衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成二十八年三月九日提出
質問第一八〇号

理学療法士・作業療法士の臨床実習に関する質問主意書

提出者  阿部知子




理学療法士・作業療法士の臨床実習に関する質問主意書


 医療や福祉職の養成課程において、座学にとどまらない一定の臨床・臨地研修は必要不可欠なものである。病院や診療所等の施設において実際の現場で学ぶことは、知識や手技の向上だけでなく、ヒューマンケアの観点からも非常に意義のあることだと考える。しかし、理学療法士及び作業療法士(以下、理学療法士等という)の実習において、養成校から臨床実習を受託する病院等施設では、学生に実際に患者を受け持たせ、その評価(検査・測定・治療プランの立案)、治療・訓練までを行わせている実態があり、「指導者」の指導下にあるとはいえ、無資格者である学生に一連の施療を行わせるのは不適切だという指摘がある。
 医学生・看護学生の臨床・臨地実習に関しては国の指針により臨床・臨地実習体制が構築されたが、理学療法士等の臨床実習に関しては何ら整備が行われていない。理学療法医療及び作業療法医療の発展のためにも、理学療法士等の臨床実習体制の抜本的見直しについて、以下質問する。

一 無資格診療の疑いについて
 一) 大学、専門学校等の養成校は、臨床実習委託先の病院及び診療所等施設へ学生を派遣し、学生はその施設の理学療法士等を臨床実習指導者として、その指導下に実際の患者を担当のうえ検査・評価・治療・再評価など一連の理学療法を実施している。しかし、理学療法士等は名称独占であるとともに、実質的には無資格者が行ってはならない固有の業務分野を占有しており、学生が資格取得前に理学療法行為及び作業療法行為を行うことは「無資格診療」に当たるのではないか。見解を示されたい。
 二) 実習を受託している医療機関等施設は、無資格学生が担当した患者の施療にかかる診療報酬を得ていることになるが、このことについて見解を示されたい。
二 臨床実習の実態について
 一) 理学療法士等の臨床実習は十八単位以上が義務付けられており、カリキュラム上非常に大きなウェイト(十九.四%)を占めている。しかし臨床実習の指導内容についてはほとんど整備されておらず、実習内容が標準化されていない。
  医学生・看護学生の臨床・臨地実習に関しては千九百九十一年及び二千三年に指針が示され臨床・臨地実習体制が構築されているが、理学療法士等に関して厚生労働省で作成しているものがあれば示されたい。
 二) 実習の受託先である医療機関等施設における臨床実習指導者の要件とは何か。また、指導者に対する研修体制はあるのか。
 三) 近年の養成校の乱立により、実習生の数に対して実習を受け入れる施設の数が極端に少なく、養成校と実習先の対等な協議が困難になっている。こうした背景から一部の実習施設では、実習と称して見よう見まねの非科学的指導や現代に合わない徒弟制度的指導が横行し、指導者からのパワハラ・セクハラ、いじめ、暴力等による被害事例がかねてより報告され、その問題点が度々指摘される事態となっている。
  実際に二千八年と二千十三年には、大阪の近畿リハビリテーション学院において学生が臨床実習期間中に自殺する痛ましい事件が相次いで起き、いずれも遺族による訴訟が起こされている。
  政府はこうした実態を把握しているか。把握していなければ、臨床実習中における学生の傷害及び自殺事例について、件数と内容を調査すべきと考えるが、政府の見解を求める。
三 養成施設について
 一) 理学療法士等養成校の急増によって、経営の観点から学生の確保が最重要課題とならざるを得ず、入学時の基礎学力も含め、国際的な理学療法士等の養成の過程と比較して、日本の理学療法士等養成教育の質の低下が指摘されている。
  理学療法士等の養成施設の都道府県別施設数について過去二十年間の推移を明らかにしたうえで養成校の数、養成教育の質の関係性について政府の見解を示されたい。
 二) 養成校専任教員の要件について「五年以上の理学療法及び作業療法に関する業務経験」のみで十分か、見解を示されたい。
 三) 一部の養成校では、専任教員の人数や学生定員等について理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則に違反し、なおかつ厚生局からの指導に対しても改善されない実態があるが、そもそも教育機関としてコンプライアンスの軽視は許されない。こうした養成校については、立ち入り検査や罰則規定で臨むべきではないか。
 四) 一部の養成校では、修業年限で卒業する学生数が入学時の学生数の半数程度であるにも関わらず、その事実を秘匿し新卒学生に対する国家試験合格率のみを公表し学生を勧誘している実態がある。学校教育法の趣旨から見ても、学習者の適切な選択に資する観点から、学校評価とそれに関わる情報公開等の仕組みが検討されるべきと考えるがどうか。

 右質問する。



経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © 2014 Shugiin All Rights Reserved.