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平成二十九年十二月四日提出
質問第八〇号

第三の性に関する再質問主意書

提出者  逢坂誠二




第三の性に関する再質問主意書


 先般提出した「第三の性に関する質問主意書」(質問第三九号)に対する答弁書(内閣衆質一九五第三九号。以下「答弁書」という。)では、「お尋ねの「第三の性」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である」と示された。
 「第三の性に関する質問主意書」では、ドイツ連邦の憲法裁判所の判断を紹介しつつ、またオーストラリアやインドの裁判所で、第三の性を公的に認める判断についても言及したところである。このドイツ連邦の憲法裁判所の判断については、二〇一七年十一月九日のニューヨークタイムズ紙は“Germany must create a third gender category for people who do not identify as either male or female or born with ambiguous sexual traits, the country's constitutional court ruled on Wednesday, finding that binary gender designations violated the right to privacy.”(ドイツの憲法裁判所は、男女双方の性的な特性を持たない、男性や女性としても識別できない人々のために、第三の性別分類を作成しなければならないと判断した)と報じており、「「第三の性」の意味するところが明らかではない」との政府の見解には疑義がある。
 二〇一六年十二月に日本小児内分泌学会の性分化・副腎疾患委員会が作成した「性分化疾患の診断と治療」では、「本邦では後に述べるように戸籍法が制定されており、男女の性の選択と登録が義務づけられている。また、法制だけでなく、実際の社会生活を送る上で男女の性を選択することが欠かせず、「中間の性」といった社会通念はまだ形成されていない。さらに、一度戸籍に登録された性を変更するには家庭裁判所の判断が必要になり、社会的/文化的に性変更が受容される環境が整っていない場合が多い」と指摘した上で、「初期の社会的性の決定が適切になされることは重要で、このためには適切な診断と治療方針の策定がなされなければならない。しかし、診断や治療方針の策定などの判断は必ずしも容易ではなく、不確定の部分は存在する」とも指摘し、「中間の性」の存在を想定した論述が認められる。
 わが国においては、これに対する公的な取り組みはほとんど進んでいない。その定義として、長浜バイオ大学の麻生一枝氏は、「青少年問題」の平成二十五年十月号で、「心の性そのものが男か女かに単純に二分できるものではない」とした上で、第三の性については、専門家の間でも認識や意見が必ずしも一致せず、学術的にはインターセックスと呼称されていることを紹介し、「典型的な男性の体、あるいは典型的な女性の体に当てはまらない体を持つ人々」であると規定している。また麻生一枝氏はインターセックスという用語について、欧米を中心とする小児内分泌専門家からは性分化疾患という用語を用いることが提案されていることを紹介している。
 平成二十一年度より、厚生労働省の難治性疾患克服研究事業において、これまで十分に研究が行われていない疾患について診断法の確立や実態把握のための研究を行う、研究奨励分野が新たに設置され、その中の内分泌疾患分野において「性分化疾患の実態把握と病態解明ならびに標準的診断・治療指針の作成」が対象とされ、国からの支援が行われている。この性分化疾患の一つの結果として「典型的な男性の体、あるいは典型的な女性の体に当てはまらない体を持つ人々」が存在する。当該研究班の作成した概要では、全ての性分化疾患として約一万人の方がいると推定され、個々の病気の患者は数名から三千名程度と指摘している。
 このような現状を踏まえ、第三の性についての政府の取り組みを再度確認したいので、以下質問する。

一 厚生労働省の難治性疾患克服研究事業において、「性分化疾患の実態把握と病態解明ならびに標準的診断・治療指針の作成」が対象とされ国からの支援が行われているが、「典型的な男性の体、あるいは典型的な女性の体に当てはまらない体を持つ人々」が存在することを承知しているのか。政府の見解を示されたい。
二 日本小児内分泌学会がいうところの「中間の性」というものが定義されていることを政府は承知しているのか。見解を示されたい。
三 海外では、裁判所の判断にも、「第三の性」あるいは「中間の性」そのものを法的に認め、政府が第三の性である人々が社会生活を営みやすいような措置を取るべきであると示されているが、このような事実を政府は承知しているのか。見解を示されたい。
四 現行の法制度や政府の政策において、「第三の性」あるいは「中間の性」を配慮したものは存在しているのか。見解を示されたい。
五 わが国において、「第三の性」もしくは日本小児内分泌学会がいうところの「中間の性」に該当する者はどの程度であると考えているのか。政府の把握しているところを示されたい。
六 「第三の性」を認めることは、社会や医学の問題にとどまらず、人権問題に他ならないという見解があるが、これに対する政府の見解を示されたい。
七 ドイツの憲法裁判所の判断や海外における裁判所の判断、日本小児内分泌学会の知見などを踏まえ政府は「第三の性」の存在を現行の法制度に整合させるための検討をはじめるべきではないか。見解を示されたい。

 右質問する。



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