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令和二年十一月二十七日提出
質問第五二号

離島航路整備法に基づく離島支援に関する質問主意書

提出者  松原 仁




離島航路整備法に基づく離島支援に関する質問主意書


 離島航路整備法(以下「法」という)には、一島における離島航路事業を一航路に限る旨の規定が置かれていない。しかし、運用としては、一島における離島航路事業を一航路に限る運用が行われているとされている。
 これは、国土交通省海事局に割り当てられる航路補助金のための予算が限られていることに原因があるとされている。もっとも、赤字一路線につき、赤字補填を行う形で補助がなされているが、限られた財源の中で、島しょ部と本土の間の交通アクセスを確保し、島民の生活を守るための措置として実施されている現状については評価をしたい。
 しかし、現行の一島における離島航路事業を一航路に限る運用の原則は、結果として、赤字補てんを一島一航路に限ることとなるため、一つの赤字路線のみしか補助の対象にならない。そのため、二つの島同士を結ぶ航路は、必然的に、第二の航路として赤字補てんの対象になることはない。そのため、多数の島が点在する島しょ部においては、補助の得られない島と島との航路を開発し、複数の島を連携することで相乗効果をもたらす可能性のある振興策を進めようとしても、想定される赤字が重くのしかかり、結局、当該航路開発の意欲が削がれる結果となってしまっている。
 実際、伊豆諸島の複数の島を訪問する場合、島と島を直接結ぶ航路がない場合、一旦、東京の竹芝まで戻り、そこからまた別の島に船で行かなければならない、といった不便が生じている。
 確かに、日本全国の島全てに無制限に複数の航路を設けることは不可能といえる。もっとも、法第五条の「輸送需要度」がないものを航路補助金から除外することは妥当とはいえない。
 そこで、次のとおり質問する。

一 有人国境離島地域の保全及び特定有人国境離島地域に係る地域社会の維持に関する特別措置法においては、「国は、毎年度、予算で定めるところにより、計画の円滑な実施その他の特定有人国境離島地域に係る地域社会の維持に関する施策の実施に必要な財政上の措置その他の措置を講ずるものとする」(同法第十一条)と規定されているように、法を超えた財政措置が実施されている。我が国は離島を有することにより、国土面積の約十二倍の広さを誇る領海を確保しており、離島の自律的、かつ継続可能な発展は、我が国の領土領海保全にとって死活的に重要な問題である。そこで「一島一航路」の原則に制限されることなく、真に離島の発展に必要な航路の整備を可能にするため、政府として、予算そのものの増額を含めた予算措置を講じることを検討するか。
二 日本には、有人島が四百十六あるとされている。そして、離島航路は、離島で生活する人々にとって日常の生活のほか産業振興、島外との交流を進めていく上で欠くことのできない基盤的な存在となっている。また、排他的経済水域等の基礎となる低潮線を有する離島も多く、日本の海洋資源の基盤となっていたり、防衛上の重要拠点であったりする離島もある。このように多様な視点を含めて法第五条に基づく航路補助金の可否を判断すべきと考えるが、政府としては、「輸送需要度」に適合しない航路については、他の重要な要素があっても、航路補助金の対象とは捉えることはないか。
三 前項のような離島で生活する人々にとっての必要性及び離島の重要性から考えて、現状の航路補助金に充てられている予算が適正な水準であるか見直すべきと考えるが、政府として如何。

 右質問する。

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