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平成二十八年十月十三日提出
質問第六〇号

沖縄関係予算に対して政府が恣意的に使用する振興予算の呼称と国直轄事業等の計上を是正することに関する質問主意書

提出者  仲里利信




沖縄関係予算に対して政府が恣意的に使用する振興予算の呼称と国直轄事業等の計上を是正することに関する質問主意書


 沖縄関係予算については、これまで政府はあたかも基地があるが故に沖縄だけを特別扱いし、他県と別枠
 の上乗せ予算が特別にあるが如く取り繕ってきたことは周知の事実であり、誠に遺憾である。政府のそのような取り組みの最たる証左が、政府が恣意的に用いている「沖縄振興予算」なる呼称であり、また高等学校公民科現代社会等における「沖縄の経済や沖縄振興予算、米軍基地等」に関する意図的で、事実に反した記述に他ならない。
 翻って沖縄関係予算の所以を考えると、沖縄振興特別措置法の目的及び同法の提出の際の趣旨説明におい
 て、沖縄関係予算は「沖縄の置かれた特殊な諸事情に思いをいたし」、「県民への償いの心をもって事に当たるべきである」こと、さらには「沖縄の自主性を尊重しつつその総合的かつ計画的な振興を図る」こと、「沖縄の自立的発展に資する」ことが明確にされていることからすれば、沖縄関係予算は、沖縄に基地があるが故の特別な予算でなく、沖縄が被ってきた労苦や諸環境に報いるための償いの予算であり、ましてや沖縄だけ特別に他県より上乗せされているものでは決してない。
 これらを踏まえて、以下お尋ねする。

