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平成二十八年一月十四日提出
質問第四二号

日韓外相会談後の日韓外相共同記者発表に関する質問主意書

提出者  井坂信彦




日韓外相会談後の日韓外相共同記者発表に関する質問主意書


 平成二十七年十二月二十八日、日韓外相会談が行われ、両外相による共同記者発表が行われた。この記者発表により、日韓両国間の、いわゆる「慰安婦問題」が「最終的かつ不可逆的に解決」されることが確認された。しかし日韓外相共同記者発表後の日韓両国の報道によって、日韓両国の認識の違いが指摘されたり、本当に「最終的かつ不可逆的」なのかの危惧を指摘する専門家もいるため、日韓外相会談後の日韓外相共同記者発表に関し、次の事項について質問する。

一 合意内容をなぜ文書にしなかったのか
 平成二十七年十二月二十九日付け読売新聞など新聞各紙は、岸田外相と韓国・尹炳世外相は、「二十八日の会談後、慰安婦問題の合意を並んで表明したが、会談の正式な合意文書はなく、記者からの質問も受け付けない異例の形式となった」(同日同紙)と報道した。いわゆる「慰安婦問題」を巡っては、一九六五年の「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定」において、「完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する」と文書で残されているが、今回の日韓外相会談では、なぜ合意文書を交わさなかったのか。なぜ記者会見のみで、記者からの質問を受け付けなかったのか。
二 日韓両国間の「慰安婦問題」の定義について
 日韓外相共同記者発表では、岸田外相と韓国・尹炳世外相の慰安婦問題に関する言い回しが異なっていた。岸田外相は、慰安婦問題のことを「慰安婦問題は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題」と表現している。韓国・尹炳世外相は、「日本軍慰安婦被害者問題」と表現している。日本政府の見解として、岸田外相が述べた「慰安婦問題」とは、韓国・尹炳世外相が表現した「日本軍慰安婦被害者問題」と同じ問題であると理解しても差し支えないのか。
三 日韓両国間における「最終的かつ不可逆的」の認識ギャップ
 日韓外相共同記者発表では、韓国・尹炳世外相が、「今回の発表により、日本政府と共に、この問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」と述べた。一方、安倍首相は二十八日夜、記者団に対して、「私たちの子や孫、その先の世代の子どもたちに謝罪し続ける宿命を背負わせるわけにはいかない。その決意を実行に移すための合意だ。この問題を次の世代に決して引きずらせてはいけない。最終的、不可逆的な解決を七十年目の節目にすることができた」と述べた。日本側の認識として、「最終的かつ不可逆的」とは、日本では、「もう蒸し返さない」といったニュアンスで理解されているが、韓国内では、十二月二十九日には韓国・東亜日報が、「これからこの合意の『最終的、不可逆的』の精神が守られるかは日本がどのように行動するかに懸っている。一九九三年の河野談話直後に韓国政府は、「これ以上慰安婦問題を韓日外交懸案で申し立てない」と言及したが、日本が独島、教科書、靖国神社で歴史問題の挑発を続けたため、約束は変更された。」と報道し、十二月三十日には、韓国・中央日報が「『不可逆的』という表現を入れる問題は交渉中に韓国側が先に提起したものだという。日本の政治家が旧日本軍の慰安婦強制動員を初めて認めた河野談話などを否定する発言を繰り返すことを念頭に置き、『もうこれ以上は言葉を変えるな』という趣旨で強調したということだ。」と報道している。
 (一) 「最終的かつ不可逆的」の意味について、安倍総理の発言にあるような「この問題を次の世代に決して引きずらせない」、つまり、どのようなことがあっても「蒸し返さない」という意味の「最終的かつ不可逆的」な合意と理解してよいのか。
 (二) 韓国のメディアが報道しているように、「最終的かつ不可逆的」の意味は、日本の政治家が旧日本軍の慰安婦強制動員を初めて認めた河野談話などを否定する発言を繰り返すことを念頭に置いた、「もうこれ以上は言葉を変えない」という趣旨で理解しても良いのか。
四 日韓外相共同記者発表の内容について
 (一) 岸田外務大臣は共同記者発表、日本側発言Bの部分で「日本政府は上記を表明するとともに、上記Aの措置を着実に実施するとの前提で、今回の発表により、この問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する。あわせて、日本政府は、韓国政府と共に、今後、国連等国際社会において、本問題について互いに非難・批判することは控える。」と述べた。つまり「日本政府の予算により、全ての元慰安婦の方々の心の傷を癒やす措置」を実施すれば最終的かつ不可逆的に解決すると述べている。一方、韓国・尹炳世外相は、韓国側発言Aにおいて、在韓国日本大使館前の少女像について、「韓国政府としても、可能な対応方向について関連団体との協議を行う等を通じて、適切に解決されるよう努力する」と述べている。この韓国側の発言Aの部分が履行されなくても、日本政府は、岸田外相の日本側発言Aの実施をもって「最終的かつ不可逆的」な解決として、今後、国連等国際社会において、本問題について韓国を非難・批判することを控えるのか。それとも韓国側発言Aが履行されるまでは最終的かつ不可逆的な解決とは認められないのか。
 (二) 韓国・尹炳世外相は、発言Aの部分で、在韓国日本大使館前の少女像について、「韓国政府としても、可能な対応方向について関連団体との協議を行う等を通じて、適切に解決されるよう努力する」と述べている。「可能な対応方向」や「適切に解決」とは、様々な解釈の余地があるが、韓国政府が、関連団体との協議を行う等を通じて、「在韓国日本大使館前の少女像を撤去しない」という「可能な対応方向」で「適切に解決」した場合、日本政府としても「在韓国日本大使館前の少女像を撤去しない」ことを「適切な解決」と認めるのか。

 右質問する。



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