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平成二十九年三月六日提出
質問第一〇八号

那覇空港滑走路増設事業の実施主体及び予算に関する質問主意書

提出者  仲里利信




那覇空港滑走路増設事業の実施主体及び予算に関する質問主意書


 那覇空港滑走路増設事業については、国直轄事業であるにもかかわらず、沖縄振興予算との名の下、あたかも県計上予算であるかのごとく取り扱われてきたことから、本職は、これまで再三その問題点について指摘し、その是正を強く要求してきたところである。
 そのような中、今般、岩礁破砕の許可手続きに関する遅れの責任に関して政府と沖縄県の間で物議を醸していることから、その事業主体と予算について改めて問題提起を行う必要に駆られている。
 そこでお尋ねする。

一 沖縄関係予算のうち、公共事業関係費の国直轄事業分については、まず内閣府が各省庁の概算要求分を沖縄振興予算として一括して取りまとめて財務省に提出し、国会での審議・可決後、内閣府が執行省庁に予算の移替えを行い、年度当初からその執行省庁又は組織の予算として事業を実施するもの(決算の計数も、同様にその省庁・組織で整理)と承知しているところであるが、那覇空港滑走路増設事業の実施主体となる省庁又は組織について、明らかにされたい。
二 質問一に関連して、那覇空港滑走路増設事業の事業主体は内閣府又は沖縄総合事務局と紹介される報道が見受けられる。よって、那覇空港滑走路増設事業に関する国土交通省、大阪航空局、内閣府及び沖縄総合事務局の法的及び予算上の関係を明らかにされたい。
三 沖縄総合事務局が、内閣府設置法第四十四条に基づき国土交通省の各地方整備局の仕事として事業を実施する場合、例えば那覇空港第二滑走路事業の予算は、国土交通省の予算として事業を実施するのか、それとも国土交通省から内閣府の予算として予算の移替え等を受けた後に、内閣府の事業及び予算として実施するのか、明らかにされたい。
四 平成二十九年度航空局関係予算の基本方針によれば、那覇空港は福岡空港と共に「(2)観光ビジョンの実現と地方創生のための航空ネットワークの拡大」を図るため、滑走路を増設するとのことであるが、その予算費目である「自動車安全特別会計空港整備勘定収支」における那覇空港と福岡空港の歳入及び歳出科目名(細目まで)について明らかにされたい。
五 質問四に関連して、国直轄事業たる福岡空港の滑走路増設事業に係る予算とその額は、福岡県の予算とその額として位置付けられるのか、それとも国土交通省及びその出先機関である九州地方整備局の予算及びその額となるのか、明らかにされたい。
六 那覇空港の滑走路増設事業は国直轄事業であり、沖縄県及び市町村分の予算として計上されないため、本来は沖縄振興予算(一括計上分)として予算要求すべきではないが、沖縄振興予算として三千億円の枠が約束され、その枠内の構成も政府の恣意的な裁量で行えること、一般空港等分として全国と競争して要求する場合には予算額の確保が困難であること等の理由から、国土交通省及び内閣府は、那覇空港滑走路増設事業を沖縄振興予算(一括計上分)として一括計上・要求しているとの方針や考えが伝え聞こえてくるところであるが、政府におかれてはそのような方針若しくは考えを持っているか否かについて明らかにされたい。
七 質問六に関連して、那覇空港滑走路増設事業予算の要求・確保に際して、沖縄振興予算(一括計上分)として予算要求する場合と、一般空港等として全国と競争する場合に、その総額の確保の難易度が異なるか否かについて政府の見解を答えられたい。
八 沖縄振興予算(一括計上分)は、「多年にわたる忍耐と苦難の中で生き抜いてこられた沖縄県民の方々の心情に深く思いをいたし、県民への償いの心をもって事に当たるべし」との当時の山中国務大臣の発言に見られる性格と目的を持ち、そのように位置付けられてきた予算である。そのため、本職は、那覇空港滑走路増設事業等を始めとする全国ベースの国直轄事業は、本来、沖縄振興予算として一括計上すべきものではないと考える。ましてや、予算確保の容易さの観点から全国と競争するより、沖縄振興予算(一括計上分)としてあらかじめ確保された枠内の予算の中に、沖縄県の意向や要望に関わりなく政府の都合と判断でもって押し込むことが容易であるとの考えから、沖縄県や市町村の計上予算とならない国直轄事業であっても無理やり沖縄振興予算(一括計上分)として位置付けているのであれば言語道断であると考えるが、政府の認識と見解を答えられたい。
九 政府は、沖縄振興予算についてその時々の経済情勢の影響はあるものの、順調に推移していると主張する。また、仲井眞弘多氏が知事の時に平成二十六年度の予算が三千五百億円となった時に「かつてない巨額の予算で良い予算だ」と評価したことがあった。しかし、その内実を見ると、平成十年の大田昌秀知事の時に米軍基地強制土地収用関係のやり取りで四千七百十三億円を確保した時があったこと、それをピークとすると、歴代の知事の中で仲井眞知事の時が最も沖縄振興予算は二千三百億円というどん底であったこと、しかも毎年減少していたこと、しかし仲井眞知事が辺野古新基地の受け入れを表明すると一転して三千五百億円となったことからすれば、政府が幾ら否定しても沖縄振興予算と米軍基地の受け入れはリンクされていることは明らかであり、まさに「あめと鞭の政策」を政府が取り続けていたことは否定のしようがない事実である。さらに、仲井眞知事の時から政府は那覇空港滑走路建設事業等の国直轄事業分を沖縄振興予算として一括計上し、総額を意図的に膨らましている。これについて、東京新聞は平成二十五年十二月二十八日付の報道で「見せかけの沖縄振興策」との表題を掲げ、沖縄県に「関係薄い予算多数計上」と手厳しく批判していた。このような経緯を鑑みて予算のあるべき姿を考えるならば、やはり沖縄振興予算は、米軍基地とリンクさせるべきでないこと、国直轄事業分を切り離して沖縄県や市町村分だけを表示すべきであることと思われる。そのためにも沖縄振興予算は、沖縄振興特別措置法制定の理念に立ち戻って、法の目的に沿った事業を内容とする予算にするべきであると本職は考えるが、政府の認識と見解を答えられたい。

 右質問する。



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