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平成三十年十月二十四日提出
質問第一〇号

日本銀行の黒田総裁の消費税増税に関わる発言に関する質問主意書

提出者  逢坂誠二




日本銀行の黒田総裁の消費税増税に関わる発言に関する質問主意書


 平成三十年十月十五日、安倍総理は臨時閣議で、「消費税率については、法律で定められたとおり、平成三十一年十月一日に現行の八%から十%に二%引き上げる予定」と発言した。
 平成三十年十月十四日、日本銀行の黒田東彦総裁は、訪問先のインドネシアのバリ島で開かれた討論会で発言し、安倍晋三首相が予定通り来年十月に実施する意向を表明した消費税率十%への引き上げに関して、「現時点で景気に大きなマイナスの影響があるとは考えていない」との見解を示した。
 黒田総裁は、消費税率が一律に五%から八%へ引き上げられた前回の増税時と異なり、食料品などを八%に据え置く軽減税率が適用されるとの認識を示し、十%への税率引き上げによる負担増は「前回引き上げ時に比べ約三分の一から四分の一」にとどまるため、景気への影響は「極めて小さい」と発言した。
 日本銀行法第一条は、「日本銀行は、我が国の中央銀行として、銀行券を発行するとともに、通貨及び金融の調節を行うことを目的とする」ことを示し、同法第三十三条では、「日本銀行は、第一条の目的を達成するため、次に掲げる業務を行うことができる」とし、その業務の具体的内容が例示されている。
 日本銀行総裁が消費税増税による国民負担が小さく、景気に大きなマイナスの影響があるとは考えていないと発言することは日本銀行法で規定されている職務外であるとともに、多くの国民が不安に感じている消費税増税という問題について軽視することに他ならない。
 これらの発言に関連して、以下質問する。

一 消費税率十%への引き上げに関して、日本銀行総裁のいうところの、「現時点で景気に大きなマイナスの影響があるとは考えていない」との考えは政府と共有されているものか。政府の見解如何。
二 政府は、消費税率十%への引き上げに関して、「現時点で景気に大きなマイナスの影響があるとは考えていない」と考えているのか。政府の見解如何。
三 平成二十八年三月二十三日、消費税率十%への引き上げに関して、参議院財政金融委員会で黒田総裁は、「一概に決め付けることはできないと思いますけれども、基本線としては、前回よりも浅くて、駆け込み、反動減というのもそんなに長く続かないだろう」との見解を示しているが、同時に、「二〇一七年度前半頃に二%程度の物価上昇率を実現し、その後次第に、これを安定的に持続する成長経路へと移行していく可能性が高いというふうに判断している」とも発言している。「二〇一七年度前半頃に二%程度の物価上昇率を実現」については既に現状とかい離し誤った判断であったことが明らかになっているが、それでもなお政府は「現時点で景気に大きなマイナスの影響があるとは考えていない」との考えを維持しているのか。政府の見解如何。
四 日本銀行総裁が政府の枢要な政策の一つでありつつも、国民の多くが不安を持っている消費税増税について、国会での議論に先立って海外の討論会で「現時点で景気に大きなマイナスの影響があるとは考えていない」と発言することは不適切ではないか。また、黒田総裁の発言は、そもそも日本銀行法で規定する所管外の事案に関するものではないか。政府の見解如何。

 右質問する。



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