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平成三十年四月十二日提出
質問第二二六号

漫画等の海賊版サイトのブロッキングに関する質問主意書

提出者  松平浩一




漫画等の海賊版サイトのブロッキングに関する質問主意書


 報道によると、政府は国内に拠点を置くインターネット接続業者(「プロバイダ等」という)に対し、ネット上で漫画や雑誌を無料で読めるようにしている海賊版サイトにつき、著作権侵害を理由として接続を遮断する措置(「ブロッキング」という)を実施するよう要請(「本件要請」という)する調整に入ったと報じられている。
 一方で、海賊版サイトへのブロッキングをめぐっては、憲法で保障された「通信の秘密」「検閲の禁止」に反するという指摘が、かねてよりあがっている。また、電気通信事業法でも、プロバイダ等は「通信の秘密」を侵してはならない、と定められている。
 以上を前提に、以下質問する。

一 本件要請を行う主体や手続き、法的根拠ついて明らかにされたい。
二 本件要請はブロッキングの対象となる具体的サイトのURL等を特定する形で行うのか。仮に本件要請が、具体的サイトのURL等を特定した要請であり、またそれがプロバイダ等に対して強制性を帯びることがあれば、憲法によって禁止される検閲に該当する虞があると思料するが、政府の見解はどうか。
三 本件要請に基づくブロッキングは、電気通信事業法に定める通信の秘密侵害罪(電気通信事業法第四条、第百七十九条)の構成要件に該当すると思料するが、政府の見解はどうか。
四 本件要請に基づくブロッキングは、緊急避難(刑法第三十七条)として違法性が阻却されるための要件である現在の危難、補充性、法益権衡の要件を充たすものでないと思料するが、政府の見解はどうか。仮に充たすとの見解である場合、その根拠をご説明いただきたい。
五 本件要請に基づきプロバイダ等がブロッキングを実施した場合、プロバイダ等に対して通信の秘密侵害罪の刑事告訴若しくは刑事訴追の可能性があり、また民事上の責任が生じる可能性があるが、当該責任はプロバイダ等が自ら負うという理解か。
六 今後、著作権のみならず他の権利侵害(名誉毀損、プライバシー侵害等)にもブロッキングの要請の範囲を拡大していくことを視野に入れているか。
七 主要二十カ国・地域(G二〇)において、議会での立法又は裁判所の判断に基づかず、行政がプロバイダ等にブロッキングを要請又は命令している例があるか。仮にないとすれば、その理由についてどのように分析しているか。
八 本件要請は、通信の秘密や検閲の禁止を定めた憲法第二十一条を侵害する虞がある要請であり、国民の基本的権利にかかわる重要な問題であるため、民主的な手続きと立法府での慎重な議論を踏まえた検討が必要と考えるが、政府の見解はどうか。

 右質問する。



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