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平成二十八年一月二十五日提出
質問第八三号

海上自衛隊における公益通報者及び情報公開請求者に対する不利益取扱いなどの是正措置等に関する質問主意書

提出者  照屋寛徳




海上自衛隊における公益通報者及び情報公開請求者に対する不利益取扱いなどの是正措置等に関する質問主意書


 相も変わらず、海上自衛隊内における暴力行為、いじめ事件等が続発している。誠に憂慮すべき事態だ。
 平成二十五年九月二日、海上自衛隊呉基地停泊中の潜水艦「そうりゅう」内において、二等海尉による拳銃を使用した自殺未遂事件が発生した。
 右自殺未遂事件について、私が平成二十八年一月十三日の衆議院安全保障委員会で中谷元防衛大臣らに真相を質したところ、海上自衛隊が事故調査委員会を設置し、三度にわたって事故調査報告書を作成していたにもかかわらず、未公表だったことを認めた。同時に、当該二等海尉が潜水艦「そうりゅう」や過去に勤務していた潜水艦「もちしお」内において、職場の上司に当たる幹部自衛官らから暴力行為や私的制裁などを受け、かかる上官らが懲戒処分を受けていたにもかかわらず、これらの事実を公表していなかったことも明らかになった。
 かかる潜水艦「そうりゅう」及び「もちしお」内における上官らによる暴力行為、いじめ事件の隠ぺいや上官らに対する処分非公表は、今に始まったことではない。少なくとも、海上自衛隊護衛艦「たちかぜ」におけるいじめ自殺事件(以下「たちかぜ」事件という)でも同様のことがおこなわれていた。
 「たちかぜ」事件に関し、海上自衛隊は、裁判所からその責任を厳しく問われた後も、真摯に反省、教訓化せず、隊内における暴力行為、いじめ事件根絶に真剣に取り組んでこなかったと厳しく指弾せざるを得ない。潜水艦「そうりゅう」内における自殺未遂事件の発生がその証左である。
 以下、質問する。

一 私は、平成十七年二月二十二日に「海上自衛隊横須賀基地の護衛艦『たちかぜ』における暴力事件等に関する質問主意書」を提出し、同年三月八日、政府答弁書を受領したものである。
 右質問主意書において、私が「たちかぜ」事件に関し、加害者の二等海曹(当時)による暴力行為、恐喝等いじめの実態について調査報告書作成の有無を質したところ、「現在、海上幕僚監部等において、自殺をした隊員の経済状況や生活及び職場の環境等様々な観点から、その原因及び背景について、医学的見地も含め調査を行っているところである」との回答を得た。
 防衛省・海上自衛隊は、「たちかぜ」事件における被害者の自殺原因等に関する調査報告書を作成したか。作成したのであれば、当該報告書の名称、作成年月日、作成部署と併せて明らかにされたい。作成していないのであれば、その理由を説明されたい。
二 「たちかぜ」事件に関する調査報告書等の文書については、同事件が東京高等裁判所に係属中、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年五月十四日法律第四十二号)(以下、情報公開法という)に基づき、平成二十三年六月三日付で防衛省に行政文書開示請求したところ、平成二十三年八月二日に「不存在」として処理された。
 ところが、平成二十五年十二月二十四日付で再度防衛省に行政文書開示請求をおこなったところ、平成二十六年三月二十四日付で開示決定がなされ、大半が墨塗りの「自殺原因事故調査報告書」が提出されている。
 なぜ、東京高裁に事件係属中、「不存在」として処理された文書が、一転してその後の文書開示請求によって提出されたのか。その理由及び経緯について具体的に明らかにした上で、かかる防衛省の対応についての政府の見解を示されたい。
 また、右「調査報告書」について、国会法第百四条に基づき、衆議院安全保障委員会から提出を求められれば、応じる考えはあるか、政府の見解を示されたい。
三 「たちかぜ」事件に関しては、海上自衛隊三等海佐(以下、公益通報者たる三佐という)が公益通報者保護法(平成十六年六月十八日法律第百二十二号)に基づく公益通報、情報公開法に基づく文書開示請求をおこない、東京高裁において証人として証言するなどしている。
 公益通報者たる三佐が、右公益通報、情報開示請求、東京高裁での証言をおこなったこと等を理由に、不利益な処分や取扱いを受けることなど聊かもあってはならないと考えるが、政府の見解を示されたい。
四 海上自衛隊への入隊年次、防衛省・自衛隊内の基準や慣例に照らせば、公益通報者たる三佐は二等海佐に昇任していてもおかしくない経歴と能力の持ち主であるが、同三佐より入隊年次の新しい者が一佐・二佐に昇任している現実がある。
 海上自衛隊は、これらの事実を承知しているか。右三佐の昇任が遅れている理由を明らかにした上で、政府の見解を示されたい。
五 海上自衛隊では、通常二年に一度程度は賞詞が与えられるのに、公益通報者たる三佐だけが対象から除外されている。同様に、勤勉手当の「特優」ないし「優秀」も通常は二年に一度程度あるはずなのに、同三佐は五年間で一度だけしか与えられていない。三年に一度程度はあるはずの優良昇給(特昇)も平成十八年を最後に凍結されている。
 その反面、「たちかぜ」事件で「艦内生活実態アンケート」の隠匿に関わって懲戒処分等を受けた者でさえ、原則通り賞詞や昇任・昇給を受けている事実がある。
 かかる右三佐に対する人事上の不利益な取扱いは、明らかに公益通報者保護法に反するものと考えるが、政府の見解を示されたい。仮に、政府の見解が、公益通報者保護法上も特段問題なく、適正な取扱いであるとの認識であれば、その理由を法的根拠と併せて説明されたい。
 なお、右三佐に対し、人事上の不利益な取扱いや処分があったとの認識であれば、当該取扱いや処分を是正した上で、過去に遡って昇任、昇給等を検討すべきだと考えるが、政府の見解を示されたい。
六 情報公開・個人情報保護審査会の平成二十五年七月八日付答申書「平成二十五年度(行情)答申第八十九号」には、「答弁書等の記述にあるように、別の観点から隊員が自殺した原因についての調査を検討していたものの、実際には@及びAの内容を越える調査結果を求めることは不可能であるとの判断から、調査の検討に留まるものであった」(七頁下から十乃至十三行目)、「本件対象文書の完成後も自殺の原因を特定すべく検証を続けたが、自殺した本人の供述が得られない以上事実関係の裏付けが取れず、これ以上の調査を行うことができないと判断したことから、改めて調査の結果を記した文書を作成するには至らなかった」(八頁五乃至八行目)とある。
 @ 右答申にいう「調査結果」とは、前記「自殺原因事故調査報告書」とは別のものか、事実関係を明らかにされたい。
 A 右答申にいう調査を実施し、「これ以上の調査を行うことができないと判断した」のは誰か。それは前記「自殺原因事故調査報告書」を作成した者とは別の者か。また、「これ以上の調査を行うことができない」旨は誰かに報告され、了承を得たのかについて明らかにした上で、調査断念の経緯、理由を具体的に説明されたい。

 右質問する。



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