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平成二十九年五月十八日提出
質問第三二六号

トランプ大統領による同盟国から得た情報の漏えいに関わる懸念に関する質問主意書

提出者  逢坂誠二




トランプ大統領による同盟国から得た情報の漏えいに関わる懸念に関する質問主意書


 アメリカの複数のメディアは、トランプ大統領が五月十日にロシアの外相と会談した際、同盟国から得た機密性の高い情報を漏らしたと報じた。ホワイトハウスは否定しているものの、野党から説明を求める声が高まるなど波紋が広がっている。
 ワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズは、政府当局者の話として、トランプ大統領がロシアのラブロフ外相や駐米大使と会談した際、過激派組織ISに関する機密性の高い情報を漏らしたと報じている。そこで、問題視されるのは、アメリカの同盟国が情報を入手した場所をロシア側に伝えたことだと指摘される。その場所はISの支配地域の一都市であり、トランプ大統領がこの都市名を明らかにしたことで、ロシアは当該同盟国がどの国で、その情報収集能力がどの程度であるかを容易に知ることができ、その情報をシリアでの活動などに利用できると指摘されている。
 トランプ大統領には機密の指定を解除する権限があるため、情報を伝えたことは違法ではないものの、アメリカの各メディアは、同盟国から得た情報だったため、情報源を危険にさらすおそれがあると批判している。これに対し、マクマスター大統領補佐官は、「誤報だ。大統領はロシア側と共通の脅威について話をしたが、情報源や入手方法は議論をしていない」と否定している。他方、民主党の上院トップのシューマー院内総務は、「事実なら、非常に危険で、アメリカ国民や、この国のために情報を収集する人々の命を危険にさらす」と非難するなど、トランプ大統領に説明を求める声が高まっている。
 このような事実を踏まえ、アメリカの同盟国である日本政府の方針を確認したいので、以下質問する。

一 現在アメリカ国内で問題となっている事案は、ノートパソコンなどに爆発物を仕掛け、空港の手荷物検査を通過する新たな手法を編み出したとされる機密性の高い情報で、トランプ政権は、中東やアフリカの一部空港からの渡航者を対象に対応措置を取った。この情報に、日本政府が直接関与することはないものの、日本政府がアメリカ政府に提供する機密性の高い情報がトランプ大統領を経由して、他国に漏えいする懸念はないのか。またそのための対応策は存在するのか。政府の見解を示されたい。
二 一に関連して、現時点で、ISが編み出したとされる中東やアフリカの一部空港で想定されているような事案、すなわち、ノートパソコンなどに爆発物を仕掛け、日本の空港の手荷物検査を通過する懸念はないのか。政府の見解を示されたい。
三 ISが編み出したとされる、ノートパソコンなどに爆発物を仕掛け、空港の手荷物検査を通過する新たな手法が日本の空港で用いられた場合、これを感知する体制を日本の空港は持ち得ているのか。政府の見解を示されたい。
四 トランプ大統領には機密の指定を解除する権限があるとされるが、これはアメリカの法令上、どのような規定によるのか。政府の把握するところを示されたい。
五 四に関連して、このようなトランプ大統領の権限は、日本政府が提供する機密性の高い情報にも適用されるという理解でよいか。
六 トランプ大統領は、ロシアのラブロフ外相らとの会談で、「すごい機密情報がある。毎日、すごい情報を報告させている」と自慢し、機密性の高い情報を漏えいしたことが報じられているが、このような人物に、たとえ合衆国大統領の職務に就いているとしても、日本政府が提供した機密性の高い情報が報告されることは妥当なことと考えているのか。政府の見解を示されたい。
七 民主党の上院トップのシューマー院内総務は、「事実なら、非常に危険で、アメリカ国民や、この国のために情報を収集する人々の命を危険にさらす」と非難するなど、アメリカ国内ではトランプ大統領に説明を求める声が高まっている。アメリカ政府による詳細な調査が行われ、一定の見解が示されるまで、日本政府がアメリカ政府に機密性の高い情報を提供すること、特にわが国の安全保障に死活的に関わる機密性の高い情報を提供することには、一定の制限が必要ではないか。

 右質問する。



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