質問本文情報
平成二十八年十月十三日提出質問第六一号
沖縄振興特別推進交付金及び沖縄振興公共投資交付金の見直し等に関する質問主意書
提出者 仲里利信
沖縄振興特別推進交付金及び沖縄振興公共投資交付金の見直し等に関する質問主意書
沖縄振興特別推進交付金及び沖縄振興公共投資交付金は、民主党政権時の二〇一二年度に創設され、同年
度から改正・施行された沖縄振興特別措置法に導入されたものの、自民党政権になってから「使い勝手が悪い」との理由で各県から敬遠され他県では廃止されているものを沖縄県にだけ残されているものである。そのため、本職は、一月四日付の質問主意書第一号でこれら二つの交付金の「使い勝手が悪いこと」及び「自由度が高くないこと」等の理由からその是正等を強く求めたところである。その後、これら二つの交付金が中間期を迎えたため、去る九月二十八日に沖縄県内の地元紙がこれら二つの交付金に対する市町村長のアンケートを実施したところ、評価する意見がある一方で、活用がうまくいかない事例や、課題が多いことなどの意見もあることが報告されている。
そこでお尋ねする。
二 沖縄振興特別推進交付金及び沖縄振興公共投資交付金については、これまで沖縄側に起因する理由でなくてもその執行率の低さが指摘され、しばしば沖縄関係予算の減額の理由にされてきた。よって、これら二つの交付金の執行率が悪い理由について政府の承知するところを個別具体的に明らかにした上で、執行率の改善策について政府の見解や具体策を答えられたい。
三 本職は、去る一月四日付の質問主意書第一号で指摘したように、沖縄振興特別推進交付金及び沖縄振興公共投資交付金があらかじめ「成果指標」を国に提出するとともに、「PDCAサイクル」の手法で事業を実施することが求められていることがネックとなって「使い勝手の悪い交付金」及び「自由度が低い交付金」となっているものと考えているが、本職のこのような考えや評価について政府の見解を答えられたい。
四 地元紙の「一括交付金首長調査」の成功事例に対して、識者が「成果指標提出のため、指標が主張しにくい教育・福祉関係には活用されにくくなり、長期的なビジョンに基づく未来への投資ではなく、観光系のハコモノ建設かイベント事業が目立つ」といみじくも指摘しているが、識者のこのような指摘について政府の見解を答えられたい。
五 沖縄振興特別措置法第一条では、「沖縄の豊かな住民生活の実現に寄与する」ことを謳っていることから、今後は「成果指標」や「PDCAサイクル」が容易な「箱物」や「道路・公園」より、「成果指標」等は立て難いが「長期的なビジョンに基づく未来への投資」としての「教育・福祉部門」に特化するべきであると本職は考えるが、政府の見解を答えられたい。
六 質問五に関連して、本職は一月四日付の質問主意書第一号で「沖縄振興特別推進交付金及び沖縄振興公共投資交付金の自由度を高めるため、交付決定を沖縄県側に委ねるべきではないか」と提案したところ、政府は沖縄振興特別措置法で「国が沖縄県に交付することになっている」とにべもない答弁を行った。しかし、法律が規定するからそれ以上のことはできないのであれば、法律を改正して「沖縄県が交付決定する」と改正するか、若しくは「使途を定めない交付金(税)」、「成果指標」や「PDCAサイクル」方式をなくすなど所要の改善を行うべきであると本職は考えるが、政府の見解を答えられたい。
右質問する。