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平成三十年一月二十九日提出
質問第三九号

生活保護基準の見直しに関する質問主意書

提出者  池田真紀




生活保護基準の見直しに関する質問主意書


 現在、政府は生活保護費を見直し、二〇一八年一〇月から適用する方針です。この点に関し、以下、質問いたします。

一 生活保護の基準の改定について
 (一) 政府は、生活保護世帯と「一般低所得世帯の消費実態」との均衡をはかり、生活保護基準額を低い方の「一般低所得世帯」に合わせて見直しを行う方針を決定しています。一般世帯の低所得者層においては生活水準、消費生活実態は「下がった」という認識でよろしいですか。
 (二) 生活保護基準額について、専門的かつ客観的に評価・検証を行ったということですが、その基準部会において、各委員から「算出した指数が必要な消費水準を十分に反映していない可能性も否定できない」「このため、子どもの健全育成のための費用が確保されない恐れがある」、今回の検証方法について「これが唯一の方法ではない」「比較する水準が低下すると絶対的な水準を割ってしまう懸念があることからも、これ以上、下回ってはならないという水準の設定について考える必要がある」など、この結論が最低生活を維持するにふさわしい水準とは言いがたいという意見が多数ありました。
  この一般低所得世帯の消費水準は、「国民の健康で文化的な生活を保障する水準」とは別のものという認識でよろしいでしょうか。
 (三) 生活保護制度(生活扶助基準)は、憲法二五条の「国民の健康で文化的な生活を保障する最後のセーフティネット」であるという政府の認識は、今も変更はありませんか。
二 子どもの貧困について
 (一) 安倍首相は「子どもの貧困の連鎖を断ち切るためにも児童養育加算の給付対象を高校生に拡大します」と国会で答弁をしましたが、子どもの貧困の連鎖を断ち切るためのものなのかどうか、児童養育加算の成り立ち、目的、意味、認識を伺います。
  そもそも、児童養育加算は子どもの教養文化的経費や健全育成に資するための経費等の特別な需要に対応するものとして設定された経緯や子どもの貧困対策を踏まえ、一般低所得世帯だけではなく子どものいる世帯全体の平均的費用に対応する観点から、子どもの健全育成にかかる費用に着目して検証されるものです。したがって、教育だけではなく、社会的又は文化的活動の機会の幅を広げることが重要であると考えますが、〇歳から三歳について引き下げる根拠、理由が基準部会では明らかになっていません。それにも関わらず、五〇〇〇円の引き下げを決定したプロセスと根拠をお示しください。
 (二) また、児童養育加算の見直しで「高校生」と限定していますが「一八歳誕生日前日まで」などという年齢要件ではなく、「高校在学」に限定するものですか。
 (三) また、児童養育加算について、安倍首相は答弁で「高校生まで拡大します」と言いましたが、「〇歳から三歳は引き下げます」とは言及されませんでした。なぜ、言及されなかったのですか。
 (四) 生活保護家庭の「大学進学の支援のために」と安倍首相は答弁されました。生活保護家庭の大学進学等は現在認められておらず、世帯分離という方法をとらなくてはなりません。大学進学を法内で認めるという解釈でよろしいですか。もし、法内で認められない大学進学を支援するとした場合、法の目的に反していませんか。世帯分離をしつつ、支援給付金を創設するという、相反するその解釈と運用の根拠をお示しください。
  法の目的である生活保護法第一条「最低生活の保障と自立の助長」が「高校等の進学」として、生業扶助を創設した時のように、「最低生活の保障と自立の助長」が「大学等の進学」になったのであれば、同様に生活保護法内で認め、なんらかの扶助を創設すべきと考えます。
 (五) 大学等への進学準備金の一時金について三〇万円と一〇万円の給付を創設するという金額の根拠をお示しください。また、実際には、世帯分離して進学する子どもたちの準備する費用はいくらかかっているか、把握している金額をお示しください。生活実態の変動もあるため、昨年二〇一七年(もしくは直近)、一〇年前である二〇〇八年、二〇年前である一九九八年の三年分をお願いします。
 (六) 世帯分離した大学生等の年間の収支状況を伺います。生活保護の大学進学等による世帯分離の件数を把握していますか。また収入申告によるアルバイトでの収入、奨学金等による収入、学費や生活費などの支出について、収支を把握していますか。加えて、厚労省は各実施機関からの統計調査による実態を把握していますか。
  ※昭和三八年四月一日社保第三四号厚生省社会局保護課通知「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて(抄)