一 沖縄振興特別措置法第一条で規定する「沖縄の置かれた特殊な諸事情」とは、南北四百キロメートル、東西千キロメートルの広大な海域に多数の島々が点在し、かつ、本土から遠隔にあるという「地理的事情」、本土の温帯性気候と異なる亜熱帯性気候等の「自然的事情」、戦後二十七年間にわたり米軍施政権下に置かれ、インフラ整備等で日本政府の支援を受けることが出来なかったという「歴史的事情」、並びに国土面積の僅か〇.六%の面積しか有していない狭隘な島に在日米軍専用施設の約七十四%が集中し、県民の生命や財産、安心、安全、経済の発展を脅かしているという「社会的事情」であり、これらを踏まえて沖縄振興特別措置法が制定され、具現化するために沖縄関係予算が措置されているものである。決して「米軍基地があるが故に」だけで沖縄関係予算があるのではないと本職は承知しているが、政府の見解を答えられたい。
二 沖縄関係予算については、一九七二年から二〇〇一年までは「本土との格差の是正」を目標としていたが、二〇〇二年から二〇一一年には「自立的発展の基礎条件の整備」を、さらに二〇一二年からはより積極的・ダイナミックに「日本経済の発展に寄与する新生沖縄の創造」を目指すことへと変わってきたことからすれば、最早単なる「振興」というありきたりの表現で沖縄関係予算を表すことはふさわしくないと本職は考えるが、政府の見解を答えられたい。
三 質問一及び二に関連して、沖縄関係予算について、基地問題を関連付ける「リンク論」に対して政府はこれまで「リンクしない」との考えを一応は維持してきたものと本職は理解している。その一方で政府が都度の主要な選挙や基地政策の推進の際には公式、非公式に「リンク論」を滲ませてきたことは否定できない事実である。また近年では就任の記者会見であからさまに「基地問題によって、振興策の中身を含め変わっていくのは十分当たり前のことだ」と言ってはばからない大臣も見受けられる。しかし、沖縄振興特別措置法等の設立経緯や目的等に照らせば、沖縄関係予算と基地問題を関連付ける「リンク論」が成り立つことはあり得ないし、「沖縄への償いの心」を風化させるような言動はあってはいけないことであると本職は考えるが、政府の見解を答えられたい。
四 予算要求方法について、他都道府県は各省庁に直接予算要求し、担当省庁が財務省に要求するが、沖縄県の場合は内閣府沖縄担当部局が沖縄県に代わって各省庁の予算を一括計上して財務省に要求するという違いがある。要は各都道府県の場合は各省庁にそれぞれ予算要求するため、全体の予算額は決算を見ないと把握し難いが、沖縄県の場合は内閣府沖縄担当部局による一括計上方式であるため総額が予算案決定時に把握できるというだけであり、決して「沖縄県だけが他都道府県と異なる特別な予算要求を行っているのではない」し、ましてや「沖縄だけが別枠で多額の予算を受け取っていない」と本職は承知しているが、政府の見解を答えられたい。
五 総務省の都道府県の分類によれば、沖縄県は財政力指数が〇.三未満の高知県や島根県等類似十県に含まれ、地方税や地方交付税、国庫支出金、地方債等の歳入で類似県十県中二番目に少なく、また全国では二十位(二〇一三年度決算)となっている。さらに、国からの財政移転額(二〇一四年度決算)で全国と比較すると、国庫支出金が十位、地方交付税が十四位であることから、決して「沖縄県が他都道府県より優遇されているのではない」と本職は承知しているが、政府の見解を答えられたい。
六 沖縄関係予算は、予算の段階では内閣府沖縄担当部局が一括計上し、予算の執行において、その実施に当たる省庁に予算の移替えを行っているが、その中には、沖縄県や県内の市町村が事業主体となる予算だけが計上されているのではない。すなわち、内閣府沖縄担当部局から沖縄県・県内市町村への補助金となる沖縄振興特別推進交付金や沖縄振興公共投資交付金、各省庁から沖縄県・県内市町村への補助金となる公共事業関係費等が計上されていることは当然であるが、その他に各省庁が直轄で事業を実施する公共事業関係費(那覇空港滑走路増設事業費、沖縄科学技術大学院大学等)や内閣府沖縄担当部局の庁費・職員旅費・沖縄総合事務局の人件費等も計上されている。これら国の直轄事業分や省庁の庁費・人件費等を沖縄関係予算として含めて位置づけ、表示することは他都道府県では行われていないやり方である。なぜ沖縄関係予算に対してこのような方法をとっているのか、本職は非常に疑問を抱いている。そこには予算をできるだけ膨らまして、あたかも沖縄には基地があるが故にこのように多くの予算を特別に配分し厚遇しているという姿勢を誇示したいとの意図が透けて見えるとしか言いようがない。よって本職は、沖縄関係予算から国直轄事業分や省庁の人件費等沖縄県と県内の市町村が事業主体となっていない全ての額を除外すべきであると考えるが、政府の見解を答えられたい。
