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平成二十九年一月二十三日提出
質問第一六号

内閣総理大臣が国会に対して憲法改正の議論を促すことのできる根拠に関する質問主意書

提出者  逢坂誠二




内閣総理大臣が国会に対して憲法改正の議論を促すことのできる根拠に関する質問主意書


 安倍総理は、平成二十九年一月二十日の第百九十三回国会の施政方針演説の中で、「憲法施行七十年の節目に当たり、私たちの子や孫、未来を生きる世代のため、次なる七十年に向かって、日本をどのような国にしていくのか。その案を国民に提示するため、憲法審査会で具体的な議論を深めようではありませんか」(「本発言」という。)と述べ、憲法改正に関する国会議論を促すような発言を行っているが、この発言に限らない一般論として、内閣総理大臣と憲法及び国会の関係に関して疑義があるので、以下質問する。

一 内閣総理大臣が、国会に対してどのような根拠によって憲法改正に関する議論を促す権限を有しているのか。根拠法とともに、その権限を持つ理由について具体的に示されたい。
二 内閣総理大臣は、行政府の長であり、何らかの国会の議論のあり方を促すのは、三権分立の観点から適切ではないと思われるが、政府はどのような見解を持っているのか。具体的に示されたい。
三 本発言は、内閣総理大臣としての安倍晋三氏の立場で行われたのか。あるいは、平成二十八年十月五日の参議院予算委員会でいうところの「自民党の総裁の立場としては、既にこの憲法改正草案が、これは谷垣総裁当時に自民党で議論を重ねた末取りまとめられたわけでございますが、自民党に対しましては総裁として、この草案の下にまとまってしっかりと憲法審査会において議論してもらいたいということは話をしております」と表明しているところの、自民党総裁である安倍晋三氏の立場で行われたのか。政府の見解を示されたい。
四 安倍総理は、平成二十八年十月五日の参議院予算委員会で、「憲法審査会はなぜつくられたかということでございますが、まさに憲法を審議する場において、これはつくられたわけでございます。私は、ここに立っておりますのは、行政府の長として、今回政府として提出をした補正予算、そして、あるいはまたこの補正予算に関わる法案等々についてここで答弁をする義務を果たしていくわけでございまして、憲法につきましてはまさに国会において議論をしていく、衆議院、参議院で発議をする、責任と誇りを持って発議をされる」と答弁しているが、行政府の長である内閣総理大臣が本発言で「憲法審査会で具体的な議論を深めようではありませんか」と促すことは、「衆議院、参議院で発議をする、責任と誇り」を傷つけ、「行政府の長として」「答弁をする義務を果たすこと」に反しないか。政府の見解を示されたい。
五 憲法は、国家権力の監視と抑制を行う規範であり、改正発議は議会がその自由意思で「責任と誇りをもって発議」するべきものであり、行政府の長である内閣総理大臣が議論を促すべきものではない。憲法は国家権力の濫用を縛るものであり、縛られる対象である行政府の長が自らその内閣総理大臣としての施政方針演説の中で規範の改変を促すことは、明らかに則を越え、三権分立に反するものであると考えるが、政府の見解を示されたい。

 右質問する。



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