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平成二十九年四月五日提出
質問第二〇〇号

今村復興大臣の閣議後の記者会見における応答に関する質問主意書

提出者  逢坂誠二




今村復興大臣の閣議後の記者会見における応答に関する質問主意書


 平成二十九年四月四日、閣議後の記者会見において今村復興大臣は、東京電力福島第一原発事故で今も帰れない自主避難者について、国が責任を取るべきでは、との記者の問いに対し、「本人の責任でしょう。(不服なら)裁判でも何でもやればいいじゃないか」、「福島県が対応し、国は県のサポートをする。この図式でこれからもやっていく」と発言した。
 自主避難者が帰れないのは自己責任と思うかとの質問には「基本的にはそうだ。国はできるだけのことはやった」とした。さらに質問しようとした記者に、
 今村大臣、「何で無責任だと言うんだ。無礼だ。もう二度と来ないで下さい」。
 今村大臣、「撤回しなさい」。
 記者、「撤回しません」。
 今村大臣、「しなさい。出て行きなさい。二度と来ないで下さいあなたは」。
 記者、「これはちゃんと記述に残しておきます」。
 今村大臣、「どうぞ。人を中傷誹謗するようなことを許さんよ、絶対」。
 記者、「避難者を困らしているのはあなたですよ」。
 今村大臣、「うるさい」。
 今村大臣、「出て行きなさい」。
 などと激高し、質問を打ち切った。
 かかる今村大臣の発言(「今村発言」という。)は、日本国憲法第二十一条「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」の規定、「博多駅フィルム提出命令事件最高裁判所大法廷決定」(最高裁判所、昭和四十四年(し)第六十八号、昭和四十四年十一月二十六日大法廷決定)(「本決定」という。)に反すると思われるので、以下質問する。

一 今村発言は、復興大臣としての公務として行われたという理解でよいか。
二 今村発言は、政府として共有されている認識であると考えてよいか。
三 復興大臣の記者会見は、どのような規則に基づき行われているのか。記者の受け入れはどのようなルールに基づいているのか。当該規則とともに、記者の受け入れに関するルールを明示されたい。
四 今村発言の「うるさい」、「出て行きなさい」など激高のあまり記者を排除する言動は、どのような権限に基づくものか。
五 大臣等の記者会見が静粛に行われない、円滑に進められないなどの運営上の支障があるならば、まず当該事案を生じさせた記者等に広報担当職員が注意を喚起すべきで、国務大臣その人が「うるさい」、「出て行きなさい」などと激高することは、社会通念上も異常な事態ではないか。政府の見解を示されたい。
六 今村発言の「うるさい」、「出て行きなさい」など激高のあまり記者を排除する言動は、本決定でいうところの、「報道機関の報道は、民主主義社会において、国民が国政に関与するにつき、重要な判断の資料を提供し、国民の「知る権利」に奉仕するものである。したがつて、思想の表明の自由とならんで、事実の報道の自由は、表現の自由を規定した憲法二十一条の保障のもとにあることはいうまでもない。また、このような報道機関の報道が正しい内容をもつためには、報道の自由とともに、報道のための取材の自由も、憲法二十一条の精神に照らし、十分尊重に値いする」ものに反するのではないか。
七 本決定では、日本国憲法第二十一条から導き出される報道の自由に関して、「報道の自由は、憲法が標榜する民主主義社会の基盤をなすものとして、表現の自由を保障する憲法二十一条においても、枢要な地位を占めるものである。報道の自由を全うするには、取材の自由もまた不可欠のものとして、憲法二十一条によつて保障されなければならない」と示されているが、今村発言はかかる判断に反し、日本国憲法第二十一条に反するのではないか。
八 七に関連して、今村大臣の言動は、日本国憲法第九十九条でいう「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」という規定に反して、違憲の疑いがあるのではないか。
九 今村発言は、日本国憲法第二十一条および本決定に反するものであり、政府は速やかにその非を認め、今村発言を撤回し、本決定でいう「報道の自由は、憲法が標榜する民主主義社会の基盤をなすものとして、表現の自由を保障する憲法二十一条においても、枢要な地位を占めるもの」であることを鑑み、今村発言により罵倒された記者に謝罪し、その報道の自由を確保すべきではないか。
十 現時点での政府の見解は、東京電力福島第一原発事故で今も帰れない自主避難者について、国には責任はなく、自主避難者の「本人の責任でしょう。(不服なら)裁判でも何でもやればいいじゃないか」、「福島県が対応し、国は県のサポートをする。この図式でこれからもやっていく」という理解でよいか。
十一 十に関連して、政府が原発事故によって生じた国民の不自由な生活実態を顧みず、その対策については自治体がやるべきで、国は県のサポートしかしないということはあまりにも冷たい対応であり、自主避難している住民は失望せざるを得ない。政府は積極的にかかる局面を打開すべく継続して対策を行うべきではないか。見解を示されたい。

 右質問する。



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