七 二〇一七年度から使用される高等学校公民科現代社会における「沖縄の経済」において、政府は帝国書院が申請した「沖縄の経済や沖縄振興予算、米軍基地等」に関して「事実上は基地の存続とひきかえに、毎年ばくだいな振興資金を沖縄県に支出」とか「県内の経済が基地に依存している度合いはきわめて高い」との記述を一方的に承認した。これに対して、本職は次世代を担う子ども達への誤った認識を植え付ける重大な行為であり、何よりも「沖縄は基地あるが故に優遇されている」との誤解や風評を広めかねない「極めて恣意的で悪質な表現である」ことから、四月十四日付の質問主意書第二四七号及び同月二十六日付の再質問主意書第二五八号で訂正を求めた。その結果、僅かな訂正は行われたものの、依然として「アメリカ軍施設が沖縄県に集中していることなど、さまざまな特殊事情を考慮して、毎年約三千億円の振興資金を沖縄県に支出」との記述が残り、その結果、「米軍基地を負担させる代償として、他県と異なる別枠の予算として政府が毎年沖縄県に三千億円の特別な振興資金を付けている」が如く意図的に勘違いさせる結果となっている。すなわち、本来ならば他県と全く同じ内容の「沖縄関係予算」を敢えて特別な「振興予算」や「振興資金」と位置付けたり、呼称したりすることにより、「沖縄が別枠で特別に予算を配分してもらっている」かのごとく印象付けようとしているのである。本職は政府の意図をこのように危惧しているが、政府が「沖縄振興予算」や「沖縄振興資金」の名称や呼称に固執している真意について政府の見解を答えられたい。
八 仲井眞弘多前沖縄県知事は、平成二十五年十二月二十五日に安倍晋三総理大臣と総理官邸で会談した際に「沖縄振興に多額の予算を付ける約束が得られた」とし、あっさりと公約を翻して「辺野古新基地建設容認」に転じた。この結果、ケヴィン・K・メア元米国国務省東アジア・太平洋局日本部部長の「沖縄県民はゆすり、たかりの名人」との悪口に代表されるように、「沖縄に基地があるが故に別枠で予算をもらっている」との風評や批判が根付いてしまったわけであるが、これとて実際には沖縄県に関する予算は、基地があるが故に他県より上乗せされているものではなく、ましてや全く別枠で三千億円の予算が特別に政府から支出されているわけではないと本職は承知しているが、政府の認識と見解を答えられたい。
九 質問八に関連して、沖縄県の平成二十七年度一般会計予算総額は約七千四百六十五億円で、そのうち国庫支出金が二千三百二十六億円、地方交付税が二千七十五億円、自主財源が約二千二百億円となっており、この他にいわゆる「振興資金」や「振興予算」という「基地あるが故の特別な上乗せ資金三千億円」があるならば、沖縄県全体の予算総額は一兆円を超えることになる。このことからしても巷で噂されているように「沖縄が別枠で三千億円をもらっている」との風評がいかにでたらめな話であるか理解できるものであるが、政府の認識と見解を答えられたい。
十 本職は、平成二十八年八月十日に沖縄県が政府に「平成二十九年度沖縄振興予算に関する内閣府一括計上予算」を要請した際に「那覇空港滑走路増設に関する予算、沖縄科学技術大学院大学の充実に関する予算及び駐留軍用地の跡地利用推進に要する予算を除き、三千億円を確保すること」を要請したと承知している。すなわち本職がこれまで縷々指摘したように、沖縄県においても沖縄関係予算については他県と異なり、内閣府沖縄担当部局が沖縄県に代わって各省庁の予算を一括計上して財務省に要求するという予算要求の仕組みや、国直轄事業予算が沖縄関係予算として計上されていることなどを考慮して、その是非や他県での風評を一掃するためにあえて要請したわけであることから、政府におかれてはやはり「予算の本来のあるべき姿」に戻すため、沖縄県の要請通り「国直轄事業を除いた沖縄関係予算三千億円を確保」すべきであると考えるが、政府の見解を答えられたい。
十一 沖縄関係予算の歴史的な経緯については、沖縄県内の地元紙が平成二十八年九月一日付で明らかにしているところであるが、「沖縄振興予算」との呼称が使われるようになったのは二〇一一年以降であり、国会での政府答弁として残っている件数は少ない状況が明らかとなっている。また、現在の沖縄関係予算は、予算要求の仕組みが他都道府県と異なることや、名称が「沖縄振興予算」となっているため、政府が高等学校の教科書で恣意的に使っていることからも分かるように一般的に「振興資金」と混同されやすいこと、政府関係者が「予算との基地リンク論」を頻繁に打ち出すようになっていること、などの理由から、「基地があるが故に」沖縄が別枠で多額の予算を受けているとの誤解を受け易くなっているものと思われることから、本職はこの際、「沖縄振興予算」を「沖縄関係予算」とするか、または「沖縄内閣府関係予算」として呼称も含めて名称として明確に位置付けるとともに、その内容の適正化を図るため、国直轄事業や内閣府の庁費等を別枠とすべきであると考えるが、政府の見解を答えられたい。

 右質問する。



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