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平成二十九年四月四日提出
質問第一九九号

学習指導要領改訂に際して「思春期になると異性への関心が芽生える」と記載してLGBTについて記載されなかったことに関する質問主意書

提出者  西村智奈美




学習指導要領改訂に際して「思春期になると異性への関心が芽生える」と記載してLGBTについて記載されなかったことに関する質問主意書


 現在、性的少数者(本主意書では以下、LGBTとする)に関する事項が新聞・テレビなどの報道で取り上げられている。しかしその一方で、当事者が日々遭遇する困難の実態に関しては、なかなか理解が進まず、どう対処するかなどの具体的な検討が進捗していない。
 民進党は、「性的指向又は性自認を理由とする差別の解消等の推進に関する法律案」を国会に提出し、性的指向または性自認を理由とする差別の解消を推進することを目指している。一方、自民党は昨年夏の参議院選挙公約にLGBTへの理解増進の法整備を掲げたが、党内会議で異論が噴出し、「性的指向・性自認の多様なあり方を受容する社会を目指すためのわが党の基本的な考え方」を示しただけで法案了承は先送りされ、その後も法案提出の動きは見えていない。
 LGBTを支援する民間団体は、教職員がLGBTの子どもたちへの具体的なサポートや対応策をまとめた「教職員のためのセクシュアル・マイノリティサポートブック」を発行するなどの取り組みを進めている。
 文部科学省は、平成二十六年六月十三日に「学校における性同一性障害に係る対応に関する状況調査」を実施し、平成二十七年四月三十日には「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」を都道府県の教育委員会や学校の事務担当者に通知している。また平成二十八年四月一日には、教職員向けに「性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について」という、指導にあたっての手引きを出している。
 こうした動きのなかで、文科省が平成二十九年二月十四日に公表した小中学校の学習指導要領の改訂案では、小学三、四年生の体育教科で「思春期になると異性への関心が芽生える」と記載した。中学の保健体育では「身体の機能の成熟とともに異性への関心が高まったりする」と書かれている。文部科学省は、学習指導要領の案の段階で審議のまとめに対するパブリックコメントを平成二十八年九月から十月に募集したが、全体で二千九百七十四件寄せられたパブコメのうち、LGBTなどの多様な性を教えるべきだとするコメントは三百六十八件(約十二パーセント)あったというが、こうした意見は学習指導要領案には反映されなかった。
 多様な性についての記載を求めてきたLGBTの当事者たちは、「LGBTなどの子どもたちが教室にいるという実情を反映した内容にしてほしい」と訴えているが、文科省は「保護者や国民の理解などを考慮すると難しい」(朝日新聞三月三十一日朝刊記事)として、反映されなかった理由が報道されている。
 そこで、以下、質問する。

一 性的指向・性自認に係るいじめ等の問題が深刻な現在であるにもかかわらず、小中学校の学習指導要領の改訂案では、小学三、四年生の体育教科で「思春期になると異性への関心が芽生える」、中学の保健体育では「身体の機能の成熟とともに異性への関心が高まったりする」との記述にとどまり、パブコメに寄せられた「LGBTなどの子どもたちが教室にいるという実情を反映した内容にしてほしい」という意見が取り入れられずLGBTについて記述されなかった理由は何か。
二 朝日新聞では、反映されなかった理由として、「保護者や国民の理解などを考慮すると難しい」と報道されているが、このようにコメントしたのは事実か。また誰がどのような場で発言したのか。

 右質問する。



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