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平成二十七年四月二日提出
質問第一八一号

いわゆる残コン・戻りコンおよび、おからの産業廃棄物としての位置付けに関する質問主意書

提出者  鈴木克昌




いわゆる残コン・戻りコンおよび、おからの産業廃棄物としての位置付けに関する質問主意書


 出荷した生コンのうち工事現場で使われずに余り、工場に戻される等の処理を受ける、いわゆる残コン・戻りコンは、現場(建設業者)と工場(生コン業者)の連絡不備、現場の数量計算違いなどから発生するとされ、現在のところ、残コン・戻りコンの処理に関して法律上の取扱いは都道府県によって見解が異なり、中には「担当者によっても見解が異なる」という声も仄聞する。ただ、残コン・戻りコンを産業廃棄物として処理する場合、生コン会社のコストアップを招く他、省エネ政策の観点からも問題が生じる。そこで、発生抑制に対する方策、発生後の位置付けを中心に以下質問する。

一 国土交通省は、平成十八年に「残コン・戻りコンの発生抑制、有効利用に関するアンケート調査」を実施し、同年九月一日、その概要について公表している。調査では「残コン・戻りコンの発生抑制や、有効利用方策等を検討し、公共工事のコスト縮減を促す」ことを目的としている。
 この調査結果を受け、平成十九年以降これまでに施された発生抑制の具体策について、見解をお示しいただきたい。また、これまでに縮減された公共工事のコストの額について、見解をお示しいただきたい。
二 残コン・戻りコンは、産業廃棄物に該当するのか、明らかにされたい。
 また、産業廃棄物は、その排出事業者が処理を他人に委託する場合、産業廃棄物管理票(マニフェスト)の交付を要するが、公共工事等で戻りコンが発生した場合、マニフェストは交付されているのか、見解をお示しいただきたい。
 さらに、業として産業廃棄物を運搬する場合、これを行おうとする者は収集運搬業の許可を受けることを必要とするが、当該許可を持たない者の車両が産業廃棄物を運搬することは違法か合法か、見解をお示しいただきたい。公共工事で発生した戻りコンを車両で運搬している者は当該許可を取得しているのか、見解をお示しいただきたい。生コンを運搬してきた生コン車がそのまま持ち帰る場合はあるのか、併せて見解をお示しいただきたい。
三 生コンの業界団体が「合法かつ商習慣に従った戻りコンの有償化の方向」を打ち出したことに対し、東京都環境局は、戻りコンが発生した場合、買主側による売買契約の解除(キャンセル)として取り扱い、売主がキャンセル料として請求することで、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。)の廃棄物に該当せず、従って廃棄物の有償処分に該当しないとし、千葉県等も都と同様の見解を示していると仄聞する。また、名古屋市でも、生コンの業界団体が、戻りコンが発生した場合「キャンセル料」として一定の料金を、製品代金相当額に上乗せする方法を打ち出している。
 廃棄物処理法第四条第二項及び第三項により、都道府県は産業廃棄物の排出抑制及び適正な循環的利用を促進し、国はこれらが十分に果たされるよう必要な技術的・財政的支援及び広域的な見地からの調整を行うよう努める責務を有すると解されるところ、都道府県が戻りコンの取扱いについて適切かつ明確な判断を示し、戻りコンの発生抑制に資する有償化の取組が促進されるよう、国は一定の判断基準を示すなどして都道府県を支援する必要があると考える。
 この点を踏まえ、国として東京都、千葉県等の「生コン車から荷卸ししないで持ち帰る生コンクリートは産業廃棄物に該当しない」という方針に賛同できるか、問題があるのか、あるとすればそれは何処にあるのか、見解をお示しいただきたい。
 また、「合法かつ商習慣に従った戻りコンの有償化」という方針に賛同できるか、問題があるのか、あるとすればそれは何処にあるのか、見解をお示しいただきたい。
四 昨年、日本工業規格(JIS規格)において戻りコンに関する規定が定められたと仄聞する。安全性を鑑みた戻りコンの二次利用を促すため、例えば、土地の造成や駐車場の敷設への利用に当たっての指針等を出すことはできないか。
五 食べ物をコンクリートと同列に質問することには、日本人として心情的にも憚られる。しかし、現に豆腐を生産する際に発生する「おから」が「戻りコン」と同様に、「産業廃棄物」として位置付けられており、その現状には日本人として違和感を禁じ得ない。
 和食はユネスコの無形文化遺産として登録されるなど、世界からも高く評価されている。豆腐はその和食を構成する重要な食材であり、このことから、少なくとも豆腐料理は日本を代表する食文化の一つであるといえる。その豆腐の生産過程で産出される「おから」を日本の食文化の一つとして位置付けることはできないか。少なくとも産業廃棄物としての位置付けを終わりにできないか。
 折しも、二〇二〇(平成三十二)年の東京オリンピック・パラリンピック開催が決定しており、外国人観光客数も順調に伸びてきている。豆腐はもとより、「おから」を食する外国人も少なくないと仄聞する。
 ついては、おからに対する潜在的需要を掘り起こし、その廃棄物としての取扱いに終止符を打つための取組として、例えば、環境省のみならず、農林水産省、観光庁及び文化庁とともに「豆腐の生産過程で出るおからが産業廃棄物として位置付けられている現状と有効利用に関するアンケート調査」を世界の食の専門家、和食、豆腐好きの外国人に対して実施することはできないか、見解をお示しいただきたい。

 右質問する。



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