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平成二十八年十一月二十一日提出
質問第一五三号

第二次安倍政権以後に政府が債務免除した円借款に関する質問主意書

提出者  逢坂誠二




第二次安倍政権以後に政府が債務免除した円借款に関する質問主意書


 先般提出した「政府の円借款などに関する質問主意書」(質問第一二七号)に対する答弁書(内閣衆質一九二第一二七号。以下「答弁書」という。)では、「平成十五年度以降我が国は三十三か国に対して総額で約一兆千二百九十億円の円借款債務を免除している」と示されたが、この内容を踏まえて、以下質問する。

一 答弁書では、政府は、この十数年間で一兆円を超える円借款債務を免除しているが、厳しい生活を強いられている国民の立場からすればこの額は膨大な額である。政府の円借款を行う上での判断は見通しが甘いのではないか。見解を示されたい。
二 平成十五年度以降の債務免除した円借款の額は約一兆千二百九十億円と承知しているが、このうち、第二次安倍政権以降の円借款債務の免除はどの程度になるのか。見解を示されたい。
三 答弁書でいうように、円借款は、「我が国の国益の増進にも資するもので」「外交上の重要な手段の一つである」ものの、見通しの甘さから債務免除した円借款の額がこの十数年で約一兆千二百九十億円であることは、到底「最大限外交的効果が得られる形でODAを実施し、国民の理解が得られるもの」とは言い難い。この膨大な金額についても、ほとんどの国民はこのような膨大な金額の債務免除がなされていることは知り得ない。政府は国民に十分告知し、説明責任を果たすべきではないか。またどのような観点から、「最大限外交的効果が得られる」と判断しているのか。政府の見解を示されたい。
四 平成二十五年度にミャンマーに対して約千九百億円、平成二十八年度にキューバに対して約千二百億円の円借款の債務免除をしていると承知しているが、他方、国内政治に目を向ければ、例えば、平成二十八年度に地方自治体が行う自主的・主体的な取り組みを支援する目的で創設された「地方創生推進交付金(「新型交付金」という。)」の初年度の予算額は千億円に過ぎない。平成二十七年度予算概算要求において、この新型交付金の準備にあたって内閣府は、「地方創生と人口減少の克服について、総合的に推進するための交付金の創設」を要求し、この新型交付金は安倍政権の重要な政策の一つであったと承知しているが、他方、その年間予算をはるかに超える円借款の債務免除をしばしば行っている。また平成二十八年度の総務省の普通交付税交付額において、秋田県は約千九百億円、栃木県は約千二百億円である。政府の行う円借款の債務免除は本当に「我が国の国益の増進にも資する」運用のありかたと言えるのか。国民生活に直結する国内問題も国益であり、これを優先し、地方の再生や地方経済の疲弊や過疎化に対する政策にさらに目を向けるべきではないか。政府の見解を示されたい。

 右質問する。



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