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平成二十七年二月十九日提出
質問第八六号

産業廃棄物堆肥化中間処理の適正化に関する質問主意書

提出者  鈴木克昌




産業廃棄物堆肥化中間処理の適正化に関する質問主意書


 環境省は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律(平成二十二年法律第三十四号)が平成二十三年四月一日より施行されたこと等を踏まえ、平成二十五年三月二十九日、環廃産発第一三〇三二九九号で各都道府県・各政令市産業廃棄物行政主管部(局)長宛てに、環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課長名により「行政処分の指針について(通知)」を地方自治法第二百四十五条の四第一項の規定に基づく技術的な助言として通知した。この通知には、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。)の累次の改正により、大幅な規制強化の措置が講じられ廃棄物の不適正処理を防止するために迅速かつ的確な行政処分を実施することが可能となったと記載されている。
 今、愛知県田原市では、リサイクル品と承認された土壌改良材が実は産業廃棄物であったフェロシルト事件と酷似し、さらには農作物への影響が懸念される事案がある。これは愛知県豊橋市所在の産業廃棄物処理業有限会社T社がかかわるもので、同社は、下水汚泥、動植物性残さ、木くずの発酵による堆肥化中間処理を行い、その中間処理物を愛知県田原市の農地へすき込みを行っているが、同社の中間処理物は、環廃産発第一三〇三二九九号の通知に照らして、堆肥という有価物として扱われておらず総合的に判断して無価物である廃棄物に該当すると疑いがあるところである。これにつき以下政府の見解をお示し願いたい。

