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平成二十九年九月二十八日提出
質問第六号

オスプレイのオーストラリア東部沖での墜落事故後に事故原因の究明と報告が行われない中での安全宣言と飛行の強行を行うことに関する質問主意書

提出者  仲里利信




オスプレイのオーストラリア東部沖での墜落事故後に事故原因の究明と報告が行われない中での安全宣言と飛行の強行を行うことに関する質問主意書


 去る八月五日、オーストラリア東部沖で輸送揚陸艦への着艦訓練を行っていたオスプレイが墜落する重大事故が発生した。この事故を受け小野寺五典防衛大臣は、米側に対して日本国内でのオスプレイの飛行自粛を求めたが、在沖米海兵隊は意に介せず、事故原因を究明せず、また県民への説明も一切ないままに七日、沖縄県内でのオスプレイの飛行を強行・継続した。
 このような米軍の行為は、沖縄県民の強い不安や憤りを無視するものであり、それを容認する日本政府の対応はおよそ主権国家とはいえないものである。
 そこでお尋ねする。

一 政府と米国政府、米軍は昨年及び今回のオスプレイの墜落事故に関して、事故原因の究明と報告が行われないのにもかかわらず、極めて短時間のうちに「安全が確認された」として飛行を再開した。しかし、墜落という極めて重大な事故が発生したことは機体に何らかの不都合や不適切な事態が生じたか、または構造的な欠陥がそもそもあったからこそであり、それを取り除かない限り飛行を行うべきではないと思われるが、政府はなぜそのような考えに至らないのか、政府は沖縄県民や国民の安心と安全を第一義に考えるべきであって、米軍の「運用優先」や「原因究明や報告なしのいわゆる根拠なしの安全宣言」を優先させるべきではないと思われるが、政府の認識と見解を明らかにされたい。
二 在日米軍のシュローティ副司令官は八月七日、小野寺防衛大臣にオスプレイの飛行継続について「安全性を確認した上で、部隊の運用上、必要との判断をした」と説明し、小野寺大臣は改めて国内での飛行自粛を求めた上で「引き続き安全面に最大限配慮してほしい」と伝えたとのことであるが、このやり取りは一体何を言わんとしているのか、皆目見当がつかない。主権国家として「墜落の原因が究明されず、したがって安全か否か判断できない」との立場に立って「飛行するな」と強く求めているのか、それとも「一応言いますが、しょうがないですね。でも余り日本国民を不安に陥れないように安全であるとのポーズは取ってください」と懇願しているのか、どちらであるか、明らかにされたい。
三 菅義偉官房長官は、八月七日の記者会見で、「米軍機の飛行は安全面の確保が大前提だ」と述べ、また「現在米側が調査中で、情報提供を踏まえてしかるべく検討する」と述べたとのことであるが、米軍の事故原因の究明が未だなされず、したがって報告もない中で、政府はどのようにして「安全面が確保された」としたのか、米軍が「安全だ」と言ったから安全としているのか、具体的にその根拠を明らかにされたい。
四 ローレンス・ニコルソン四軍調整官は八月八日、沖縄県の飛行中止の求めに対して、「オスプレイは普天間だけではなく、世界中で飛んでいる。沖縄もそれと同列だ」と発言し、運用を続ける姿勢を明確にした。米軍トップのこのような発言は、事故原因の究明や報告を置き去りにしながら、米軍の運用上の都合を最優先とする姿勢を強く打ち出したものであり、県民の生命や安全を危険にさらすことは厭わないとの考えの表れである。政府は、米軍のこのような考えや姿勢に対して強く抗議し、謝罪を求めるべきではないか。政府の認識と見解を明らかにされたい。
五 去る九月十一日、日米両政府は、昨年十二月の名護市安部へのオスプレイの墜落事故の調査報告書を公表した。それによると、事故原因は「困難な気象条件下で空中給油訓練を行った際の操縦士のミス」であるとし、「機体の不具合又は整備不良が事故の要因となる兆候はなかった」と結論づけている。ところで、沖縄県内地元紙の琉球新報社は、この報告書では、事故を踏まえた意見や提言、各資料の固有名詞、機密情報が「全て黒塗り」となっていることや、事故についての面談や証言記録、飛行に関するエクセルデータ、マニュアル、ビデオ資料が公開されていないこと、などを明らかにしている。これら「黒塗り」と「非公開」となった資料は、いずれも事故原因の究明と今後の再発防止策を講じるためには必要不可欠な資料であると思われるが、これらの資料について政府の承知するところを明らかにした上で、米軍がこのような「黒塗り」と「非公開」となった資料を提出することに対して、国民の安全・安心を脅かし、情報開示に消極的な措置であるとの観点からすれば、政府は米軍に対して強く抗議し是正を求め、場合によってはオスプレイの飛行停止を求めるなど毅然とした対応を行うべきであると考えるが、政府の認識と見解を答えられたい。
六 質問五に関連して、報告書は今回の事故原因を「パイロットの操縦ミス」と断定した。しかし、その一方で、報告書はパイロットについて「飛行訓練や空中給油活動を行う有効な資格を有していた」と強調している。また、在沖米軍トップのローレンス・ニコルソン四軍調整官は墜落直後に「民間地を避けたパイロットの判断が乗組員や沖縄県民の命を救った」としてその技量を称えているのである。このような優秀なパイロットが果たして操縦ミスを起こしたことになり得るのか、矛盾した報告書の内容を許すのか、はなはだ疑問であるし、極めて不都合である。政府はこのような事故報告書に対して、全ての内容と資料の公開を求めるとともに、その全てを国民に公開し、徹底的な検証を行うべきであると思われるが、政府の認識と見解を答えられたい。

 右質問する。



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