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平成三十年四月二十日提出
質問第二四四号

麻生大臣の「次官の番をみんな男にすれば解決する話なんだよ」との発言に関する質問主意書

提出者  逢坂誠二




麻生大臣の「次官の番をみんな男にすれば解決する話なんだよ」との発言に関する質問主意書


 平成三十年四月十二日の夜、麻生太郎財務大臣は東京都千代田区のホテルで記者らと懇談し、
 記者「次官のセクハラ、さすがに辞職なんじゃないですかね」
 麻生大臣「だったら、男の番(記者)に替えればいいだけじゃないかな」「だってさ、(セクハラ被害を受けたとされる女性記者は)ネタをもらえるかもってそれでついていったんだろ。触られてもいないんじゃないの」
 記者「それもセクハラ発言です」
 麻生大臣「だから、次官の番をみんな男にすれば解決する話なんだよ」
との発言(「本件発言」という。)があったと承知している。週刊新潮などが報じている。
 日本国憲法第十四条では、「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」と謳われている。
 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(「男女雇用機会均等法」という。)第一条では「この法律は、法の下の平等を保障する日本国憲法の理念にのつとり雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を図る」ことが定められ、同法第三条では、「国及び地方公共団体は、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等について国民の関心と理解を深めるとともに、特に、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を妨げている諸要因の解消を図るため、必要な啓発活動を行う」と示されている。
 本件発言について疑義があるので、以下質問する。

一 本件発言は、いわゆるセクシャルハラスメントに相当するのではないか。
二 「次官の番をみんな男にすれば解決する話なんだよ」という発言は、福田財務事務次官の取材担当記者を男性のみにすべきであるとの主張であり、日本国憲法第十四条に反するのではないか。政府の見解如何。
三 本件発言は、男女雇用機会均等法第三条でいう、「国及び地方公共団体は、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等について国民の関心と理解を深めるとともに、特に、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を妨げている諸要因の解消を図るため、必要な啓発活動を行う」ことに反するのではないか。政府の見解如何。
四 麻生大臣の「触られてもいないんじゃないの」との発言は、言葉によるセクシャルハラスメントだけでは違法性はなく、「触られ」なければ問題ないという理解でよいか。政府の見解如何。
五 政府は、政府高官による女性記者などへのセクシャルハラスメントの防止策として、その取材担当記者から女性を排除し、男性のみにすることが妥当なことであると考えるのか。政府の見解如何。
六 政府は、政府高官の取材を行う女性記者が、その政府高官により身体に「触られてもいない」のであれば、卑猥な言葉を投げかけられたとしても、当該事案はセクシャルハラスメントに相当せず、違法行為にあたらないと考えるのか。政府の見解如何。
七 大臣が担当記者の性別により政府高官の取材を制限することに言及する発言は、日本国憲法第二十一条でいう「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」に由来する報道の自由を阻害するのではないか。政府の見解如何。
八 女性記者を政府高官の取材担当から替えればいいという、「次官の番をみんな男にすれば解決する」との発言は、日本国憲法第二十一条でいう国民の知る権利に由来する「自己統治の価値」、すなわち、国民が言論などの表現活動を通じて政治的意思決定に関与するという民主的な政治のためになるような社会的な価値を実現するための情報を提供する報道機関の取材の自由を阻害するものである。これはひいては健全な民主主義の発展を毀損するものではないか。政府の見解如何。

 右質問する。



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