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令和元年十月二十五日提出
質問第五四号

介護保険制度の見直しに関する質問主意書

提出者  丸山穂高




介護保険制度の見直しに関する質問主意書


 平成十二年四月に施行された介護保険法に基づく介護保険制度は、高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組みとして、法改正を重ねながら現在に至っている。制度創設以来十九年を経過し、制度創設時と平成三十年四月末時点を比較すれば、六十五歳以上被保険者数が約一・六倍に増加するなかで、サービス利用者数は約三・二倍に増加しており、介護保険制度は着実に国民に浸透してきたところである。
 しかしながら、六十五歳以上の単身世帯や夫婦のみの世帯が増加し、七十五歳以上の高齢者数が急速に増加するなかで、介護人材の待遇や労働環境の課題による人手不足、業界の労働生産性の低さ等、いまだ解消されていない課題が山積している。持続可能な介護保険制度とするため、令和二年の通常国会に向けた介護保険制度の見直しの検討項目に加え、多くの制度改善が必要と考える。
 よって、次の事項について質問する。

一 介護事業者は多様な文書作成と事務処理があり、既に文書量の削減に向けた見直しが厚生労働省の専門委員会等で検討されている。しかしながら、文書が削減された後も、行政への文書提出や事業者間の文書提供について書面の手渡し、郵送、FAXといった紙媒体での運用や、口頭での補足説明が残るのであれば、事務負担の大幅な解消は期待できない。指定申請や報酬請求に関する文書の電子化、ペーパーレス化を含めた業務効率化について、早期に達成できるよう、国は全国一律の様式例を示し、電子申請による自治体の受付を制度化するとともに、介護事業者のICT(情報通信技術)化に向けた支援を強化するべきではないか、政府の見解を問う。
二 介護事業所の介護報酬については、公務員の地域手当の設定に準拠し、地域区分の上乗せが用いられている。しかし、地域区分の境目の地域では、物件費や人件費等の運営コストがほぼ変わらないにもかかわらず、事業者間で介護報酬に格差が発生している。単価の見直し以前に実態に即した客観的な指標が必要であり、路線価や最低賃金など、実際に介護事業者が運営経費として用いる指標の採用を検討するべきではないか、政府の見解を問う。
三 要介護認定率や介護保険料について、自治体間格差が生じている。先進自治体では、多様な健康推進事業と医療機関等民間の介護予防事業の連携が、対策として効果を上げている。自治体が対策を強化するよう、介護保険制度にトップランナー方式を用いてはどうか、政府の見解を問う。
四 介護現場におけるハラスメントに関する調査研究事業実態調査では、四割から七割の職員が利用者や家族等からセクシュアルハラスメントやパワーハラスメントなどのハラスメントを受けたと回答しており、労働環境の改善は急務である。職員の尊厳を守るため、「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」における介護事業者がサービス提供を拒む要件である正当な理由にハラスメント行為を加え、事業者がサービス提供を断ることができる契約の違反行為であることを明文化するべきではないか、政府の見解を問う。

 右質問する。

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