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平成二十五年十一月二十一日提出
質問第七七号

一九六〇年の日米安全保障条約改定時における朝鮮半島有事の際の戦闘作戦行動に係る密約に対する安倍晋三内閣の認識に関する第三回質問主意書

提出者  鈴木貴子




一九六〇年の日米安全保障条約改定時における朝鮮半島有事の際の戦闘作戦行動に係る密約に対する安倍晋三内閣の認識に関する第三回質問主意書


 二〇〇九年九月十六日、当時の鳩山由紀夫内閣における岡田克也外務大臣は、以下の四点に関し、いわゆる密約があったと言われていることにつき、外務省において「いわゆる『密約』問題に関する有識者委員会」(以下、「委員会」という。)を立ち上げ、同年十一月末を目処にその存在の有無を徹底調査する旨の大臣命令を同省に出したと承知する。
@ 一九六〇年一月の安保条約改定時の、核持ち込みに関する密約
A 同じく、朝鮮半島有事の際の戦闘作戦行動に関する密約
B 一九七二年の沖縄返還時の、有事の際の核持ち込みに関する密約
C 同じく、原状回復補償費の肩代わりに関する密約
 そして二〇一〇年三月九日、岡田大臣は、「委員会」の調査結果をまとめた報告書(以下、「報告書」という。)を公表した。
 「報告書」におけるAに関連した内容は、前回並びに前々回質問主意書で指摘した通りである。
 右と「前回答弁書」(内閣衆質一八五第五八号)並びに「前々回答弁書」(内閣衆質一八五第三五号)を踏まえ、再度質問する。

一 安倍晋三内閣総理大臣並びに岸田文雄外務大臣は、前々回質問主意書の内容並びに「前々回答弁書」の内容に自身で目を通し、その内容を把握しているかとの問いに対し、「前回答弁書」では「外務省北米局において起案し、同省においてしかるべく決裁を経た上で、内閣として決定したものである。」とされているだけである。右の決裁にあたり、署名した者の官職氏名を全て挙げられたい。
二 安倍総理と岸田大臣は、当方が提出した質問主意書並びにそれに対する「前回答弁書」、「前々回答弁書」に自ら目を通し、その内容を正確に把握しているのか。それとも担当部署に丸投げし、ただ署名をしているだけなのか。明確に答えられたい。
三 「前回答弁書」では、前回質問主意書で問うた質問四から六に対し、「お尋ねについては、先の答弁書(平成二十五年十一月五日内閣衆質一八五第三五号)一から四までについてでお答えしたとおりである。」との答弁がなされているが、質問にしっかりと答えられていない。国民の代表たる国会議員の質問に対する答弁として、とても誠実なものではないと考えるが、安倍総理、岸田大臣の見解如何。
四 Aは密約であったのか。「報告書」やその他の見解を引用するのではなく、安倍内閣としての認識を、安倍内閣の言葉で示されたい。
五 平成二十二年三月十九日に行われた衆議院外務委員会での参考人質疑において、参考人として出席した元外務事務次官の斉藤邦彦氏は、Aの密約に関し、「私は、一九五九年、六〇年当時、朝鮮の停戦からまだ七年しかたっていないわけで、朝鮮情勢に対してアメリカは非常に強い危機感を持っていたと思います。万一の場合は一瞬の遅滞もなく出動をしていく必要がある、そのためには日本の基地からの出動も行うという権利、これを確保しておく必要があるという強い希望があったと思います。事前協議制度というのは、米軍の行動に対して日本政府が一定の発言権を持つという新しい仕組みでございますが、朝鮮有事に関しては、そういうことに拘束されることなく、直ちに行動に移れる状態を確保したいというのがアメリカの立場であったと思います。日本政府は、当時の情勢にかんがみまして、このようなアメリカ政府の要求を十分に理解して、これに応じたということであろうと思います。なぜ不公表にしたかということについては、これは私の推測にすぎませんけれども、少なくとも、大きな理由の一つは、このような合意文書を公表すれば、北朝鮮、中国を無用に刺激することになるので、それを避けたいと判断されたのではないかと考えております。」と述べている。右の発言に対する安倍内閣の認識を前回質問主意書で問うたところ、「前回答弁書」では「私人の個人的見解の一々について、政府として、論評することは差し控えたい。」との答弁がなされている。衆議院外務委員会という公の場に、かつて外務事務次官、駐米国大使まで務めた人物が、現役外交官時代に我が国国家の機密に関わることを述べていることが「私人の個人的見解」として通用するとは到底考え難いが、政府としてそれに対する論評を免れるものであるのか。免れるというのなら、その根拠を示されたい。
六 質問主意書になぜ、正面から向き合って答えようとしないのか、岸田大臣の見解如何。

 右質問する。



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