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令和元年六月二十一日提出
質問第二七七号

宮内庁によって陵墓に治定された古墳に関する質問主意書

提出者  津村啓介




宮内庁によって陵墓に治定された古墳に関する質問主意書


 先般、我が国が世界文化遺産へ推薦を行っている「百舌鳥・古市古墳群」について、ユネスコ世界遺産委員会の諮問機関であるイコモスから「記載」が適当との勧告がなされ、世界遺産に登録される見通しとなった。
 我が国の古墳の文化的価値が世界に認められ、観光資源として注目される一方で、埋葬地という性質上、静安と尊厳の保持という観点や、歴史的及び学術的な価値という側面もあり、その保存と活用の在り方について、より一層の検討が必要と考えられる。
 そこで、質問する。

一 宮内庁によって陵墓に治定された古墳については、古墳時代における各地の政治権力の象徴を端的に示す記念物として、文化的、歴史的及び学術的価値が高いと考えられるにもかかわらず、文化財保護法に基づく保護が行われていない。その理由を伺いたい。
二 我が国の古代史においては未解明の部分も多く、陵墓の持つ学術的価値が高いにもかかわらず、宮内庁の管理の下、陵墓への研究者等の立入りは厳しく制限されてきた。
 世界遺産登録を機に、その管理方法及び体制を改め、学術研究のための研究者の立入りを認めていくべきと考えるが、政府の見解を伺いたい。
三 我が国は観光立国を掲げ、訪日外国人観光客数の拡大を目指している。
 世界遺産登録を機に、宮内庁の管理の下、これまで一般に非公開としてきた管理方法及び体制を改め、陵墓の静安と尊厳を保持できる範囲内で部分的な公開を認め、観光資源として活用していくべきと考えるが、政府の見解を伺いたい。
四 宮内庁書陵部においては、陵墓の調査及び考証に関する部署があり、複数の研究職の職員がいると承知している。当該部署においては、具体的にどのような体制の下で調査・研究が行われているのか伺いたい。
 また、陵墓への研究者等の立入りが厳しく制限されてきたことを踏まえれば、当該部署による研究成果は学術研究上の観点から広く社会に提供されるべきと考える。年に一回発行される書陵部紀要の存在は承知しているが、これまでの具体的な成果及び紀要以外の社会への還元の有無について伺いたい。
五 宮内庁によって治定された陵墓の中には、継体天皇陵等、治定に誤りのある可能性が指摘されているものがある。その一方で、宮内庁は、陵墓の治定を覆すに足る陵誌銘等の確実な資料が発見されない限り、現在のものを維持していく方針であると承知している。
 多くの国民が自国の歴史と文化に自覚と誇りを感じるためには、様々な調査に基づく最新の学術的成果をもとに正確な治定を再検討する必要があると考えるが、政府の見解を伺いたい。
六 明治天皇、大正天皇及び昭和天皇の御陵の墳形が、全国でも珍しい上円下方墳とされた理由を伺いたい。このうち、大正天皇の御陵については、既に廃止された「皇室陵墓令」第五条において「陵形ハ上円下方又ハ円丘トス」と定められていたことに基づき築造されたものと推察するが、同条において陵形を上円下方又は円丘と規定した根拠も併せて伺いたい。
 また、明治天皇、大正天皇及び昭和天皇の御陵の墳形については、天智天皇陵の規模・墳形を模範としたものとする説があることを承知しているが、その真偽も伺いたい。
七 日本国憲法第二条において、「皇位は、世襲のものであつて、國會の議決した皇室典範の定めるところにより、これを繼承する。」と規定されているが、この「世襲」の起点は、今上天皇か、神話上の神武天皇か、伺いたい。

 右質問する。



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