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平成三十年五月十日提出
質問第二八三号

高度プロフェッショナル制度のリスクへの認識と辞退の手続きに関する質問主意書

提出者  山井和則




高度プロフェッショナル制度のリスクへの認識と辞退の手続きに関する質問主意書


 高度プロフェッショナル制度を含む「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案」が平成三十年四月六日に国会に提出されました。
 そこで、以下の通り質問します。

一 高度プロフェッショナル制度の対象となった労働者が、翌年度に高度プロフェッショナル制度から外れたいと希望した場合は、上司への通告だけで、必ず高度プロフェッショナル制度から外れ、一般の労働時間制度が適用される労働者に戻ることができますか。もし一般の労働時間制度の適用に戻るために何らかの条件、上司の同意などが必要ならば、どのような条件を満たせば、戻ることができますか。
二 一週間契約の有期労働者に高度プロフェッショナル制度を適用することは可能ですか。適用可能の場合、一週間の給与は、いくら以上ですか。また、一ヶ月契約の有期労働者に高度プロフェッショナル制度は適用可能ですか。適用可能の場合、一ヶ月の給与はいくら以上ですか。
三 高所得者や年収千万円以上の労働者は過労死しにくい、という調査結果はありますか。また、年収や給与と長時間労働や過労死のリスクについての調査を行ったことはありますか。もしくは、同種の調査があることを把握していますか。そして、政府として、年収や給与と長時間労働や過労死のリスクにどのような相関関係があると認識していますか。
四 年収千七十五万円以上という金額は、十年以上前のデータに基づくものとの指摘がありますが、今回の「平均年収の三倍を相当程度上回る」が年収千万円を下回る可能性はありますか。
五 高度プロフェッショナル制度は新しい制度なので、どのような主体に、どのようなニーズがあるのか、また、制度の創設を要望している具体的な者、職種などについて、調査すべきと考えますが、今までにそのような調査は行っていますか。行っているのであれば、その結果をお教え下さい。もし、まだ調査されていないなら、それはなぜですか。
六 高度プロフェッショナル制度の必要性に関し、十数人から意見を聞いたとのことですが、その対象者をどのような基準で選定しましたか。また、どのような業種の方々ですか。意見の聴取は、いつ、何人ごとに、何時間行い、それぞれどのような意見があったか示して下さい。もし示せないのであれば、恣意的に人選した可能性も否定できず、高度プロフェッショナル制度の必要性の根拠とそもそもなり得ないのではないですか。
七 高度プロフェッショナル制度は、まったく新しい制度で、海外にも同様の事例はないとの指摘もありますが、どのような問題点やリスクがあると認識していますか。
八 将来的に、政府は、裁量労働制の拡大を図るための労働基準法改正案を国会に提出する可能性がありますが、年収要件を引き下げて、対象者を拡大する改正を、この法改正に合わせて、同時に提案する可能性はありますか。あるいは全く可能性はありませんか。
九 二〇一一年度から二〇一三年度の、年収千七十五万円以上(ボーナス含む)で脳・心臓疾患と精神障害で過労死・過労自殺(未遂を含む)された方の件数と、過労死・過労自殺(未遂を含む)の全体の件数に対する各年度のそれぞれの割合を示して下さい。あわせて、二〇一四年度から二〇一六年度の、年収千七十五万円以上(ボーナス含む)で脳・心臓疾患と精神障害で過労死・過労自殺(未遂を含む)された方の件数を示して下さい。また、年収千万円以上の労働者に占める過労死事案の割合と、一般の労働者の過労死事案の割合をそれぞれお示し下さい。そしてその割合は、どちらが高いですか。
十 高度プロフェッショナル制度で過労死した労働者が、過労死認定されなかった場合も、その事案があったことは公表されますか。もし公表されなければ、高プロの危険性が顕在化せず、国民が高度プロフェッショナル制度の是非を判断できないのではないですか。
十一 高度プロフェッショナル制度から通常の労働者に戻ることを申し出た労働者は、不利益となる取り扱いはされないと保証されますか。年収が減額されたり、契約期間が短縮されたりしませんか。万一、労働者に対し、不利益となる取り扱いや対応をした場合、当該使用者にどのような罰則がありますか。また、それは法律に明記されていますか。
十二 高度プロフェッショナル制度から、自らの意思で労働者が外れたいと望めば、年度途中のみならず、次年度へ切り替わる時期においても、労働者は高度プロフェッショナル制度から外れることは、通告だけで、必ず高度プロフェッショナル制度から外れ、一般の労働時間制度が適用される労働者に戻ることができますか。もし一般の労働時間制度の適用に戻るために何らかの条件、上司の同意などが必要ならば、どのような条件を満たせば、戻ることができますか。
十三 高度プロフェッショナル制度が適用されている労働者の、健康管理時間、年収、実際の労働時間、医師の面談を受けた人数等の実態は、今後、どのように把握するのですか。また、これらのような労働者の実態は、企業ごとに公表されますか。
十四 精神障害の業務起因性判断のための調査について、調査の復命日から支給決定までの平均的な期間は、どの程度ですか。もし、データがなければ、新宿労働基準監督署における、二〇一七年一月から十二月までに過労死で労災の保険の支給決定された事案について、件数と、それぞれの調査復命書の復命日と支給決定の日までの平均期間を示して下さい。

 右質問する。



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