衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成三十年十二月五日提出
質問第一三九号

虫歯予防用のフッ素洗口等に関する質問主意書

提出者  阿部知子




虫歯予防用のフッ素洗口等に関する質問主意書


 全国的に広まっている子どものフッ素洗口に関して、安全性の見地からフッ素に関する食事摂取基準、医療行為としてのフッ素洗口における自治体や歯科医師会、学校現場での管理・責任体制と飲み込みの安全性に関する見解について、以下質問する。

一 二〇〇三年七月一日に厚労大臣は、食品安全基本法第二十四条一項一号にもとづき、「清涼飲料水中のふっ素の食品健康影響評価について」を内閣府食品安全委員会に諮問し、同委員会は二〇一二年十二月十七日に評価結果を通知した。この評価書では、フッ素の耐容一日摂取量を〇.〇五r/s体重/日とするとされている。
 同報告書の二十八ページ(三)のヒトへの影響の項では、「飲料水を介したフッ化物の長期摂取によって起こりうる有害影響に関して、多くの疫学研究が行われており、これらの研究は、フッ化物が主として骨格組織(骨及び歯)に影響を及ぼすことをはっきりと立証している(WHO二〇〇四)としている。(中略)。また、子どもの体重二十s、一日の飲料水量一lとし、食物からのフッ化物摂取を〇.〇一r/s体重/日(US EPA一九八五a)とフッ化物総摂取量は約〇.〇六r/s体重/日になる。」(以上引用)とされている。
 日本では、フッ化物塗布や洗口が幼児や児童を中心に広がっているが、飲み込み量などを勘案した場合、虫歯予防目的でのフッ素(学校での洗口、歯磨き剤等)の使用は、この報告書にある耐容一日摂取量を超過してしまうこととなる。
 (一) 厚労省に提出した評価書の報告書の取り扱いは、現在どうなっているのか(食品安全委員会評価書資料、評価書資料四参照)。
 (二) 厚労省科学審議会地域健康増進栄養部会において、本年十二月末に検討を終了するとのことであるが、日本人のフッ素に関する食事摂取基準の設定についてはどのように考え、評価書の基準についてはどのように反映されているのか。
 (三) 洗口液は、うがい後に吐き出すものの、粘膜から吸収されたり口の中に残留し、十五%から三十五%程度が人体に吸収されるとの研究もある。厚労省として洗口現場での状況(管理体制、現場の報告、実態調査等)についてはどの程度把握されているのか。
 (四) フッ素洗口の多くは、フッ化ナトリウム試薬を虫歯予防の名目でフッ素洗口に使用しているのであるが、希釈等を教職員や非正規事務職員が行っている例も少なくないことについてどう考えるか。熊本県内では濃度を間違えた例などがあるが、政府はどう考えているのか。
 (五) フッ化ナトリウムなどのフッ素化合物は酸と反応しやすく、猛毒のフッ化水素を発生させる。人体がフッ化ナトリウムを取り込むと胃内部で胃酸(塩基)と反応して猛毒のフッ化水素を発生させる。フッ化水素の生体通過時間は〇.〇〇五秒とされる。フッ素洗口液(劇薬)を飲み込んだ場合に消化管からフッ化水素(HF:毒物)の形態で七十〜九十%も吸収されるフッ化ナトリウム(評価書P七:毒性に関する科学的知見、体内動態、吸収)については、安全性への懸念を有する保護者には強制されない権利があると考えるがどうか。
 (六) 有用性についても賛否両論あるものについて、幼稚園や保育園、学校等で拒否できない形で実施することは人権侵害ではないか。フッ素洗口を実施する際に、添付書にある副作用情報については、どの程度保護者に説明され、インフォームド・コンセントが図られているのか。
 (七) 全国的にフッ素洗口が広がる中、歯科医師会のなかには、フッ素洗口事業はあくまでも行政主導事業であり、学校歯科医は校長の指示のもと活動する専門知識を持った臨時職員であり、専門的立場でバックアップするものであると明言しているところもある。このような考え方について政府の認識を示されたい。

 右質問する。



経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.