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平成二十六年一月三十日提出
質問第一八号

辺野古新基地建設に係る個別法、条例に基づく名護市長の許認可権限等に関する質問主意書

提出者  照屋寛徳




辺野古新基地建設に係る個別法、条例に基づく名護市長の許認可権限等に関する質問主意書


 二〇一四年一月十九日実施の名護市長選挙の最大の争点は、間違いなく米軍普天間飛行場の辺野古移設(実態は、現在の普天間飛行場の機能を大幅に超える新基地建設)の是非にあった。その名護市長選挙で、「辺野古の海にも陸にも新しい基地は造らせない」との公約を掲げ、新基地建設「断固反対」を訴えた現職・稲嶺進市長が、「積極推進」の自民党推薦新人候補に四、一五五票の大差をつけ、再選を果たしたのである。
 右市長選挙で示された名護市民及び沖縄県民の民意は、辺野古新基地建設を拒否するとの強い意志表明である。にもかかわらず、防衛省沖縄防衛局は、稲嶺市長再選からわずか二日後に、辺野古新基地建設工事関連事業の受注業者を募る入札公告に踏み切った。民意封殺の手続き強行は、民主主義の冒涜以外の何ものでもない。必ずや阻止されるであろう。
 現に、稲嶺市長は、当選翌日の記者会見で、普天間飛行場の辺野古移設を阻止するため、個別法や名護市条例などに基づく市長の許認可権限等を行使し、日米両政府が強行姿勢を崩さない新基地建設工事に対して合法的に抵抗する方針を明確に示している。
 私は、先の名護市長選挙で稲嶺市長を推薦し、その当選に向けて全力を尽くした者として、また、沖縄県選出国会議員として、稲嶺市長の対処方針と決意を全面的に支持するものである。
 以下、質問する。

