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平成二十九年九月二十八日提出質問第二号
沖縄県が日米外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会で議論するよう要望した二項目に対する政府の取組姿勢と結果に関する質問主意書
提出者 仲里利信
沖縄県が日米外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会で議論するよう要望した二項目に対する政府の取組姿勢と結果に関する質問主意書
去る八月十四日の小野寺五典防衛大臣と翁長雄志沖縄県知事との初会談において、翁長知事は米軍普天間飛行場の辺野古移設の断念や日米地位協定の抜本的改定、オスプレイの配備撤回等十四項目を要請した。これに対して小野寺防衛大臣は、沖縄に関する特別行動委員会（ＳＡＣＯ）合意に反する米軍嘉手納基地での旧海軍駐機場継続使用やパラシュート降下訓練問題については日米外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会（２プラス２）で取り上げる意向を示したが、それ以外については県の要望を即座に否定し、県民に寄り添う姿勢とは程遠い対応となった。さらに、八月十七日に開催された２プラス２における政府の取り組みはお座なりとしか言いようがないものであり、問題解決への意欲が全く感じられないものであった。
そこでお尋ねする。
二 稲田朋美前防衛大臣は、今年五月に米軍嘉手納基地でパラシュート降下訓練が実施された際に、二〇〇七年に日米で合意した「嘉手納基地を例外的な場合に限って使用する」ことの「例外的な場合に当たるとは考えていない」と述べ、合意違反との認識を示したが、政府の認識にその後変更がないか、明らかにされたい。
三 小野寺防衛大臣は「嘉手納飛行場を巡る問題やオスプレイの飛行について、地元での強い要望を説明し、地元への配慮や安全性への確保を改めて要請した」とのことであるが、説明した「地元での強い要望」や、要請した「地元への配慮や安全性」とは具体的にはどのような内容か、それぞれ明らかにされたい。
四 河野太郎外務大臣は「嘉手納飛行場を巡る様々な問題についても、地元の理解を得るための努力が必要だと指摘した」とのことであるが、指摘した「地元の理解を得るための努力」とは具体的にはどのような内容か、明らかにされたい。
五 今回の２プラス２における小野寺防衛大臣と河野外務大臣の対応は、我が国を代表して防衛及び外交の重責を果たしているとは到底評価できない。なぜならば、小野寺防衛大臣は「沖縄県からの説明と要請」を断片的に米側に伝えただけであり、河野外務大臣に至っては傍観者的に「指摘」を行っただけにすぎないからである。つまり、二人の大臣は「沖縄県の問題」を言葉短く伝えるだけで、日本政府の考えや要求、真剣さを一切伝え説明しようとしなかったのである。このような政府の姿勢では米側が真摯に答えようとしないのは至極当然である。なぜ政府は、沖縄の要望や考えを具体的かつ詳細に説明しようとしなかったのか、なぜ米側に合意違反を直ちにやめるよう毅然と求めなかったのか、なぜ政府としての考えや要求を米側に突き付けなかったのか、それぞれ明らかにされたい。
六 日本側から取り上げた嘉手納飛行場を巡る問題やオスプレイの飛行について、米側は「きちんと対応していく」と述べただけで「使用中止などの明確な応答はなかった」とのことである。それでは、米側の「きちんと対応する」とは具体的にはどのような対応なのか、使用や飛行に関して米側から何らかの説明や質問もなかったのか、日米間でその際にやり取りは一切なかったのか、なぜ政府は米側に補足・追加の質問や説明要求を行わなかったのか、それぞれ明らかにされたい。
七 今回の２プラス２において、沖縄県から要望したＳＡＣＯ合意に反する米軍嘉手納基地での旧海軍駐機場継続使用及びパラシュート降下訓練問題の二つの事項に対する米側の対応に関する政府の評価や考えについて明らかにされたい。
八 二国間の外交の成果として発表する共同声明において、繰り返し同一の問題を「確認し合う」ことは通常のやり方なのか。つまり、日米間では、今回の２プラス２を始めこれまで開催された日米首脳会談の都度に、繰り返し「米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設が、普天間の継続使用を回避する唯一の解決策だと再確認」しているわけであるが、このようなやり方は外交上あり得ないことであり、極めて異様であると考えるが、政府の認識と見解を答えられたい。
九 質問八に関連して、日米両政府が異様なほどに「辺野古が唯一の解決策」と繰り返し強調しなければならない理由と真意は何か、明らかにされたい。
右質問する。