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令和二年六月十二日提出
質問第二五五号

家畜伝染病予防法施行規則に関する質問主意書

提出者  山崎 誠




家畜伝染病予防法施行規則に関する質問主意書


 近年の豚熱およびアフリカ豚熱の感染拡大およびそのリスクに備え、農林水産業は家畜伝染病予防法施行規則の改正手続きを進めているが、その中で、防疫体制強化を目的に放牧飼育を禁止する項目の追加を検討している。放牧飼育は、主に小規模養豚事業者が行っている飼育方法であるが、多くが地域に根ざし、動物福祉(アニマルウエルフェア)にも資する飼育方法としてその意義は広く認められているところである。豚熱およびアフリカ豚熱に対する防疫体制の強化にあたっても、こうした放牧飼育への特別な配慮が必要であるとの観点から、以下、質問する。

一 放牧飼育を行う小規模養豚事業者への配慮について
 1 飼育頭数千頭を超える大規模養豚事業者と百頭に満たない小規模養豚事業者では、飼育規模や資本規模のみならず、集約的飼養と粗放的飼養といった飼育手法・方針の違いがあり、疾病への対応も大きく異なる。こうした違いを考えると、放牧飼育を行う小規模養豚事業者に、一律の飼養衛生管理基準を適用することは合理性を欠くと考えるが、こうした小規模養豚事業者への必要な配慮についてどのように考えているか。
二 放牧禁止による影響等について
 1 豚熱およびアフリカ豚熱の感染には野生のイノシシが関与しており、イノシシと飼育している豚との接触を避けることが重要であるとされる。そもそも、イノシシは放棄された田畑や山林の拡大に伴い、生息領域を広げている。この点、豚の放牧を実施することで草木の生育を抑制することができ、イノシシの養豚業への影響を抑えることが期待できる。放牧禁止の方針は防疫強化に反するといえるが、どのように考えているか。
 2 放牧による飼育は、良好な換気状態や運動、土との接触等により、家畜の免疫力を維持しており、薬剤の使用を極端に少なくすることが可能である。そうした畜群は、様々な疾病に感染していながら発症していないことも考えられる。放牧していた集団を、急遽、畜舎での施設飼養へ移行させることは、そのストレスにより、多くの疾病を発現・誘発・伝染させる危険性があるが、その対策はどのように考えるか。
 3 防疫強化については、放牧禁止によらなくても、制限給餌やえさ場の防疫体制の徹底といった対策でも同様の効果があると考える。こうした対策についてどのように評価しているか。
 4 放牧に対する防疫策として、ビニールハウスなど簡易な畜舎を導入するという措置をとる場合、雨水処理やふん尿処理のために追加の設備が必要であること、傾斜地などビニールハウスの設置が難しい場合もあるなど課題が多く、また、簡易な畜舎では野生鳥獣との接触を避ける効果も限定的である。このような簡易な畜舎の導入の課題についてどのように考えているか。
 5 放牧を禁止することにより、放牧を事業の中核として営んでいる事業者が廃業の危機に陥ることを認識しているか。事業の継続が困難となる事業者に、なんらかの補償措置が必要と考えるが、補償の議論はこれまであったのか。

 右質問する。

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