衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成二十八年十二月二日提出
質問第一八四号

沖縄県石垣島吉原沖の川平湾付近で座礁した外国漁船の撤去等に関する質問主意書

提出者  仲里利信




沖縄県石垣島吉原沖の川平湾付近で座礁した外国漁船の撤去等に関する質問主意書


 去る平成二十八年九月二十七日、韓国からドバイに向けて航行していたモンゴル船籍の漁船「SEPEHR号」(総トン数百十九トン、乗組員七人)が台風十七号を避けるため、沖縄県石垣市の吉原沖に錨泊中のところ、強風で流されて川平湾付近で座礁した。幸い素早い救助活動により乗組員全員が救助されたため重大な事故とはならなかったが、油が流出し二次被害が生じたこと、座礁現場が国の名勝に指定されている景勝地であること、沖縄県内で唯一指定されている保護水面の指定地域となっていること、座礁した漁船がそのまま放置されており、このままでは過去の放置船舶と同様に放置船となる可能性が高いこと、現行の制度では座礁地域の自治体が撤去や汚染対策の義務を負うことなど、多くの不都合が懸念されているところである。
 これらを踏まえて以下お尋ねする。

一 石垣市は、油による二次汚染を防止するため座礁した外国漁船から総量二万五百五十リットルの油を抜き取ったが、その費用として三百六十万円要している。なぜこのような抜き取り作業を石垣市が行わなければならないのか。この油の抜き取り費用は一体誰が負担すべきものなのか。また、その法的な根拠は何か。政府の認識と見解をそれぞれ明らかにされたい。
二 質問一に関連して、石垣市は当座の対策として漁船の現状悪化を防ぐ対策等を行ったが、今後速やかに当該座礁漁船が撤去されない場合には、高波による横転等が生じて撤去費用がさらに嵩む可能性も生じている。なぜこのような対策を石垣市が行わなければならないのか。これらの当座の対策経費や今後予想される抜本的な経費は一体誰が負担すべきものか。また、その法的な根拠は何か。政府の認識と見解をそれぞれ明らかにされたい。
三 今回、座礁した外国漁船は船籍及び船主の所在地の両方が外国にあるが、聞き取りを行ったところ、保険契約違反で保険の適用も受けられない可能性があるとのことである。そのような無責任な船舶が我が国の領海内を航行している場合には我が国の法律の適用や保険加入の義務化等を行うことはできないのか、政府の認識と見解を明らかにされたい。
四 外国船籍の船舶が座礁や衝突事故を起こした場合の責任の所在や補償に関する交渉等は誰が行うべきものか。そしてその費用は誰が負担すべきものか。政府の認識と見解をそれぞれ明らかにされたい。
五 座礁漁船の船主や保険会社が撤去費用や交渉経費等を支払わない場合、支払いを求める裁判は我が国の裁判所で行うことが出来るのか。勝訴し支払いの判決が下された場合、外国の船主や保険会社に対して有効で確実な取り立ての方法があるのか。政府の認識と見解をそれぞれ明らかにされたい。
六 自主財源に乏しく、逼迫した財政状況下にある離島の地方自治体が自己の責任に帰さない座礁船舶の撤去や二次汚染防止、外国にいる船主や保険会社との交渉等を行う経費を自ら捻出し負担することは非常に困難である。また、一時的であっても立て替えをすることも同様である。地方自治体の逼迫した財政状況を政府は承知しているのか。それでも政府は地方自治体が負担すべきであるとするのか。また、このような場合に政府は地方自治体に対してどのような支援策や救済策を講ずる考えか。政府の認識と見解をそれぞれ明らかにされたい。
七 座礁船舶に対する撤去や補償交渉のあり方、その費用の負担方法等に関する現行の制度について政府の承知するところを明らかにした上で、地方自治体がまず負担すべきとなっている現行の制度が適切か否かについて政府の見解を答えられたい。
八 これまで日本国内でこのような外国船舶の座礁事故に伴い、撤去と補償交渉、その費用捻出が当該自治体で困難な場合に政府がどのような対処をしたかという先例について政府の承知するところを明らかにされたい。
九 今回、外国漁船が座礁した川平湾は、西表石垣国立公園の指定地域で、国の名勝に指定されている景勝地である。このまま漁船が放置され続けると、単に景観を損なうだけではなく、環境に与える影響がさらに大きくなることが懸念されている。政府は係る事態をどのように把握・認識し、そして今後どのように対処する考えか明らかにされたい。

 右質問する。



経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.