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平成二十九年二月九日提出
質問第五四号

稲田防衛大臣の法的な意味における戦闘行為との答弁に関する質問主意書

提出者  逢坂誠二




稲田防衛大臣の法的な意味における戦闘行為との答弁に関する質問主意書


 稲田防衛大臣は、平成二十九年二月八日の衆議院予算委員会で、南スーダンでのPKOに参加している陸上自衛隊が作成した報告資料における戦闘という言葉の認識を問われ、「なぜ法的な意味における戦闘行為があったかどうかにこだわるかといいますと、これは、国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷しまたは物を破壊する行為が仮に行われていたとすれば、それは憲法九条上の問題になりますよね」、「憲法九条の問題にかかわるかどうかということでございます。その意味において、戦闘行為ではないということでございます」(以下、「本答弁」という。)と答弁を行った。この答弁に関して疑義があるので、以下質問する。

一 本答弁に関して、法的な意味における戦闘行為ではないものの、戦闘行為の事実はあったという理解で良いか。政府の見解を示されたい。
二 かかる戦闘行為が「法的な意味における戦闘行為」であるか否かについては、その主体が「国または国準」あるいは、「国対国の間の」ものであるということにのみ着目しているという理解で良いか。政府の見解を示されたい。
三 戦闘行為の主体が「国または国準」あるいは、「国対国」でなければ、「人を殺傷しまたは物を破壊する行為」は、「法的な意味における戦闘行為」ではないという理解で良いか。政府の見解を示されたい。
四 法的な意味における「戦闘」と「衝突」の違いは、その主体が「国または国準」あるいは、「国対国の間の」ものであるということにのみ着目しているという理解で良いか。政府の見解を示されたい。
五 政府は、「戦闘」と「衝突」の違いについて、主体が「国または国準」あるいは、「国対国の間の」ものであるということにのみ着目し、「紛争の一環として行われる人を殺傷しまたは物を破壊する行為」の様態を考慮していないという理解で良いか。政府の見解を示されたい。
六 南スーダンで、「紛争の一環として行われる人を殺傷しまたは物を破壊する行為」が発生しつつも、その主体が「国または国準」ではない者であれば、自衛官が殺害された場合でも、「法的な意味における戦闘行為」ではないという理解で良いか。政府の見解を示されたい。
七 戦闘行為の主体が「国または国準」あるいは、「国対国」でなければ、「人を殺傷しまたは物を破壊する行為」が「法的な意味における戦闘行為」でないと政府が解釈していたとしても、南スーダンに派遣されている自衛官の生命・身体への危険が軽減されるわけではない。戦闘行為という事実に着目すべきであり、「憲法九条上の問題になります」か否かは、戦闘行為にまきこまれる心配のない、日本国内で執務に携わる閣僚や政府職員の国会答弁上の欺瞞に過ぎないのではないか。政府の見解を示されたい。
八 七に関連し、「法的な意味における戦闘行為」であるか否かは、派遣されている自衛官の生命・身体への危険を軽減することが最優先であり、戦闘行為の実態も考慮すべきであると考えるが、政府の見解を示されたい。
九 稲田防衛大臣は、「さまざまな形で七月以降の情勢、また当時の南スーダンの情勢については毎日報告を受けておりましたが、今お尋ねのモーニングレポート、そして現地の派遣施設隊が作成をしていたところの、御指摘の日報そのものについて見ていたということではありません」との答弁を行っているが、部隊派遣に関して、現地からの一次情報を把握していなかったという理解で良いか。さらに、一次情報を把握せずとも適切な判断を行えると考えていたのか。政府の見解を示されたい。
十 南スーダンのような治安状態のきわめて悪い地域では、本答弁でいうような、「それは憲法九条上の問題になりますよね」という国会答弁上の視点を重視して、部隊派遣を行うことに無理があるものと思われる。現地情勢は時々刻々と変化しており、日本国内での法的議論を現地の実態に当てはめることに無理があろう。この点、政府はどのような見解を持っているのか。見解を示されたい。

 右質問する。



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