一 日米両政府が押し進める普天間飛行場の辺野古移設関連事業に関し、下記に列挙するような個別法に基づく名護市長の許認可権限が及ぶ事項、あるいは国の機関(事業実施主体たる防衛省沖縄防衛局)との協議が必要な事項があるものと承知している。
 1 MV22オスプレイなどの軍用機を運用するために不可欠な燃料タンク設置にあたり、消防法(昭和二十三年七月二十四日法律第百八十六号)に基づく名護市長の許可が必要だと思料するが、政府の見解を示されたい。その際、根拠条文及び当該行政手続きが地方自治法(昭和二十二年四月十七日法律第六十七号)に定める「自治事務」「法定受託事務」のいずれに該当するかについても明らかにされたい。
 2 キャンプ・シュワブ内への上水道敷設にあたり、水道事業者たる名護市長の承認が必要だと思料するが、政府の見解を示されたい。その際、根拠条文及び当該行政手続きが地方自治法に定める「自治事務」「法定受託事務」のいずれに該当するかについても明らかにされたい。
 3 キャンプ・シュワブ内に工事資材等を搬入するにあたり、名護市道を使用する場合、道路法(昭和二十七年六月十日法律第百八十号)に基づき、道路管理者たる市長の道路占用許可が必要だと思料するが、政府の見解を示されたい。その際、根拠条文及び当該行政手続きが地方自治法に定める「自治事務」「法定受託事務」のいずれに該当するかについても明らかにされたい。
 4 普天間飛行場の辺野古移設関連事業に伴い、辺野古漁港付近の護岸や防波堤など国庫補助金で造られた建造物をかさ上げ、破砕する場合、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三十年八月二十七日法律第百七十九号)に基づき、名護市長が「財産処分承認申請書」を所管の国務大臣宛に提出しなければ、以後の手続きは進められないものと思料するが、政府の見解を示されたい。その際、根拠条文及び当該行政手続きが地方自治法に定める「自治事務」「法定受託事務」のいずれに該当するかについても明らかにされたい。
 5 普天間飛行場の辺野古移設関連事業に関し、作業ヤード造成のためにキャンプ・シュワブと辺野古漁港の間の砂浜を使用する場合、漁港漁場整備法(昭和二十五年五月二日法律第百三十七号)に基づき、名護市長と事業者との間で協議が必要であり、市長の同意なくして使用できないものと思料するが、政府の見解を示されたい。その際、根拠条文及び当該行政手続きが地方自治法に定める「自治事務」「法定受託事務」のいずれに該当するかについても明らかにされたい。
 6 キャンプ・シュワブ内での開発行為に伴う埋蔵文化財の保存にあたっては、文化財保護法(昭和二十五年五月三十日法律第二百十四号)に基づき、発掘調査の実施権限は名護市教育委員会にあるものと思料するが、政府の見解を示されたい。その際、根拠条文及び当該行政手続きが地方自治法に定める「自治事務」「法定受託事務」のいずれに該当するかについても明らかにされたい。
 7 普天間飛行場の辺野古移設関連事業に伴い、キャンプ・シュワブ内の名護市有地からの土砂採取には、地方自治法に基づき、公有財産たる市有地の管理権限を有する名護市長の許可が必要だと思料するが、政府の見解を示されたい。その際、根拠条文及び当該行政手続きが同法に定める「自治事務」「法定受託事務」のいずれに該当するかについても明らかにされたい。
 8 政府が、上記項目1〜7以外にも個別法に基づく名護市長の許認可権限が及ぶ事項、あるいは国の機関(事業実施主体たる防衛省沖縄防衛局)との協議が必要な事項があるとの見解であれば、その全てについて法律名及び根拠条文を明示した上で列挙されたい。その際、当該行政手続きが地方自治法に定める「自治事務」「法定受託事務」のいずれに該当するかについても明らかにされたい。
二 日米両政府が押し進める普天間飛行場の辺野古移設関連事業に関し、下記のような名護市条例に基づく国の機関(事業実施主体たる防衛省沖縄防衛局)との協議が必要な事項があるものと承知している。
 1 普天間飛行場の辺野古移設関連事業に伴う河川の付け替え工事を実施するにあたり、名護市法定外公共物管理条例(平成二十四年九月二十五日条例第二十二号)に基づき、市と事業実施主体たる防衛省沖縄防衛局との間で協議が必要であり、市の同意なくして進められないものと思料するが、政府の見解を示されたい。その際、当該条例における根拠条文についても明らかにされたい。
 2 政府が、右項目1以外に名護市条例に基づく市長の許認可権限が及ぶ事項、あるいは国の機関(事業実施主体たる防衛省沖縄防衛局)との協議が必要な事項があるとの見解であれば、その全てについて条文を明示した上で列挙されたい。
三 日米両政府が押し進める普天間飛行場の辺野古移設関連事業に関し、今後の手続きにおいて個別法や沖縄県条例に基づく県知事の許認可権限が及ぶ事項、あるいは国の機関(事業実施主体たる防衛省沖縄防衛局)との協議が必要な事項はあるか、見解を示されたい。その際、それが法律である場合は、法律名及び根拠条文並びに当該行政手続きが地方自治法に定める「自治事務」「法定受託事務」のいずれに該当するかについて明らかにされたい。なお、それが条例である場合は、条例名及び根拠条文について明らかにされたい。
四 日米両政府が押し進める普天間飛行場の辺野古移設関連事業に関し、個別法や名護市条例に基づき同市長の許認可や同意等が得られなかった場合、地方自治法、行政事件訴訟法(昭和三十七年五月十六日法律第百三十九号)、行政不服審査法(昭和三十七年九月十五日法律第百六十号)、行政代執行法(昭和二十三年五月十五日法律第四十三号)などの各法律に基づき、名護市長を相手に是正の指示等を行う、あるいは何らかの不服申し立て手続き、訴訟を提起する、または名護市長から権限をはく奪するための特別措置法を制定するつもりか、政府の見解を明らかにされたい。

 右質問する。



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