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令和三年二月二十四日提出
質問第五五号

歩行者の交通事故防止に関する質問主意書

提出者  丸山穂高




歩行者の交通事故防止に関する質問主意書


 警察庁は本年一月四日、令和二年の交通事故死者数を発表し、交通事故死者数は二千八百三十九人となり四年連続で戦後最少を更新した。一方で歩行中及び自転車乗車中の死者数は全交通事故死者数の約半数を占めており、取締りや道路の整備など対策が進められている。対策の前提となる交通規則において、車両は、歩行者優先の定めにより、横断歩道に歩行者がいる場合及び横断しようとする歩行者がいる場合には停止しなければならず、横断歩行者等妨害等による指導取締りの対象となる。
 しかしながら、令和二年十月に公表されたJAF(一般社団法人日本自動車連盟)の調査によると、信号機のない横断歩道において約八割の車両が停止せず、東京都ではわずか六・六%しか停止していなかった。警察庁所管の自動車安全運転センターが令和二年三月に公表した「信号機のない横断歩道通過時の自動車の停止率及び減速状況等の実態に関する調査研究報告書」においても、減速・停止率は全体として十六・七%であった。
 右を踏まえ、以下質問する。

一 警察庁交通局は、令和二年十一月二十七日の「歩行者優先と正しい横断の徹底に向けた取組の継続強化について(通達)」等平成三十年以降の通達により、横断しようとする歩行者の保護に資する指導取締りを強化しており、取締り件数も令和元年は平成二十七年の約二・三倍、違反総数の約四%である約二十三万件に達した。しかしながら、いまだに大半の車両が横断歩行者等妨害等をしている現状にあり、横断歩道に関する取締りは、最高速度違反、一時停止違反、携帯電話使用等違反その他の違反と比較し、取締り件数に占める割合が低いままである。事故を根絶するためには違反をなくすことが重要であり、早期に前述の違反と同程度の件数となるよう取締りを大幅に強化するとともに、事故抑制効果を調査していく必要はないか、政府の見解を問う。
二 取締りについて、放置車両確認事務は、民間委託により放置車両確認機関の駐車監視員が行っており、最高速度違反確認事務は、速度違反自動取締装置を用い記録されている。横断歩行者等妨害等を行った車両の確認事務についても、警察官を動員して行う取締りを補うため、民間委託及び自動記録装置の導入の検討について、政府の見解を問う。
三 国土交通省では、横断歩道の安全対策として、生活道路対策エリアにおいて、ビッグデータを活用してハンプ、イメージハンプ及びスムース横断歩道を設置し、車両速度の低下及び事故の抑制が進んでいる。しかしながら、法律上に規定のない対策のため、大半の横断歩道は未対策となっている。平成四年十一月一日、「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」の規定に基づき、横断歩道を表示する道路標示様式の指示表示が梯子型からゼブラ型に変更されて以降、横断歩道の表示面での改善は図られていない。
 1 道路法第四十五条は、道路標識等の設置について「道路の構造を保全し、又は交通の安全と円滑を図るため、必要な場所に道路標識又は区画線を設けなければならない。」と定めている。しかしながら、歩行者の道路横断に関連した死傷事故は令和元年において約二万五千件、死傷者総数の六・六%に達している。現状の横断歩道に関する表示は、交通の安全及び運転者の注意を喚起する表示として改善の余地があるのではないか、政府の見解を問う。
 2 歩行者の安全を確保するため、ハンプ、イメージハンプ及びスムース横断歩道といった車両からの視認性及び視覚効果を高めた横断歩道を道路標示と定めることで横断歩道の安全は確保されるのではないか、政府の見解を問う。また、全国の横断歩道数、ハンプ、イメージハンプ及びスムース横断歩道それぞれについて、政府が把握している最新の数を明らかにされたい。
四 横断歩行者等妨害等による横断歩道での重大事故に関係する交通違反の違反点数及び反則金は、その他の多くの交通違反の場合と同等の二点の違反点数及び九千円の反則金(普通車)としている。令和元年十二月一日施行の道路交通法により、携帯電話使用等に関する違反は、違反点数及び反則金を三倍に引き上げる罰則強化が行われ、この罰則強化により、携帯電話使用等に関する違反件数は大きく減少した。横断歩道での歩行者優先に関する罰則強化を行えば歩行者の交通安全につながるのではないか、政府の見解を問う。

 右質問する。

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