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平成二十九年十二月六日提出
質問第八九号

国家戦略特区による獣医学部新設に関する質問主意書

提出者  宮本 徹




国家戦略特区による獣医学部新設に関する質問主意書


 国家戦略特区による獣医学部新設をめぐっては、今治市(加計学園側)と京都府・京都産業大学が具体的な提案をしていたが、この間、政府は二千十六年十二月下旬に、今治の提案と京都の提案を比較して、今治の提案の方が、「教員の確保の道筋が立っている」など「熟度が高い」ので今治市を選定したと国会で説明してきた(六月十三日参議院内閣委員会、山本幸三大臣答弁等)。
 ところが、先日公表された大学設置・学校法人審議会の審査意見によれば、岡山理科大学獣医学部(加計学園)の設置申請に対して、一回目の審査意見(第一次)として、教員配置について「カリキュラムの実現可能性に疑義がある」と指摘する等、七つの「是正意見」をつけ、根本的に見直さなければ不認可となる「警告」の意見をつけていた。この大学設置・学校法人審議会の審査意見は、今治の提案の方について「教員の確保の道筋が立っている」故に、今治の提案を選んだという政府の答弁の根拠を崩すものと、私は考える。
 そこで、国家戦略特区による獣医学部新設に関して、以下の点について伺う。

