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平成三十年三月五日提出
質問第一二〇号

高度プロフェッショナル制度の対象等に関する質問主意書

提出者  山井和則




高度プロフェッショナル制度の対象等に関する質問主意書


 第百四十一回労働政策審議会労働条件分科会で示された、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱(諮問時からの変更点を反映させたもの)」(以下、「働き方改革推進法案要綱」という。)において、「特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)」が規定されています。
 そこで、以下の通り質問します。

一 対象業務について、「高度の専門的知識等を必要と」するか否かは、誰がどのように判断しますか。判断する主体に、対象業務に関連する高度な自然科学、社会科学等の有識者は含まれますか。含まれなければ、「高度の専門的知識等を必要と」するか否かは判断できないと考えますが、見解を示して下さい。
二 対象業務について、「その性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないと認められる」か否かは、誰がどのように判断しますか。また、判断にあたって、どのような客観的な統計資料や調査結果を活用しますか。
三 対象業務の拡大は、国会での法改正の審議を経ることなく、政省令の規定のみで行われますか。
四 対象業務について、「高度の専門的知識等を必要と」し、かつ「その性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないと認められる」ようなサービスの提供や販売を行う営業業務は、対象業務になり得ますか。なり得ないとすれば、どのような点で対象にならないと断定できますか。
五 対象業務について、「高度の専門的知識等を必要と」し、かつ「その性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないと認められる」ような会計や経理の業務は、対象業務になり得ますか。なり得ないとすれば、どのような点で対象にならないと断定できますか。
六 対象業務について、「高度の専門的知識等を必要と」し、かつ「その性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないと認められる」ような製造業の生産工場での業務は、対象業務になり得ますか。なり得ないとすれば、どのような点で対象にならないと断定できますか。
七 全労働者は何人ですか。また、全労働者の十パーセントとは何人ですか。ちなみに、産業競争力会議の議員である榊原日本経済団体連合会会長は、二〇一四年六月九日の記者会見で、労働時間と関係なく成果に賃金を払う制度について、「少なくともの全労働者の十パーセント程度は適用を受けられるような制度」と発言しています。
八 全労働者の平均年収はいくらですか。また、平均年収の三倍はいくらで、平均年収の三倍の額を相当程度上回る額はいくらですか。この額は、一千万円を下回る可能性があると考えますが、一千万円を下回る可能性はありますか。必ず一千万円以上となりますか。
九 全労働者の平均年収の三倍の額を相当程度上回る水準の労働者は何人で、労働者全体の何パーセントですか。
十 高度プロフェッショナル制度について、「平均年収の三倍」を「平均年収の二倍」に、将来的に法改正する可能性はありますか。さらに、将来的に「三倍」が削除され、「平均年収を相当程度上回る水準」に改正される可能性はありますか。
十一 過去十年、年収千七十五万円以上で過労で労災支給決定された事例について、年度ごとに死亡された、件数とそれぞれの職業を示した上で政府の見解を示して下さい。
十二 高度プロフェッショナル制度について、一般的には「時間ではなく成果に応じた給与が支払われる働き方」と表現されていますが、働き方改革推進法案要綱では、成果に応じた給与の支払いは義務づけられていますか。もし義務付けられているのであれば、どの項目に規定されていますか。
十三 現行の労働基準法においても、成果に応じた賃金の支払いは可能と考えられますが、現行の労働基準法においては、成果に応じた賃金の支払いは可能ですか、不可能ですか。
十四 高度プロフェッショナル制度では、三日連続の徹夜勤務を使用者が労働者に命ずることは違法ですか。合法ですか。もし違法であるならば、どの項目に規定されていますか。また、一週間連続の徹夜勤務は禁止されていますか。もし違法であるならば、どの項目に規定されていますか。
十五 高度プロフェッショナル制度では、使用者は四週間を通じ四日以上の休日を労働者に与えることとされていますが、使用者が二十四日間連続で一日十六時間労働させても合法ですか、違法ですか。もし違法となるのであれば、どのような規定に抵触し、その場合に罰則は適用されますか。また、使用者が四十八日間連続で一日十六時間労働させても合法ですか、違法ですか。もし違法となるのであれば、どのような規定に抵触し、その場合に罰則は適用されますか。
十六 高度プロフェッショナル制度で、二十四日間連続で、二十四時間体制で、必要な時に必要な業務を行う、いわゆるオン・コール・ワーカーを使用者が労働者に命ずることは合法ですか、違法ですか。もし違法であるならば、どの項目に規定されていますか。
十七 高度プロフェッショナル制度では、労働契約使用者から支払われると見込まれる賃金について、前年度が六百万円、八百万円など「平均年収の三倍程度を相当程度上回る水準」を下回っていても、当年度の見込みの賃金が千七十五万円を上回っていれば、適用対象とすることができますか。つまり、たとえ前年度は低所得者であっても、当年度の見込みの賃金が千七十五万円を上回っていれば、適用対象とすることができますか。
十八 高度プロフェッショナル制度では、契約期間が一年未満の契約社員であっても、契約期間中に支払われる賃金を一年間当たりの賃金の額に換算した額が平均年収の三倍程度を相当程度上回る水準(例えば、一箇月契約で賃金九十万円、六箇月契約で賃金合計五百四十万円)であれば、適用することは可能ですか。なお、最短の契約期間は何箇月ですか。また、条件を満たせば、派遣労働者でも、高度プロフェッショナル制度を適用することは可能ですか。
十九 高度プロフェッショナル制度では、対象業務にあたり、賃金の額が平均年収の三倍程度を相当程度上回る水準であれば、大学を卒業したばかりの新入社員でも、適用することは可能ですか。同様に、条件を満たせば、二十代の若者でも適用することは可能ですか。

 右質問する。



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