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令和三年五月十一日提出
質問第一三一号

次期エネルギー基本計画の骨格(案)に関する質問主意書

提出者  阿部知子




次期エネルギー基本計画の骨格(案)に関する質問主意書


 経済産業省は、エネルギー基本計画の見直しを行っており、四月二十八日の総合資源エネルギー調査会基本政策分科会で次期エネルギー基本計画の骨格(案)を明らかにしたので、以下質問する。

一 原発の新増設とリプレースについて
 今年一月二十日の衆議院本会議で、枝野幸男議員は「原子力発電所の新増設を進める予定があるのか」と質問し、菅義偉内閣総理大臣は「原発依存度を可能な限り低減し、新増設やリプレースは現時点では想定していないという政府の考え方に変わりありません」と答弁した。また、今年三月五日の衆議院内閣委員会で江島潔経済産業副大臣も「現時点では、新増設、リプレースは想定をしていない」と私の質問に答弁した。
 これらの考え方を、政府は次期エネルギー基本計画に反映すべきと考えるが、どうか。
二 「エネルギー政策を進める上での原点」について
 次期エネルギー基本計画の骨格(案)に、「1.東京電力福島第一原子力発電所事故後十年の歩み (1)福島復興はエネルギー政策を進める上での原点」と書かれている。
 二〇一四年九月十一日に政府は、東京電力福島第一原子力発電所事故時に所長だった吉田昌郎氏(二〇一三年に死去)に対し、いわゆる政府事故調査委員会が二〇一一年に行ったヒアリングの記録を公表した。ヒアリングで吉田元所長が、集中立地は開発コストにメリットがある一方で、「デメリットはもっとある。福島第二のようにこじんまりやっている方が運用上も楽。中越(沖)地震の時の柏崎の時もそうだが、大混乱になる。なおかつ全部一発で電源が止まってしまう」旨を語っていたことが明らかになった。
 「福島復興はエネルギー政策を進める上での原点」だとするのであれば、福島第一原発の事故を教訓に、新設であれ既存原発であれ、集中立地規制を導入することが不可欠ではないか。
三 集中立地規制について
 田中俊一・前原子力規制委員会委員長は、二〇一五年二月二十五日の衆議院予算委員会で、原発の集中立地について問われて、「新規につくる場合には、幾つつくったらそこが複数基になるのか多数基になるのかということも含めまして、いろいろな潜在的リスクということを考えた場合には、御指摘のところもありますので、十分に今後検討されるべきだ」と答弁を行った。
 また、更田豊志・原子力規制委員会委員長は二〇一九年五月十五日の記者会見で問われて、「集中立地に対する捉え方というのは、なかなかに簡単ではない(略)。一般論で申し上げることはなかなか難しいですけれども、諸外国に例を求めると、例えば米国などは三基で、スペインですとかフランスは比較的号機の多い四基であるとかというのがあります。柏崎刈羽の七基というのは、非常にユニット数としては多い」と回答している。
 1 吉田元所長のヒアリング記録公表から六年以上、田中前委員長および更田委員長の答弁から数年が経つが、原子力規制委員会は、諸外国に倣って集中立地を規制する検討を行ったか。
 2 更田委員長が回答したように、東電の柏崎刈羽原子力発電所は、七基が集中立地しており、二〇一七年六月には櫻井雅浩柏崎市長から、六・七号機の再稼働を認める条件として、一〜五号機の廃炉計画を二年以内に示すよう、東電は要請されていた。
  この要請に対して、東電は二〇一九年八月に「柏崎刈羽原子力発電所の再稼働および廃炉に関する基本的な考え方」の中で、「地元の皆さまから『集中立地』とのご不安・ご懸念があることを踏まえ、まずはそうしたお声についてしっかりと傾聴し、対応してまいります」と回答している。
  一〜五号機の廃炉は、「集中立地」の不安・懸念の解消に寄与すると考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
 3 東電は「柏崎刈羽原子力発電所の再稼働および廃炉に関する基本的な考え方」の中で、「エネルギー基本計画等も考慮しながら、総合的な検討を行います」と回答している。エネルギー基本計画の見直しにあたっては、集中立地規制の検討が不可欠ではないか。

 右質問する。

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