  「世帯分離要件は、世帯分離を行う時点だけでなく、保護継続中も常に満たされていなければならない」(一部抜粋参考)
 (七) 生活保護家庭の大学進学等による世帯分離をし、卒業して、「世帯分離解消」及び「自立による世帯員の減員」となった世帯は何世帯(何割)ですか。また、途中で退学などに至ったケースで「世帯分離の解消」及び「世帯員の増員」となったケースは何件(何割)ですか。また、その理由はなんですか。複数ある場合には多いものから理由もお示しください。
 (八) 大学等への進学準備金を創設するのであれば、生活保護法第一条の法の目的である「最低生活の保障と自立の助長」を達成するためには、就労する子どもたちへも同様の支援が必要と考えますが、なぜ、就労する子どもへは同額を給付しないのですか。就職支度金の運用の仕方と比較して、差別的な取り扱いにはなりませんか。
 (九) 生活保護家庭の子どもたちの高校生就学時に奨学金や貸付金でまかなっている世帯数は何世帯(人数)ですか。また、高校卒業時に、返済額はいくら抱えているかを把握していますか。
  生活保護世帯では、高校卒業段階で既に奨学金や貸付金などを借りていることから大学等への進学を経済的に諦めざるをえない状況を政府は把握していますか。その上で今回の大学等進学の一時金の創設に至ったかの確認のためうかがいます。
 (一〇) 平成二二年四月一日の「母子加算訴訟に係る基本合意書」について、「一.国(厚生労働省)は、母子家庭の窮状にかんがみ、子どもの貧困解消を図るために復活した母子加算については、今後十分な調査を経ることなく、あるいは合理的な根拠もないままに廃止しないことを約束する。二.国(厚生労働省)は、現在設置されているナショナルミニマム研究会における調査研究などを通じて、母子世帯や高齢者世帯を含め国民の最低生活水準に関して検証を行い、憲法第二五条の理念に基づき、国民の健康で文化的な最低限度の生活の確保に努める」とありますが、これは、破棄されたのですか。
  今回、政府の提案では、母子加算の廃止ではないものの減額を行うことから、ここにある「十分な調査」「憲法第二五条の理念に基づく国民の健康で文化的な最低限度の生活の確保」の検証は行われましたか。また、二〇一一年四月から約二年にわたり検討された二〇一三年一月一八日の基準部会報告書でも、今回の基準部会報告書でも、「現在の検証方法では一定の限界があることに留意する必要がある」「とりわけ貧困の世代間連鎖を防止する観点から、子どものいる世帯への影響に配慮する必要がある」「全国消費実態調査の実施年以降の社会経済情勢の変化の検証結果の反映については、議論を十分に尽くすことが出来ず、今回の検証における判断を見送ることとした」「最低限度の生活を送るために必要な水準とは何か、本質的な議論を行った上で、単に消費の実態に合わせるとの考え方によらず、理論的根拠に基づいた複雑ではない検証方法を開発することが求められる」「これ以上、下回ってはならないという水準の設定について考える必要がある」「栄養摂取基準などからみて最低生活保障水準を満たすものとなっているかという観点から、健康で文化的な生活を送ることができる水準なのか検証することも必要である」「これが唯一の方法ではない」「検証結果を機械的にあてはめることのないよう、強く求めるものである」「検証に必要なデータの収集・整理や検証手法の開発を、データが利用可能となる時期を踏まえて、適切に行っていくことを求めたい」旨の記載があります。基準部会における検討結果には大きな問題があると解釈されますが、その後、今回の基準額決定においては、誰が、どの時点で、何を根拠に改定したものか、伺います。
 (一一) 今回の基準改定により、子どもの貧困の連鎖、いわゆる世代間連鎖はどのくらい解消が見込まれますか。また、この間において、生活保護家庭だけではなく一般低所得世帯の子どもの貧困の連鎖、世代間連鎖が解消されたという事実はどこで確認されたのですか。されてないとしたら、安倍政権は子どもの貧困格差を拡大させ、より貧困を生み出していることになりませんか。
三 医療扶助の見直しについて
 (一) 医薬品について、生活保護世帯のみを対象に後発医薬品を原則とするのは被保護者への差別ではありませんか。憲法の無差別平等の原理に反しませんか。
 (二) 平成二七年から平成二九年の間の健康管理支援事業について、実績がゼロであったことの理由は何ですか。その背景、目的を達成するための創意工夫の実証、検証はされたのですか。
 (三) 社会保障審議会の部会で、償還払いなど提案があり議論されたということですが、結論はどのようにお考えですか。

 右質問する。



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