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令和三年二月十日提出
質問第四〇号

香港民主派に対する一斉逮捕に関する質問主意書

提出者  松原 仁




香港民主派に対する一斉逮捕に関する質問主意書


 香港特別行政区で本年一月六日、香港国家安全維持法に違反した容疑で米国人弁護士ジョン・クランシー氏や立法会前議員を含む五十人以上が警察に一斉逮捕された。
 米国国務長官と英国、カナダ、オーストラリアの外務大臣は三日後の一月九日、一斉逮捕について「深刻な懸念」を表明する共同声明を発表した。声明は香港国家安全維持法が「香港の人々の権利や自由を抑制」しており、「異議申し立てや政治的異論を抹殺するために使われていることは明白だ」と非難した。そのうえで中国と香港の当局に対して、法で保障された香港の人々の権利と自由を尊重し、逮捕や拘束で威嚇することのないよう求めた。さらに延期された立法会選挙が、様々な政治的立場の候補が立候補して公正に行われることが決定的に重要であるとした。
 米国は本年一月十五日、一斉逮捕を受けて六名の中国共産党幹部と香港当局者を新たに制裁対象に指定すると発表した。報道声明のなかでマイク・ポンペオ前国務長官は、「香港の自由と民主主義的手続きを侵害する中国の行動を非難する」とし、香港の自由を侵害した者に対して「責任を取らせるために、今後とも実行可能なすべての手段を行使していく」と述べた。後任のアントニー・ブリンケン国務長官は本年一月三十一日に行われたインタビューで、中国は香港返還に際して行った国際公約を「言語道断に」害する行動をとっていると非難したうえで、弾圧被害者の受け入れに言及した。
 欧州連合(EU)のジョセップ・ボレル外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長は本年一月七日、EUを代表して香港における一斉逮捕を非難する声明を発表した。「これらの逮捕は、基本的な民主主義的価値を尊重する政治体制下であれば、完全に合法的な政治活動を罰している。今般の逮捕は、香港と中国本土の両当局が、同法を用いて香港の複数政党制度と、香港法および国際法で保護されている人権と政治的自由の行使を抑止しようとしている最新の兆候である」とした。
 こうしたなか本職は、香港における一斉逮捕を非難する政府のコメントが諸外国で報道されていないことに、危惧の念を抱いている。自由と民主主義を求める香港の人々や、我が国に親しみを持つ中国の人々を、深く失望させているのではないか。我が国が、自由、民主主義、人権といった基本的価値を揺るぎないものとして堅持する国であることについて、諸外国に疑念を抱かせているのではないか。
 日本国憲法の前文にあるように、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従うことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立とうとする各国の責務である。
 そこで香港国家安全維持法違反容疑による本年一月六日の一斉逮捕について、政府の見解を伺う。

 右質問する。

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