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平成二十九年六月十四日提出
質問第四一一号

凶悪犯罪・重大犯罪に関する、被害届の不受理、逮捕状の不執行、捜索・差押の過程及び政府関係者による報道関係者への説明に関する質問主意書

提出者  柚木道義




凶悪犯罪・重大犯罪に関する、被害届の不受理、逮捕状の不執行、捜索・差押の過程及び政府関係者による報道関係者への説明に関する質問主意書


 性犯罪の重罰化などに関する「刑法の一部を改正する法律案」が政府より第百九十三回国会に提出されているところである。重罰化を図り処罰の対象を明確にする一方で、捜査、逮捕及び起訴に至る手続が適正に行われなければ「近年における性犯罪の実情等に鑑み、事案の実態に即した対処」を行うという同法改正の趣旨が徹底されないことは言うまでもない。不起訴になった事案においても、申立があれば検察審査会が適正に審査を行うことも当然のことである。
 従って、次の事項について質問する。

一 被害届の受理に関する以下の点について質問する。
 1 被害届の受理について、警察官に対して犯罪被害の申し出があった場合の警察官の対応や手順については、いずれの法規則において、どのように定められているか。
 2 被害届を受理すること又は受理しないことについて警察学校では警察官に対しどのように教育されているか。
 3 被害の申し出がなされた警察署(以下「当該警察署」という)から見て、被害者が被害を受けた場所が当該警察署の管轄外であった場合、当該警察署の警察官はいかなる対応をなすルールになっているのか。
 4 犯罪被害の申告があっても当該警察署が被害届を受理しないことはあるのか。かりに受理しないことがある場合、警察官はどのような場合に被害届を受理しないのか。また、当該警察署では、被害届を出さないように警察官が被害者に助言や指導を行うことはあるのか。かりに助言・指導することがある場合、被害届を出さないよう助言・指導する目的は何か。さらに、被害者に対して、加害者との間で示談するよう警察官が助言・指導することはあるか。
 5 当該警察署が被害届を受理しなかった場合、それについて何らかの記録を行うことはあるか。また受理しなかった場合には、その判断は警察官が単独で行うか。あるいは警部以上の管理者または所属長(署長)の指揮に基づいて判断するのか。
 6 警察庁が定義する「凶悪犯罪・重大犯罪」にあたる罪名を全て挙げていただきたい。
 7 凶悪犯罪・重大犯罪の被害届を当該警察署が受理しないことはあるか。かりに受理しないことがある場合、不受理について何らかの記録を作成しているか。また被害届の不受理件数に関する統計はあるか。更に、不受理がありうる場合、凶悪犯罪・重大犯罪の被害届を受理するか、受理しないかは被害の申し出を受けた警察官が単独で判断するか、それとも警部以上の管理者又は所属長(署長)の指揮を受けて判断するか。
二 逮捕状の執行に関する以下の点について質問する。
 1 逮捕状の請求は警察官全員が請求可能なのか。可能なのが警察官のうちの一部である場合には、その警察官の範囲を示していただきたい。
 2 通常逮捕での逮捕状請求は、実務的には、警察署では必ず署長が決裁するのか。あるいは他の役職の者が決裁することがあるのか。仮に署長以外の者が決裁することがあるとしたら、それはどのような場合か。
 3 犯罪が凶悪犯罪や重大犯罪に該当すること、又は被疑者や被害者の社会的地位などにより報道機関により大きく報じられる可能性があり社会的な反響が大きいと想定される場合の逮捕状請求について、起訴後の公判を維持する観点から検察官に対して警察官が説明することはあるか。
 4 検察官は、司法警察員が逮捕状を請求したにもかかわらず、警察官が逮捕を執行しないことについて知り得る地位にあるか。仮に、検察官が知り得る地位にある場合、逮捕状を執行しないことに対して、検察官が刑事訴訟法上の指揮をすることはできるか。
 5 裁判官が逮捕の理由と逮捕の必要を審査して逮捕状を発付した場合であっても、逮捕状を警察官が執行しないことはあるのか。
 6 法的に、裁判官が発付した逮捕状を警察官が執行しないことは可能か。仮に発付された逮捕状を警察官が執行しない場合、そのことを何らかの記録に残すか。また、その場合、執行されなかった逮捕状の取り扱いはどのようになるか。さらに、裁判官の判断に反して警察官が逮捕状を執行しなかったことについて、警察官が裁判官へ説明する制度上の仕組みはあるか。
 7 逮捕状の請求を司法警察員が取り下げる法的な仕組みはあるか。仮にあるとすれば、実務上はどれくらいの件数の取り下げがあるか。また、取り下げがある場合、取り下げの理由について何らかの記録は残すか。
 8 司法警察員が逮捕状を請求し、裁判所より逮捕状が発付されたが、より上位の司法警察員がその執行が不適切と判断した場合、そのことについて何らかの記録を残すか。一方、執行が不適切と判断された逮捕状を請求した司法警察員及び決裁した管理者(警察署長など)は何らかの懲戒の対象と成り得るか。
 9 凶悪犯罪・重大犯罪において裁判官が「逮捕の必要がない」と判断して逮捕状が発付されなかったことはあるか。凶悪犯罪・重大犯罪において司法警察員が逮捕状を請求し裁判所から発付を受けたが、逮捕の執行をする必要がなくなったことはあるか。
三 犯罪捜査における捜索・差押に関する以下の点について質問する。
 1 裁判所から「捜索・差押許可状」が発付された場合、警察官が被疑者に対して事前にその旨を伝えることはあるか。
 2 被疑者が使用する電子計算機が差押の対象となった場合、警察官がその電子計算機上で廃棄されたと思われるデータの復元を行うことは法制度上可能か。
四 政府関係者による、新聞記者・テレビ局記者などの報道関係者への説明に関して質問する。
  報道関係者が被疑者の疑いがある凶悪犯罪・重大犯罪に関して、一般的に、政府関係者が報道関係者に対して政府の見解を説明することはあるか。

 右質問する。



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