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平成二十八年八月一日提出
質問第五一号

政府による中長期の経済財政試算に関する質問主意書

提出者  玉木雄一郎




政府による中長期の経済財政試算に関する質問主意書


 政府は、財政健全化の目標として、国と地方を合わせた基礎的財政収支(プライマリーバランス)を平成三十二年度までに黒字化することを掲げており、本年の第百九十回国会における施政方針演説においても、安倍内閣総理大臣は「二〇二〇年度の財政健全化目標を堅持します。」と述べている。
 その目標達成に向けた政府の見通しが、平成二十八年第十三回経済財政諮問会議(本年七月二十六日開催)に内閣府が提出した「中長期の経済財政に関する試算」(以下「七月試算」という。)に示されているが、前回の試算(平成二十八年第一回経済財政諮問会議(本年一月二十一日開催)に提出された同試算。以下「一月試算」という。)に比べ、「二〇二〇年度の(基礎的財政収支の)赤字幅が縮小」したと一部で報道されている。
 七月試算については、財政健全化への取組をアピールするという政権の意向を受けて、試算の前提を一月試算から変えている疑いがあることから、次の項目について、以下質問する。

一 一月試算と七月試算を比較すると、経済再生ケースにおいて、基礎的財政収支対象経費が対GDP比で(以下この項において同じ。)〇・一二ポイント増加する一方、国の税収等が〇・一八ポイント、地方の税収等が〇・一七ポイントそれぞれ増加している。また、ベースラインケースにおいては、国の税収等が〇・二二ポイント、地方の税収等が〇・二〇ポイントそれぞれ増加するとともに、地方の歳出が〇・二一ポイント減少している。すなわち、七月試算において、二〇二〇年度の基礎的財政収支の赤字幅が縮小した主な要因は、国や地方の税収等を上方修正したことと深く関係しているが、上方修正の理由を簡潔に答弁されたい。
二 一月試算においては、「財政面における主要な想定」として、「二〇一七年度以降の期間について、社会保障歳出は高齢化要因等で増加、それ以外の一般歳出は物価上昇率並に増加すると想定」されていた。しかし、七月試算における「二〇一七年度の歳出に関する想定」は、「賃金・物価の動向や一定の歳出改革等を勘案し、結果として高齢化等を除く歳出の増加率が賃金・物価上昇率の半分程度となる」と変更されている。その理由如何。
三 一月試算における「物価上昇率並」とは具体的に何%か。七月試算における「賃金・物価上昇率」とは具体的に何%か。
四 七月試算にいう「賃金・物価上昇率」はどのように計算しているのか、具体的な計算式を示されたい。当該「賃金・物価上昇率」の算出の前提となる「賃金上昇率」及び「物価上昇率」はそれぞれ何%か。
五 わずか半年間で、「二〇一七年度の歳出に関する想定」を変更し、しかも、歳出の伸びに、これまで用いることのなかった「賃金上昇率」を加味した数字を用いることとした理由如何。
六 歳出の増加率を「賃金・物価上昇率」の「半分程度」に減じた理由如何。
七 「高齢化等を除く歳出の増加率が賃金・物価上昇率の半分程度となる」とは、どの支出項目をいくら減らすのか、その具体的な歳出削減メニューの目途はあるのか。ある場合、その項目と具体的な削減率及び額を明示されたい。
八 七月試算における全要素生産性(以下「TFP」という。)の前提は、一月試算から変更ないか。
九 七月試算の前提となっている各年度のTFPの値を、経済成長ケースとベースラインケースのそれぞれの場合において示されたい。
十 二〇一九年十月の消費税率引上げの結果、二〇二〇年度には何兆円の増収を見込んでいるのか。また、その額は二%増税分を平年度化した税収の何%に当たるか。
十一 一月試算における実質GDP成長率の予測では、二〇一六年度に成長率が上昇し、翌二〇一七年度に落込みが見られる。これは、二〇一七年四月の消費増税による駆込み需要とその後の反動減を前提として試算しているためである。一方、七月試算における実質GDP成長率の予測では、二〇一九年十月に消費増税を予定しているにもかかわらず、同様な上昇と落込みが見られない。この理由如何。
十二 七月試算の経済再生ケースとベースラインケースを比べた場合、二〇二〇年度のプライマリーバランスは経済再生ケースの方が改善する一方で、国債費を含めた歳出増額と税収とのギャップは、経済再生ケースの方が大きくなっている。経済再生ケースの方がむしろ財政状況が悪化していると考えるが、政府の認識如何。

 右質問する。



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