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令和二年十一月十日提出
質問第一三号

政府による結婚新生活支援事業に関する質問主意書

提出者  古本伸一郎




政府による結婚新生活支援事業に関する質問主意書


 少子高齢化の進む我が国は、出生率の向上に資する政策を拡充させる必要があり、その点は政治的課題として広く共有されていると考えられる。日本では子をもうける際に、社会保障や税制はもとより社会の通念からも、法的な婚姻関係が前提となる現状にある。そもそも例えばフランスのように家庭を持ち子をもうける際に婚姻を前提としない社会の創造も一つの政治課題であると認識している。しかしながら現状の日本では婚姻を前提としており、結婚生活のスタートアップ支援が少子化対策として大きな役割を果たすことが否めない事実であると承知している。
 社会的要請も受ける形で、内閣府による令和三年度概算要求において、政府が行う既存の結婚新生活支援事業の拡充が盛り込まれた。具体的には、一世帯当たりの補助上限が「三十万円」から「六十万円」へと拡充要求され、補助対象の年齢制限は婚姻日における年齢が「夫婦共に三十四歳以下」から「夫婦共に三十九歳以下」へ、さらに所得制限も「世帯所得三百四十万円未満」から「世帯所得四百万円未満」へと緩和要求された。
 このような政府の取組は評価しつつ、結婚新生活支援事業には、まだいくつかの問題点があると考えられる。より充実した制度への抜本的な改革を期待しつつ、以上の問題意識のもと質問する。

一 所得制限が夫婦合算の「世帯所得」となっている点について、第百九十八回国会衆議院財務金融委員会(平成三十一年四月十日)及び質問主意書「政府による結婚支援政策に関する質問主意書(令和元年五月十三日提出)」にて、累次その制限緩和を求めてきたが、所得制限を「世帯所得四百万円未満」に引き上げたことで、新たに適用対象となる世帯数はどの程度であるか、その推定される世帯数と政策的効果について尋ねる。また、累次の質問でも要求したところではあるが、新たな概算要求においても継続された夫婦合算の「世帯所得」の基準では、支給対象が極めて狭まる可能性を否定できない。より幅広く新婚世帯への支援を行うためには、「主たる生計者の所得」を基準とすべきだと思うが、そうしなかった理由と今後の導入可否について、お尋ねする。
二 結婚新生活支援事業は、地方自治体が実施する結婚新生活支援に対して国が支援額の二分の一を補助する制度となっており、結婚新生活支援事業を実施していない地方自治体に居住する新婚世帯に対しては、支援が行き届かない現状がある。現状、全市区町村のうち結婚新生活支援事業を実施する地方自治体の状況について把握しているか、お尋ねする。把握している場合、実施自治体はいくつあり、それは全市区町村の何割になるのか。またこの際、導入する市区町村の有無による都道府県の偏差がみられるのか、お尋ねする。
三 尚、問二で全国の導入状況を把握していない場合、予算の見積りや補助拡充のあり方等を、どの様に政策判断したのか、お尋ねする。
四 結婚新生活支援事業は、新婚生活を始めるにあたってかかる住宅購入費や賃借費用に対して補助を行うものであるが、実際には居住する地域によって、その費用には格差があると考えられる。とりわけ都市では地方に比べ住宅購入や家賃が負担となる傾向にあり、一律同額の補助では居住環境の違いによる負担軽減を図ることは困難であると考えられる。例えば公務員の地域手当等における加給にならい、結婚新生活支援事業においても住宅費等の物価も踏まえ補助に地域毎の傾斜をつけることはできないか、政府の見解を問う。
五 結婚新生活支援事業を実施するか否かは、最終的に地方自治体の自主的な判断によることになるが、一方で新婚世帯の居住者の立場から見れば、居住する地方自治体間で受けられる支援に格差があることは、不公平であると認識される可能性を含んでいる。そこでこうした格差を埋める抜本的な改革として、結婚新生活支援を国の事業として全額国費で行うことも一つの案と考えるが、その検討状況、及びそれが困難な場合の理由について、政府の見解を問う。
六 少子化対策としての結婚支援を国が実施するにあたっては、本事業のように補助金支給という歳出で行う方法がある一方で、例えば税(歳入)で行う方法もある。その具体的施策としては、新婚世帯への所得減税(住民税非課税世帯の場合には給付型の税控除)が考えられる。国家の事業として少子化対策を進めるにあたり、新婚世帯の家計負担を所得減税の形で支援することも有効な政策と考えられるが、政府の見解を問う。

 右質問する。

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