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令和元年六月十八日提出
質問第二四五号

監査法人の強制ローテーション制度に関する質問主意書

提出者  松原 仁




監査法人の強制ローテーション制度に関する質問主意書


 監査法人の強制ローテーション制度(以下「当該制度」という)は、これまで、カネボウ株式会社による粉飾事件など、会計不祥事が社会問題化するたびに繰り返し議論されてきた。そして、近時、株式会社東芝による不正会計事件を契機に再び導入の是非が議論されている。特に、二〇一四年六月に、EUが、社会的影響力を有する一定の企業に対する監査について、当該制度を導入したことから、日本においても、当該制度に対する関心が高まっている。そのような中、金融庁は二〇一七年七月に「監査法人のローテーション制度に関する調査報告(第一次報告)」(以下「第一次報告」という)を公表した。第一次報告には、「イギリスにおいては監査法人の強制入札制度の導入、フランスでは共同監査の義務付け、さらに、欧州各国では監査法人間の引継ぎルールの整備といった対応をすることにより、これまでのところ、混乱なく監査法人の強制ローテーション制度が実施されつつあるとの見方が示された」との記載があり、そのような記載内容から、金融庁として当該制度の導入に前向きではないかとも見受けられる。
 もっとも、当該制度に対して、財務諸表上の重大な虚偽表示を見落とすという監査の失敗を回避する共通の目的の下、肯定・否定二つの立場が存在する。一つ目は、監査法人が交替することにより、監査法人の独立性が高まるとともに、新しい視点が導入されることにより監査失敗の可能性が低減するという立場である。もう一つは、監査法人が交替することにより、監査対象会社の理解及び監査対応が従前の監査法人のように手慣れたものとならないことから、対象会社の財務諸表上の重要な問題点を見落としてしまう可能性が高まることから監査の質が低下するという立場である。両者の立場は両立するものではないが、どちらの可能性が高いかは、第一次報告に、「欧州における監査法人の強制ローテーション制度導入の効果等を注視する」必要があると記載されているように、当該制度を大規模に導入した欧州の状況が検証可能なまで蓄積されるまで判断は困難である。
 そのような中で、当該制度の日本への導入を検討することは時期尚早である。むしろ、監査失敗の可能性を低減させるという点では、当該制度の導入より、現任監査法人の入札も可能とし、入札結果の公表を義務付ける強制入札制度の導入を先行して検討すべきではないかと考える。一定期間監査契約が継続した際に強制入札を課すことにより、現任監査法人に監査契約を不継続とする選択権が与えられることになる。そして、入札に現任監査法人が応札しないことは、当該入札実施企業の重要な虚偽表示リスクが高いことを他の監査法人及び財務諸表利用者に周知させることになる。したがって、現任監査法人の応札を認め、結果の公表義務を課し、監査法人選任理由を明記させる強制入札制度は、これまで以上に、企業に内部統制を重視した経営を意識させることとなるため、結局、監査失敗の可能性を低減させることになるのではないかと考える。
 そこで、次のとおり質問する。

一 政府として、監査法人の強制ローテーション制度の導入の是非に加えて、詳細な監査法人選任理由を付記した入札結果の公表義務を課す現任監査法人の応札を認める強制入札制度の導入の是非を検討に加えるか。
二 政府として、監査法人の強制ローテーション制度の導入の是非とは別に、詳細な監査法人選任理由を付記した入札結果の公表義務を課す現任監査法人の応札を認める強制入札制度の導入の是非を検討するか。

 右質問する。



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