一 国家戦略特区による獣医学部新設について、政府は、事業者公募の手続に入る前の二千十六年十二月下旬の段階で、「今治市の提案」と「京都府の提案」を比較して、今治市を選んだと説明してきた。
  ならば、この比較検討を行った会議の日時、名称、検討会議の構成メンバー、会議録の有無を明らかにされたい。加えて、比較検討を行った者の中には、獣医学、ライフサイエンス及び人獣共通感染症の水際対策等の知見を持った専門家が入っていたのかを明らかにされたい。
二 十二月一日の文部科学委員会で松本文明内閣府副大臣は、「京都府と今治市の比較検討にあたって、特区ワーキンググループなどの民間有識者の方々に、獣医学部の新設を一校に限らざるをえなくなる可能性があること、その場合は今治市と京都府でまず実現するかを決める必要があることを説明し、ご意見を伺った事実がございます」と答弁した。
  ならば、「意見」の論点を詳細に説明されたい。
三 十二月一日の文部科学委員会で松本文明内閣府副大臣は、「京都と今治の比較をおこなうにあたって内閣府に提供された資料や情報をもとにおこなった」と答弁している。
  二千十六年十二月下旬段階での「今治市の提案」と「京都府の提案」との比較に用いた資料及び情報は、「国家戦略特区のワーキンググループに提出された提案資料、同ワーキンググループでのヒアリングの内容」及び「構造改革特区で今治・加計学園側が提出していた資料」以外の「資料と情報」が存在するのか。仮に存在するならば、資料の表題及び内容等を詳細かつ具体的に明らかにされたい。
四 山本幸三大臣(当時)は本年六月十三日参議院内閣委員会の答弁で、「今治市の提案」と「京都府の提案」を比較して今治を選んだ理由として、「専任教員の確保については、今治市は専任教員を七十名確保するとしており、その確保先についても、海外製薬企業、中央官庁のほか国際機関での経験者、あるいは国際協力機構を含めて途上国経験を持った人材等が示されており、教員の確保の道筋が立っていると言えます」と答弁されている。
  しかし、公開されている「国家戦略特区のワーキンググループに提出された資料」、「ヒアリングの内容」及び「構造改革特区での今治・加計学園側の提案資料」の中には、山本大臣が答弁したような具体的な確保先についての記述は無い。一方、今治市が獣医学部新設の国家戦略特区の地域と選ばれた下で、今年一月の加計学園が提出した国家戦略特区の応募書類の中に、答弁内容と同様の人材確保先が記されている。山本大臣の「教員の確保の道筋が立っているので今治市の提案は熟度が高い」という趣旨の答弁は、応募書類を見た上で創作したのではないかと私は考えている。
  「海外製薬企業、中央官庁のほか国際機関での経験者、あるいは国際協力機構を含めて途上国経験を持った人材等」の確保先について、昨年十二月の比較検討の際に、政府は本当に知っていたのか。仮に政府が知っていたとするならば、どうやって知りえたのか。具体的に明らかにされたい。
五 今年七月に私が質問「四」の内容を内閣府に質した際、「『海外製薬企業、中央官庁のほか国際機関での経験者、あるいは国際協力機構を含めて途上国経験を持った人材等が示されており』との答弁について、今治市への聞き取りの状況 (回答) 十二月下旬に聞き取ったものです。」との説明が内閣府からメールであった。
  一方、十二月一日の文部科学委員会で松本文明内閣府副大臣は、「京都と今治の比較を行うにあたって内閣府に提供された資料や情報をもとに行った」との答弁をしており、七月の説明と矛盾している。
  「京都」と「今治」の比較検討の材料として、内閣府に提供された「資料や情報」以外にも、聞き取りは行ったのか、行っていないのか。どちらの説明や答弁が正しいのか、明らかにされたい。
六 山本幸三大臣は六月十三日の参議院内閣委員会で「地元との連携については、水際対策について、今治市は、四国知事会等が要望するなど広域的な対策を強化する具体的なアクションを起こしております。他方で、京都府等は、獣医学部のある大阪府との連携が必ずしも確保されていないなど不十分と評価せざるを得なかった」と答弁している。
  しかし現実には、京都産業大学は二千六年に鳥インフルエンザ研究センターを立ち上げ、関西広域連合で「鳥インフルエンザ・口蹄疫等対策専門部会」にも参加している。また大阪府をはじめ、周辺自治体の家畜防疫の会議に委員を出して協力している。大阪府との連携という点では、京都産業大学が獣医学部設置の準備段階として設けた総合生命科学部動物生命医学科や鳥インフルエンザ研究センターから、近畿ブロック病性鑑定ネットワーク協議会や動物由来感染症防疫体制強化構想検討委員会に参加している。
  政府は、これらの京都産業大の実績について、昨年十二月下旬の「今治市」と「京都府」の提案比較の際に、比較の材料とはしていないとの答弁だったが、京都産業大学の実績そのものについて認識していたのか、乃至、認識していなかったのかを明らかにされたい。また、この時点で政府が認識していた「京都産業大学の水際対策についての実績」を明らかにされたい。
七 獣医学部新設の規制緩和の第一の理由として掲げられてきた、「先端ライフサイエンス」分野について、二千十六年十二月の比較検討の際に、「今治市側」と「京都府・京都産業大学側」の提案の比較はどのように行ったのか。比較検討のポイント及び結果を明らかにされたい。
八 昨年十二月下旬に今治市と京都府・京都産業大学の提案を比較する際に、政府は一方の今治市側については、国家戦略特区ワーキンググループでの提案書やヒアリングに加え、過去の構造改革特区の時の提案書内容、さらに七月の説明では十二月下旬の今治市への独自の聞き取りなどを用いたと説明してきた。他方の京都府・京都産業大学側については提案書やヒアリングを用い、京都府・京都産業大側への独自の聞き取り等は行っていない。
  昨年十二月下旬に政府で行われたとされる「今治」と「京都」の提案の比較及び選考は、「公平かつ公正」に行われておらず、実際は「加計学園ありき」の選考だったのではないか。政府の見解を明らかにされたい。
九 和泉首相補佐官が、前川前文部科学次官を二回目に呼び出したのは昨年十月十七日の午後四時頃とされている。十月十七日の午前中は、国家戦略特区ワーキンググループで京都産業大学の提案に関するヒアリングが行われている。国家戦略特区を利用した獣医学部新設の申請について、京都産業大学をはずし、加計学園の手だけに渡るようにするために急ぐように示唆した疑いを私は持っている。
  和泉首相補佐官は、前川前文部科学次官を二回目に呼び出した十月十七日の午後四時頃の時点で、国家戦略特区ワーキンググループで京都産業大学が具体的な提案をしていることを認識していたかを明らかにされたい。また、この時点で和泉首相補佐官は、国家戦略特区による獣医学部新設を平成三十年度開設に限れば、京都産業大学は獣医学部開設に「間に合わない」という認識が根底にあったのではないか。明確な説明を求める。

 右質問する。



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