質問本文情報
令和三年三月九日提出質問第六九号
性同一性障害者である国家公務員への公務職場における合理的配慮の提供に関する質問主意書
提出者 丸山穂高
性同一性障害者である国家公務員への公務職場における合理的配慮の提供に関する質問主意書
性同一性障害を含む性自認に関しては、いまだに根強い偏見や差別、いじめなどの人権問題が存在しており、政府には、国民の基本的な権利の実現に向けて、これらの問題をなくし、国民の理解を深めることが求められている。平成三十一年四月二十六日の衆議院厚生労働委員会において、政府参考人は「性同一障害のある方につきましても、心身の機能の障害が生じており、当該障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるという場合には、この障害者差別解消法で定める障害者に含まれると解されます。」と答弁している。また、政府は、国家公務員の公務職場において、障害者差別解消法及び人事院規則を踏まえ、各府省庁の人事担当者向けの勉強会及び研修などにより、ハラスメントの防止を積極的に図るとしている。
右を踏まえ、以下質問する。
一 性同一性障害者である国家公務員への合理的配慮の提供について
1 性同一性障害者である国家公務員(以下、「当事者」という。)が、障害者差別解消法に基づく社会的障壁の除去が必要である旨の申出(以下、「申出」という。)を行い、人事担当者から合理的配慮の提供を受ける場合、当該申出を行うに当たり必要となる要件について、当事者の人事担当者への性自認の申告で足りるのか、あるいは二人以上の医師による性同一性障害の診断書の提示や性別の取扱いの変更まで必要となるのか、詳細を伺いたい。また、各府省庁において当事者への合理的配慮の提供が行われた件数について、過去五年間における総数及び合理的配慮の提供の具体的な内容を明らかにされたい。
2 合理的配慮の提供として公務職場における関係職員の理解促進を図る研修などを実施する要件について
@ 当事者が研修などの実施の要望を申し出る際に必要となる要件について、当事者の人事担当者への性自認の申告で足りるのか、あるいは公務職場への公表若しくは告知、二人以上の医師による性同一性障害の診断書の提示や性別の取扱いの変更まで必要となるのか。
A この申出の際に必要となる要件について、各府省庁統一のものがあるのか。また、統一の要件がない場合は、各府省庁毎に必要とされている要件を伺いたい。
3 合理的配慮の提供として当事者の性自認の申告に基づく性別でのトイレ及び更衣室などの使用を認める要件について
@ 当事者が要望を申し出る際の要件について、当事者の人事担当者への申告で足りるのか、あるいは公務職場への公表若しくは告知、二人以上の医師による性同一性障害の診断書の提示や性別の取扱いの変更まで必要となるのか。
A この申出の際に必要となる要件について、各府省庁統一のものがあるのか。また、統一の要件がない場合は、各府省庁毎に必要とされている要件を伺いたい。
B トイレ及び更衣室などの使用に関し、具体的な対応事例があるか。ある場合は、その件数及び主な事例の詳細を伺いたい。
二 当事者が申出を行った場合において、人事担当者が必要な対応をとらず、当事者に精神的・身体的苦痛を与え、人格や尊厳、勤務環境を害する事態となった場合、当該人事担当者の行為は、パワーハラスメントに該当し、懲戒処分の対象となり得るか。また、同様の行為を公務職場の同僚が行った場合、当該同僚の行為は、セクシャルハラスメントに該当し、懲戒処分の対象となり得るか、政府の見解を問う。また、人事院規則において性的少数者への言動が対象に追加された平成二十九年一月一日から令和三年三月一日までにおける性的少数者に対するパワーハラスメント及びセクシャルハラスメントを原因とする懲戒処分件数について、府省庁ごとの件数及び停職や減給などの懲戒処分の種類別の内数を示されたい。
右質問する。