衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
令和二年二月二十日提出
質問第七二号

保釈中に国外逃亡した被告人の国外裁判に関する質問主意書

提出者  松原 仁




保釈中に国外逃亡した被告人の国外裁判に関する質問主意書


 国外逃亡を図ったカルロス・ゴーン・ビシャラ被告人(以下「ゴーン被告人」という)の言動が、国際社会で大きく波紋を広げている。特に、日本の司法制度という、現代国家を基礎づける価値観に深くかかわる問題に対して、「不正義」であるということを発言し続けていることは、国際社会で、日本及び日本人に対して今後大きな不利益を与えかねない。
 プレゼン能力が高いゴーン被告人が、一方的に、日本の司法制度が「不正義」だと言い続けている現状を放置することは、日本が人権後進国であるレッテルを国際社会から貼られる危険があり、これ以上看過できない状況にある。さらに、ゴーン被告人がアメリカ合衆国ハリウッドの大物代理人と予備交渉に入ったという報道もあり、今後、米国ハリウッドでの映画化まで懸念される。仮に、在イランアメリカ大使館人質事件を題材とした映画で、第八十五回アカデミー賞作品賞受賞作品である「アルゴ」のような映画が製作されてしまっては、日本国内でどのような報道がなされようと、ゴーン被告人は正義で、日本が「不正義」という認識が国際社会に広がりかねない危険がある。そうなってしまうと、歴史問題をはじめ、国際社会における日本の立場に影響を与えかねない問題へのこれからの対処においても、日本の立場が決定的に不利益な立場へと追い込まれかねない。
 政府としては、このような日本及び日本人の不利益を回避するために、できる限りのことを行うべきで、日本の司法制度が、「不正義」な制度ではないということを国際社会に合理的に示す必要がある。幸い、ゴーン被告人も、日本の司法制度が「不正義」だから、日本で裁判を受けたくはないと主張する一方、自身の汚名を雪ぎたいという趣旨の発言や身の潔白をはっきりさせたいという趣旨の発言を繰り返し行っていることから、自身の問題に対して白黒をはっきりさせたいという意思は有しているようである。
 そこで、次のとおり質問する。

一 ゴーン被告人の刑事裁判について、刑事訴訟法等日本の法律に基づくとともに、有罪判決の場合に日本と同様の刑罰が課されることを前提に、日本国外で、日本側及びゴーン被告人側が裁判官候補者五名を出し、その相手側候補者から日本側及びゴーン被告人側双方が各一名の裁判官を選択するとともに、両者が合意する者一名の合計三名の裁判官から構成する裁判体に、起訴事実の存否を判断する裁判を行うことを可能とすることを内容とする法律案を提出することを、政府として検討するか。
二 前記裁判のために、没収されたゴーン被告人の保釈保証金十五億円の範囲内で予算に充てることを、政府として検討するか。
三 推定無罪の原則の下、検察官が有罪立証しない限り、結局、国際社会においてゴーン被告人は無罪であるという扱いを受けることとなり、日本及び日本人が「不正義」の権化のような立場に置かれることを甘受せざるを得ない状況に追い込まれかねない状況を回避するために、政府として、日本人としての矜持をかけて、日本の刑事司法が「不正義」でないということを、国際社会に理解させる意思はあるか。
四 前記意思を政府が有している場合に、どのように国際社会に理解させることを検討しているか。
五 森まさこ法務大臣が、米国の新聞ウォール・ストリート・ジャーナルへの寄稿において、「検察官は十分な証拠があり、重要な事件に限って起訴をする」という日本の刑事司法の正義の根幹をなす主張を行っており、正にこの点を国際社会に周知させる必要があるが、日本国内の裁判が不可能な現状を鑑みれば、拘るべきは、日本国内での裁判ではなく、裁判による有罪立証と考えるが、政府としては如何。

 右質問する。

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © 2014 Shugiin All Rights Reserved.