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令和元年八月一日提出
質問第三号

F35A墜落事故の原因及び同戦闘機の諸欠陥に関する質問主意書

提出者  宮本 徹




F35A墜落事故の原因及び同戦闘機の諸欠陥に関する質問主意書


 防衛省は六月十日、「F−35A戦闘機墜落事故の要因と再発防止策について」を発表し、この中で「操縦者が『空間識失調』(平衡感覚を失った状態)に陥っており、そのことを本人が意識していなかった可能性が高いと推定」する一方、「可能性が極めて低いが完全には否定できない、G−LOCによる意識喪失や機体のエンジン制御、操縦及び電気系統の不具合」を指摘している。
 これらの点について、以下、質問する。

一 六月十日に防衛省が発表した「F−35A戦闘機墜落事故の要因と再発防止策について」の「2 これまでに判明した事項」について、発表後から今日に至るまで、新たに判明した事実はあるか、具体的かつ詳細に説明されたい。
二 防衛省発表の同文書「4 対策」において、「機体のエンジン制御、操縦及び電気系統の不具合」を事故の要因として、「可能性が極めて低いが完全には否定できない」としている。「可能性が極めて低いが完全には否定できない」とした理由は何か。具体的かつ詳細に説明されたい。また、「機体のエンジン制御、操縦及び電気系統の不具合」の項目数、不具合の具体的事象を詳細に説明されたい。
三 防衛省が発表した「F−35A戦闘機墜落事故の要因と再発防止策について」は、肝心の事故原因が特定できていないと私は考える。飛行再開はあってはならない。防衛省の認識を明らかにされたい。
四 岩屋防衛大臣は、本年二月十五日の衆議院予算委員会における私の質問に対して、「我が国が導入するF35Aの機体につきましては、運用能力や飛行の安全性等に影響を及ぼすような課題はないということが判明をしております」と答弁した。今もこの答弁を維持するのか。
 私は同予算委員会で、米国政府監査院(GAO)の報告書等に基づいて、F35のカテゴリー1に分類される重大欠陥等を追及した。政府はその後も、米国からカテゴリー1に分類されるF35の重大欠陥等の説明を受けていないのか。また本年四月九日のF35A墜落事故後も、米国側に説明を求めていないのか。明確にされたい。
五 六月十二日、米国サイト「ディフェンス・ニュース」は、F35戦闘機の安全性や任務の有効性に影響を与える十三項目の重大欠陥の詳細や国防総省の改善計画を記した文書(以下、「文書」と呼ぶ)を入手し、「F35の隠されたトラブル」として、詳細に報じている。報道によれば、米国防総省当局は、「文書」の存在を前提に「ディフェンス・ニュース」とのインタビューに応じている。
 防衛省は、「文書」並びに米国防総省当局と「ディフェンス・ニュース」とのやりとりの内容を把握しているか、明らかにされたい。
 「文書」によれば、「平均以下のレベルの星空で夜間飛行する際、パイロットには、暗視ディスプレイ内にすごい水平方向の線や条線が現れ、地平線を覆い隠す」という欠陥が記されている。防衛省が保有するF35Aも、このような欠陥を確認しているのか、明らかにされたい。
 また、防衛省によるF35A墜落事故の要因の推定にあたり、機体の不具合又は欠陥等により、パイロットが水平線を誤認する、あるいは誤表示等で機体の飛行高度や姿勢等を誤認識した可能性について、いかなる検討がなされているか、詳細かつ具体的に説明されたい。
六 「文書」によると、「F35B及びCは、空中戦やミサイル退避などで、機体が二十度の迎角を超える角度で操縦している場合、制御が困難になる」と記されている。
 F35Aの操縦に際して、自衛隊パイロットから何らかの制御の困難が報告されたことは、これまでにあるのか。仮にあるならば、具体的かつ詳細に明らかにされたい。
七 F35Aについて、米軍がカテゴリー1に分類した欠陥は、二千十七年、二千十八年、二千十九年にそれぞれ何件あるかを明らかにされたい。その内、新たに確認された件数も明示されたい。また、欠陥の内容も具体的かつ詳細に説明されたい。
八 F35Bについて「文書」によると、特定の姿勢での制御困難以外にも、「F35B及びCは、マッハ一・二を上回る超音速で飛行すると、ステルスのコーティングが損傷もしくは水ぶくれを起こす」、「F35Bは気温三十二度以上の場合には、機体を空中に保つ推力が生み出せず、激しい着陸となる」等、カテゴリー1に相当する欠陥を記している。
 政府は、こうしたF35Bの諸欠陥を把握しているかを明らかにされたい。
 F35にどういう欠陥があるかも判らないまま、百五機も爆買いするのは止めるべきである。

 右質問する。



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