一 T社の中間処理物が廃棄物に該当することについて、平成二十六年十月八日付け、「下水汚泥、動植物性残さ、木くずによる中間処理の取り扱いについて(照会)」により環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課長及び同課員が直接説明を受け写真や証言記録などを確認し、その時に産業廃棄物課長は「この報告書によれば監督官庁の愛知県も廃棄物と判断するであろう。」と感想を述べたとされ、新城の環境を考える市民の会が平成二十六年十月十四日に愛知県環境部資源循環推進課主幹に同照会をしたところ平成二十七年一月十四日になっても調査中として回答がなく調査内容や期限を尋ねるも回答しない不誠実なものであったと説明を受けている。このことについては環廃産発第一三〇三二九九号通知が無視されているおそれがあると解するが、政府の見解をお示し頂きたい。
二 T社の肥料は、汚泥発酵肥料「緑みどり」として平成十二年十月に農林水産省登録をしているが、肥料登録申請書にある原料比率は木チップ五十%、下水汚泥四十五%、動植物性残さ五%であり、熟成期間は半年から一年との申請である。しかし豊橋市役所へT社から報告された平成二十年度から平成二十四年度までの五年間の産業廃棄物及び特別管理廃棄物の処分実績報告書によると、五年間の平均で木チップ五%、下水汚泥六十六%、動植物性残さ二十九%であり原材料比率が異なり、熟成期間はT社の社長が新城市議会経済建設部会で証言したのは四十日であり申請よりも百四十日から三百二十五日不足している旨、新城の環境を考える市民の会から説明をうけている。このことによりT社が排出している肥料は登録肥料「緑みどり」ではない疑いがあるが、政府の見解をお示し頂きたい。
三 環廃産発第一三〇三二九九号は、各都道府県・各政令市産業廃棄物行政主管部(局)長宛ての技術的助言であるが、T社の事案において中日新聞平成二十六年十一月十三日掲載の千葉県庁職員で産廃Gメンであった石渡正佳氏は「千葉県なら百%取り締まりの対象。悪臭がして多くの住民が悩んでいる時点で農地に搬入されたものは肥料でなくごみだ。」と証言している。一方、本事案の監督官庁である愛知県は平成二十六年十月十四日に新城の環境を考える市民の会が提出した「下水汚泥、動植物性残さ、木くずによる中間処理の扱いについて(照会)」に対して平成二十七年一月十四日と三ヵ月経過したが未だ調査中として行政処分の判断を行っていないとの説明を同会より受けている。このことは愛知県に住む国民と千葉県に住む国民の間での法の下での平等を欠くおそれがあると解するが、政府の見解をお示し頂きたい。
四 T社が静岡県湖西市で行った産業廃棄物不法投棄事件において平成十七年五月二十六日静岡県西部保健所長宛に提出した撤去完了報告書に記載のある農地から撤去した十トントラック千二百五十三台分の産業廃棄物が愛知県豊橋市内の農地に埋設を許されている旨を新城の環境を考える市民の会から説明をうけているが、このことは愛知県に住む国民と静岡県に住む国民の間での法の下での平等を欠くおそれがあると解するが政府の見解をお示し頂きたい。
五 平成二十六年九月二十三日に新城の環境を考える市民の会がT社の肥料と称する中間処理物がすき込まれた愛知県田原市和知地内の農地から採取した土壌を豊橋市内の環境計量証明事業所で溶出量試験を行った結果ではヒ素が一リットル中〇.〇五二ミリグラムであった。一リットル中〇.〇一ミリグラム以下であることが求められている土壌環境基準の汚染に係わる五倍超のヒ素が検出され地元有力紙に報道され大きな問題となった。このことを新城の環境を考える市民の会が愛知県環境部資源循環推進課に報告したところ、T社の肥料は農林水産省東海農政局に登録された肥料であるので所管外であるといわれ、東海農政局に調査依頼をしたところT社の堆肥化中間処理施設は豊橋市に立地するので中核市である豊橋市が所管であり土壌汚染の問題は田原市で発生しているので所管は愛知県であり悪臭の問題は田原市の所管であるとして、たらいまわしされたとの説明を同会から受けている。ことは農地という人の口に入るものを育てる土壌で起きており土壌改良材であったフェロシルト事件よりも深刻な問題であるとともに、渥美半島の農業への甚大な風評被害も懸念される。本件に対する自治体の取組が不十分であるとの指摘がある中、今後どのように対応するか政府の見解をお示し頂きたい。
六 環境基準を超えるヒ素検出に当たって新城の環境を考える市民の会が愛知県にその結果を平成二十六年十月十一日に報告し愛知県は土壌の成分試験を行い平成二十六年十月三十日に発表したところでは、六箇所中五箇所はヒ素が検出されず一箇所は基準同値であるので基準以下であるとして事実上の安全宣言をした。新城の環境を考える市民の会では愛知県から土壌採取に立ち合いを求められなかったこと及び愛知県の外郭団体である県環境調査センターが分析したことなどから、透明性に欠けるとして両者立ち合いのもとでの納得いく試験を行うことを申し入れたが叶わず再度独自調査を行うこととし平成二十六年十一月八日に土壌採取した六箇所からは全箇所でヒ素が検出され基準値以下が一リットル中〇.〇〇五ミリグラム、〇.〇〇六ミリグラム、〇.〇〇五ミリグラム、基準値以上が一リットル中〇.〇一九ミリグラム、〇.〇四五ミリグラムであった。ヒ素の由来は専門家によると基準値の五倍にも及ぶことは既存の土壌に含まれていたとは考えにくく、木チップのもとである建築廃材に含まれる防腐剤やシロアリ駆除剤が最も疑われるとされ木チップは建築業者が再生品として限りなく無償に近い有償でT社に売却しているとの疑いもあり、再生品となると廃棄物処理法の取締り対象からはずれるという点に本件の問題の本質がある。排出事業者は廃棄物処理法の定めにより自社の産業廃棄物が敷地外に出て最終処分場に処分されるまでをマニフェスト伝票で管理しなければならないが、一旦再生品と称されるだけで厳密に再生されたか否かの検査もなく再生品と自称するだけでマニフェスト上では最終処分したと同様に扱われるおそれがあることは問題である。T社の場合には登録した肥料と原材料比が異なり熟成期間が三分の一に満たず未完熟であるがゆえに猛烈な悪臭で近隣住民に被害を及ぼしている。廃棄物処理法で規制すべき産業廃棄物が品質管理されずリサイクル品と称して同法の規制を免れ、農地がヒ素の混入した産業廃棄物の最終処分場と化しているおそれがある。こうした事例があることを踏まえ、現行の関連法規に改正を要する点がないのか政府の見解をお示し頂きたい。
七 T社の肥料は愛知県田原市の農業生産法人株式会社M社が耕作放棄農地を借り上げ土壌改良としてT社の堆肥を逆有償で施肥することで耕作放棄地再生交付金を交付されているという情報もある。偽装肥料の無償施肥という産廃不法投棄は全うな農業生産システムを崩壊させる懸念をはらんでいるが、これに対する政府の見解をお示し頂きたい。
八 T社と農業生産法人M社が連携して愛知県田原市の遊休農地を産廃の最終処分場と化していることが五十キロメートル以上離れた愛知県新城市で問題視されるのは、T社が現状で操業している豊橋市東細谷の同種の施設からでる悪臭を新城市の建設予定地住民が体験しその猛烈で耐えきれない悪臭に包まれる生活は絶対に阻止しようということになったことによるものである旨新城の環境を考える市民の会から説明を受けている。新城市の建設予定地では一キロメートル圏内に住居は勿論こども園や小中学校が立地し、子ども達の教育環境の悪化が懸念される。子ども達が良い環境で暮らす権利が侵されるおそれがあることについて、政府の見解をお示し頂きたい。
九 愛知県新城市ではT社が進出し産業廃棄物処理業の許可申請を愛知県に提出しており、新城市民の有権者の七割に及ぶ三万四千人の反対署名を集めるなど反対運動が進んでいる。このような事態に至ったのは愛知県企業庁が造成した新城南部企業団地において、製造業または物流業を誘致すると約束していたにもかかわらず、当初誘致した鋼管製造業の企業が計画倒産とも疑われる一年足らずで倒産した後に競売によってT社が土地を取得したことによるものと考えられており、このような手法を用いれば企業団地に目的外の産業廃棄物業が立地することができることに住民は大きな不信感を抱いているようである。産業廃棄物処理業は持続可能な社会づくりにとって重要であるがこそ、厳密な法整備とその運用のもと脱法的な廃棄物処分が疑われる事例に対応すべきと思うが政府の見解をお示し頂きたい。

 右質問する。



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