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令和二年六月十日提出
質問第二四七号

独立行政法人地域医療推進機構桜ヶ丘病院の津波浸水域への移転計画に関する質問主意書

提出者  阿部知子




独立行政法人地域医療推進機構桜ヶ丘病院の津波浸水域への移転計画に関する質問主意書


 昭和三十年代に国が健康保険や厚生年金保険の保険料を財源に全国に設置した社会保険病院、厚生年金病院、船員保険病院は、独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構(RFO)により医療を提供してきたが、独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法の改正(平成二十三年法律第七十三号)により、平成二十六年四月に独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)が直接運営する病院グループとなり、五事業(救急医療、災害医療、へき地医療、周産期医療、小児医療)、五疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、精神疾患)、リハビリテーション等、地域で必要とされる医療を提供してきた。現在は全国に五十七か所あり、老朽化したところから順次建替え移転を進めている。
 その一つである静岡市清水区にある桜ヶ丘病院は、社会保険庁が昭和三十四年に開設した病院で、老朽化により平成六年に病院の新築移転方針が決定していたが、JCHOになって本格化し、平成二十七年五月に清水庁舎跡地が有力な候補地として示された。しかし、清水庁舎は県の第四次地震被害想定で最大二・二メートルの浸水地域であり、道路の寸断等による病院機能の維持が危ぶまれ、地域住民からも反対の声が上げられてきた。
 関連して以下質問する。

一 内閣府では、広域防災拠点を配置するにあたって、三条件を定めている(平成二十四年七月十七日「南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ」第五回会議資料「広域防災拠点の配置について」)。総務省においても消防機能等の維持のために、三要件を定めている。特に「自立性」については、@液状化・津波被害の危険性がない、A災害に耐えられる施設、Bあらゆるハザードに対する安全管理・防護能力がある旨が明記されている(平成十五年三月総務省消防庁「広域防災拠点が果たすべき消防防災機能のあり方に関する調査検討会報告書」)。
 病院については、熊本地震後に作られた国交省「防災拠点等となる建築物に係る機能継続ガイドライン」において、防災拠点に病院を位置づけ、立地計画の段階で「大地震及び大地震により引き起こされる災害を想定し、リスクの低い場所を選定(すべき)」としているのみである。
 厚生労働省は災害拠点病院でさえも建設に際して立地基準を定めていないが、その必要性についてどのように認識しているのか。
二 現在、桜ヶ丘病院は移転先とされた清水庁舎移転凍結により、代替案として清水庁舎周辺の市営駐車場が浮上しているとのことである。しかし、そこも市庁舎同様に津波浸水区域であることに変わりない。
 本年四月十七日の厚生労働委員会において、病院等医療機関建設における立地基準を定めるべきことを質したところ、加藤厚労大臣から「災害時において医療の拠点となる、特にそうした病院については、やはり、ハザード上の観点からも、これから建てかえをするとき、あるいは場所を変えるときは十分配慮してもらうということは大事な視点なんだろうというふうに思います。」と答弁があった。
 また、吉田医政局長からは「規制あるいは基準という形で立地について明確にルールとして定めたものはございません。〜中略〜今後、災害を考える際に当たっての一つの私どもの検討の視点として受けとめさせていただき、課題としたいと思います」という答弁があった。
 その後、病院建設の立地基準について、厚労省内において何らかの検討はされたのか。していないとしたらその理由は何か。
三 「静岡県の要望・提案」書が、平成三十年十一月、令和元年七月と、二度にわたり静岡県から厚生労働大臣に提出されている。この中で、桜ヶ丘病院移転問題に関し、「本県の独立行政法人地域医療機能推進機構が開設する病院は、いずれも多数の入院・外来患者を抱える地域における主要な病院であり、平時のみならず、災害時においても、十分な機能が発揮されることが期待され〜中略〜移転に当たっては、地域住民との合意形成のもと、県民の安全・安心に十分に配慮することが必要だと考えています。」と現状認識を示したうえで、「地域の医療水準を確保するための十分な配慮」を求めているが、厚労省はこの要望事項にどのように対応したのか。

 右質問する。

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