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平成二十七年七月二十一日提出
質問第三三九号

安保法制の問題点に関する質問主意書

提出者  鈴木克昌




安保法制の問題点に関する質問主意書


一 派遣命令の拒否について
 新安保法制の下で、自衛隊員が海外派遣命令等を拒否した場合、自衛隊法第百二十二条に規定している防衛出動の命令拒否に該当し、直ちに適用となるのか。これまでの適用は日本に対する武力攻撃に限定であったが、どんな事態を想定して法律は整備されているのでしょうか。米国では過去に戦線離脱は「死刑」でありましたが、現在は良心的兵役拒否を導入しております。安保法制案の審議にあたり、ご所見を求めます。
二 任務中に死傷した自衛隊員の補償について
 防衛出動、治安出動及び海外での活動に従事する自衛隊員の手当の金額、死傷した場合(海外派遣先での自殺を含む)の補償金等の金額並びに障害を負った場合の補償金等の金額を現行法制下及び新安保法制下について、明示していただきたい。
三 戦死した隊員の御霊について
 戦死した隊員の取り扱いについてお尋ねします。靖国神社の合祀問題が再燃することになりませんか。憲法第二十条で規定されている信教の自由との整合性はどう解決すべきでしょうか。家族や親族、友人や知人、隊友会など、宗教上のちがいが現出された場合の対応は検討されているのでしょうか。あるいは米国のアーリントン墓地のような、誰もが訪れることのできる戦没者慰霊施設など、調査研究はされているのでしょうか。ご回答ください。
四 債務残高とプライマリーバランスについて
 海外派遣に要する予算について、お尋ねします。わが国の政府債務はいまや対GDP比で二百三十%に達しております。これほどの債務残高に達したケースはナポレオン戦争直後のイギリスと、第二次世界大戦後の日本とイギリスのみです。いずれも、戦費調達のために負った政府債務で膨張したものです。平時にこれほどの債務を負った国はありません。政府は二〇二〇年度にプライマリーバランスの黒字化をめざしておりますが、その目標達成は可能なのでしょうか。ご所見を求めます。
五 自衛隊員の自殺者、PTSDへの対応について
 「同時多発テロから十年、米国はアフガンとイラクに二百二十万人以上の兵士を派遣しました。その間米軍を退役した兵士の年間自殺者数はおよそ六千五百人。無事に帰還した兵士の自殺者も急増しています。過去二年連続で百五十人を超えており、今年(二〇一一年)はさらにこれを上回る過去最悪のペースとなっています。PTSDに苦しんでいる兵士はおよそ十二万人。薬物依存・アルコール中毒・ネグレスト・DV・レイプなど、大きな社会問題となっている。」と、米国の一部メディアが伝えている。新安保法制下でも同様のことが起きると思われますが、法的整備はされているのでしょうか。
六 自衛隊員の応急措置の体制について
 自衛隊の有事の衛生(医療)体制について、お尋ねします。防衛省・自衛隊は、平成二十四年(二〇一二年)度予算から個人携行救急品の整備に着手しております。防衛省の公開している資料によると、PKOなどを想定した国際用(国外)と通常用(国内)の二種類の装備品とありますが、隊員が自ら措置する前提となっております。しかしながら、国内の訓練であれ、海外であれ、応急措置は隊員本人が必ず行うケースばかりではないはずです。手や足を吹き飛ばされて、意識をなくすケースもあります。すべてにおいて隊員が自分で対応するのは現実的ではありません。隊員同士での処置に対する取り組みにも着手すべきと考えますが、ご所見を求めます。

 右質問する。



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