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平成二十六年六月九日提出
質問第二〇四号

いわゆる袴田事件に係る再審請求決定に対する即時抗告等に関する第三回質問主意書

提出者  鈴木貴子




いわゆる袴田事件に係る再審請求決定に対する即時抗告等に関する第三回質問主意書


 昭和四十一年に静岡県で発生した強盗殺人放火事件で犯人とされ、死刑が確定した元プロボクサーの袴田巖氏は、冤罪を訴え、再審請求を行ってきた。その袴田氏に対し、本年三月二十七日、静岡地方裁判所は、死刑および拘置の執行停止と再審開始を決定した。右と「政府答弁書」(内閣衆質一八六第一五〇号)はじめ過去の関連答弁書、並びに「前々回答弁書」(内閣衆質一八六第一六三号)、「前回答弁書」(内閣衆質一八六第一八四号)を踏まえ、再度質問する。

一 袴田氏は四十八年もの間身柄を拘束され続けてきたが、今回袴田事件の再審が決定したことで身柄が釈放された。右に対する政府の見解、更には一人の国民の自由がこのように長期間奪われ続けてきたことに対する安倍晋三内閣総理大臣の率直な見解を求めたところ、過去の答弁書では「現在再審請求審係属中の刑事事件に関わる事柄については、お答えすることを差し控えたい。」との答弁が繰り返されていた。右の答弁内容を決めたのは、安倍総理ご自身の判断であるのかとの問いに対し、「政府答弁書」では「法務省刑事局において起案し、同省においてしかるべく決裁を経た上で、内閣として決定したものである。」との答弁がなされている。右の決裁に関わった者の官職氏名について、「前々回答弁書」並びに「前回答弁書」で「お尋ねの答弁書の決裁に関与した職員について、その官職氏名を明らかにする必要があるとは考えていない。」との答弁が繰り返されている。当方が法務省として「その官職氏名を明らかにする必要があるとは考えていない」と考える理由を問うているのにも関わらず、同じ答弁を繰り返す理由は何であるのか説明されたい。
二 国民の代表である国会議員が、その官職氏名を問うているのに、それに対して「明らかにする必要はない」と法務省として答えるのは、あまりに上からの目線に立った傲慢な物言いであり、国民を馬鹿にすることと同じではないのか。谷垣大臣の認識、見解を問う。
三 現在はいわゆる情報公開制度が広く国民の中で浸透しており、政府としても開示請求がなされた場合、関連法規に従った対応が求められると承知する。当方が繰り返し問うている、「政府答弁書」にある「決裁」に関わった者の官職並びに氏名につき、開示請求がなされた場合、法務省としても「前回答弁書」並びに「前々回答弁書」と同じ対応をし、開示を拒むのか。
四 袴田氏の弁護団、支援者は、袴田氏が逮捕された当時、時に一日十時間以上の長時間に渡る取調べを受け、しかもその際に、警察官により棍棒で殴られる等の熾烈な暴力にさらされたと訴えている。右の経緯につき、政府、特に法務省、検察庁として調査をしているか、調査結果云々は問うことはしないところ、調査をしているか否かのみ、明らかにされたいとの質問に対し、過去の答弁書では「裁判所に予断を与える」として答弁を拒んでいた。「前回答弁書」においても同様の答弁が繰り返されている。冒頭述べた、袴田氏が逮捕以来受けたとされる行為については、各種報道機関により報道され、広く周知されているものではないのか。調査をしているかどうかが、何故「予断を与える」ことになるのか明らかにされたい。
五 四で指摘したように、袴田氏が逮捕当時、非人道的な取り調べを受けていたことがすでに広く国民の知るところとなっているのならば、仮にそのことについて政府として調査をしていることを公にしたところで、当たり前の事実が述べられたにすぎず、裁判所に予断を与えることにはならないのではないのか。再度、明確な答弁を求める。
六 今回の即時抗告を最終的に判断し、決定した者は誰であるのかとの問いに対し、「政府答弁書」では「御指摘の即時抗告については、静岡地方検察庁検察官により行われた」とされている。その後当方は、即時抗告の事務的手続きを行った者ではなく、最終的責任を負う形で即時抗告を行うという判断を下した者は誰かと問うたところ、「前回答弁書」には「静岡地方検察庁検察官により行われた」、「御指摘の即時抗告について、静岡地方検察庁検察官は、上級庁と適切に協議したものと承知している。」とある。静岡地検検察官と上級庁、右のどちらが、袴田事件に関して即時抗告を行うと、最終的な責任を負う形で判断を下したのか、再度質問する。あわせて上級庁とはどこをさすのか。

 右質問する。



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