れたとして、死刑判決が下されている(起訴理由概要「スマラン幹部候補生隊長として同隊附軍人及び同隊附勤務市民が昭和十九年三月及び四月「スマラン」の各収容所及び「アンバラワ」の収容所に抑留されありし約三十五名の婦人を慰安所に宿泊せしめ売淫を強制し強姦し又不当に取扱った責任」)。当該事件については、オランダ人のジャン=ラフ=オハーン氏が、二〇〇七年二月一五日の米下院外交委員会公聴会で、「日本軍の将校に連行され、慰安所で性行為を強要された」と証言している。日本政府はサンフランシスコ平和条約第一一条「日本国は、極東国際軍事裁判所並びに日本国内及び国外の他の連合国戦争犯罪法廷の裁判を受諾し、且つ、日本国で拘禁されている日本国民にこれらの法廷が課した刑を執行するものとする。」によって、BC級裁判に当たるこの判決を受諾している。
 二〇〇七年四月一〇日、辻元清美が「安倍首相の『慰安婦』問題への認識に関する再質問主意書」を提出し、「慰安婦問題に関する政府の基本的立場は、平成五年八月四日の内閣官房長官談話のとおりである」などの答弁を得られ、第一次安倍内閣の歴史認識が明らかになった。第二次安倍内閣が成立したことを受けて、安倍首相の歴史認識が第一次安倍内閣当時と変わらないのか、またはどう変わったのかを明らかにすることは、多くの国民の要求するところである。
 従って、以下、質問する。

一 《極東国際軍事裁判》について
 1 安倍首相は極東国際軍事裁判について「平和に対する罪と人道に対する罪で裁かれたが、(いずれも)その段階でつくられた概念だ。罪刑法定主義上、犯罪人だということ自体おかしい」(二〇〇六年一〇月六日・衆議院予算委員会)と述べている。安倍首相は、「平和に対する罪」と「人道に対する罪」は法律的に無効なものという認識か。また、極東国際軍事裁判では、被告は「通例の戦争犯罪」でも裁かれているが、これも認めないという認識か。
 2 極東国際軍事裁判所の判決は、中国に関する項目の中で「桂林を占領している間、日本軍は強姦と略奪のようなあらゆる種類の残虐行為を犯した。工場を設立するという口実で、かれらは女工を募集した。こうして募集された婦女子に、日本軍隊のために醜業を強制した」(極東国際軍事裁判速記録、判決速記録一八六ページ)と述べているが、安倍首相はこの判決について正当性がないと考えるか。
二 《オランダ政府公文書「旧オランダ領東インドにおけるオランダ人女性に対する強制売春」》について
 1 (A)〜(D)それぞれのケースで、当該慰安所は日本政府または旧日本軍の命令で閉鎖されたのか。されたとすれば、いつ、どのような理由で閉鎖されたのかを明らかにされたい。
 2 (A)〜(D)それぞれのケースで、事件の関係者は、日本政府または旧日本軍の手により処罰されたのか。されたとすれば、誰が、どのような処罰をされたのか明らかにされたい。されなかったとすれば、その理由も明らかにされたい。
 3 (A)〜(D)それぞれのケースで、事件の関係者が日本政府または旧日本軍の手により処罰されたという事実があった場合、事件の関係者を処罰することをもって、日本政府または旧日本軍が加害者でなかったとする証明と見なし得るか。安倍首相の見解を示されたい。
 4 (A)〜(D)それぞれのケースで、事件の関係者のうち、日本政府が遺族年金・恩給を支払ったものはいるか。誰に、どのような資格で、何年間、総額いくらを支払ったのか。またそれは、誰の、どのような判断によるものかを明らかにされたい。
 5 (A)〜(D)それぞれのケースで、事件の関係者のうち、日本政府が靖国神社へ祭神名票を送ったものはいるか。送ったとすれば、誰の、どのような判断によるものかを示されたい。
 6 (A)〜(D)それぞれのケースで、事件の関係者のうち、日本政府と靖国神社との合祀に関する打合せの際に、留保されたものはいるか。されたとすれば、誰の、どのような判断によるものかを明らかにされたい。されなかったとすれば、日本政府が靖国神社と共同で決めた合祀基準に適合するという判断を、政府自身がしたということでよいか。安倍首相の認識を示されたい。
 7 河野官房長官談話は「(慰安婦の募集については)官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。」としているが、(A)〜(D)それぞれのケースはそれに相当するか。安倍首相の認識を示されたい。
 8 安倍首相は、オハーン氏のケースは、旧日本軍将校が「約三十五名の婦人を慰安所に宿泊せしめ売淫を強制し強姦し又不当に取扱った」ケースであるという見解か。そうでないという見解であれば、オランダ当局が開いた軍法会議の判決は不当であると考えるか。そうであるという見解であれば、安倍首相は、「当初、定義されていた強制性を裏付けるものはなかった。その証拠はなかったのは事実ではないかと思う。」とする三月一日の発言を撤回するか。
 9 オハーン氏のケースは、旧日本軍司令部からの指示を示す書類の有無に関わらず、現場では旧日本軍の直接的関与による強制連行および性行為の強要が存在したことを示していると考えられるが、安倍首相の認識はいかがか。また日本政府は、こうしたケースを他に把握しているか。

 右質問する。



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