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令和三年六月十一日提出
質問第二〇一号

ワクチン接種実施に係る政府と自治体の連携のあり方に関する質問主意書

提出者  古本伸一郎




ワクチン接種実施に係る政府と自治体の連携のあり方に関する質問主意書


 現在、政府の主導により進められている新型コロナウイルス感染症のワクチン接種について、高齢者の接種に係る予約券の送付や予約方法のあり方が議論となっている。予防接種法上、ワクチン接種の実施主体は市町村であり、政府は今回のワクチン接種においても予約券の送付や予約方法の判断を市町村に一任したが、予約開始直後に電話やインターネットアクセスが殺到する等、各地で混乱が生じているものと承知している。
 こうした混乱を回避する目的で自治体毎に工夫された結果として、自治体間で接種券の送付方法や時期、接種に至るまでのタイミングに大きなばらつきが生じている。国を挙げて行うワクチン接種のあり方としては、ナショナルミニマムとして接種時期のばらつきを一定範囲内に収まっておらず、一元化・効率化が不十分な状況にあると考えられる。自治体間による接種体制の不公平性は、行政と地元医師会の連携の具合により、接種の進み具合が変わってしまう等の問題も明らかになるなかで、河野太郎ワクチン接種推進担当大臣は、国の方針を明示せずにワクチン接種の実務を市町村に一任し、結果混乱を招いている状況を「失敗」と認め陳謝しているものと承知している。以上の問題意識から、高齢者の接種と並行して自治体によっては一般接種が開始される状況であることにも鑑み、自治体間のコロナ関連の行政サービスの格差をこれ以上拡大させないためにも、ワクチン接種における国と自治体との連携のあり方について、以下質問する。

一 今回の新型コロナウイルスに対するワクチン接種は、国が計画し、費用についても全額国費負担であり、実務だけは市町村が行う形で進めていると承知しているが、その根拠法となるのは何法か、お尋ねする。また過去、ワクチン接種に関して法律に基づき接種を実行した際、実務に関しては今回のワクチン接種と同様に自治体一任の対応をとっていたか、お尋ねする。過去も自治体一任であった場合、今回のワクチン接種は対象者が十二歳以上の全国民であり、大規模に実施されているものと承知しているが、政府が行ったワクチン接種として過去にこれほどまで大規模に実施された前例はあるか。ないとしたら、前例踏襲のやり方で接種を実行することは、どのような根拠で判断したか、お尋ねする。
二 政府は高齢者のワクチン接種の実務のあり方は市町村毎の政策判断に委ねたと承知している。しかし接種完了の目標については令和三年七月末までとする等、政府が計画を立て実行する以上、その間の工程管理も含めて、政府は監督責任として接種の進捗を把握し必要な対策を打つ必要があると考える。ワクチン接種の状況について、全市町村ごとの接種券の発送開始日、一回目のワクチン接種が開始された日にち、二回目のワクチン接種が開始された日にち、各々の希望者については接種完了日の目処、それぞれについて政府は一元的に把握しているのか、お尋ねする。
三 例えば愛知県における高齢者へのワクチン接種予約券の送付について、最も早く送付されたのは春日井市の三月二十八日であり、最も遅かったのは豊田市の五月十七日と承知しているが正しいか、お尋ねする。送付にあたっては、七十五歳以上で区切らず最初から六十五歳以上に送付する自治体、或いは高齢者施設の入所者への接種を優先させる自治体等様々であったため、このような差が生じたものと考えられるが、接種券の送付開始日だけでも愛知県に限ってみてもおよそ二か月間もの違いが生じていると理解している。愛知県以外の都道府県において、域内の市町村間で同様のかたちの格差が生じている事例について、政府の承知しているところをお示し願いたい。自治体間で接種の時期に不平等が存在してしまうと、国民感情としては納得しがたいものがあると考えられるが、見解を伺う。このような事態を避けるためにも、接種券の送付〜予約〜会場設営〜接種実施に至る一連の「接種実務」に関して、この間効率的に実施できた自治体(例:八王子市は管内の小中学校の体育館を接種会場として活用した)を参考に政府の責任で統一的な「接種事務」を定めて自治体に徹底するよう改めてはどうか、お尋ねする。
四 「三」の具体例として、高齢者へのワクチン接種の予約方法について、「先着順」の予約方式を採った自治体において、電話やインターネットによる予約が殺到することとなり、システム障害等、受付事務において混乱が生じ、予約者にも不都合をおかけしている状況があるものと承知している。「先着順」の予約方式は、効率性よりも平等性を重視するものであるが、接種希望者が多数存在する現状では、予約殺到により迅速な接種がかえって困難にもなると考えられる。予約方法については、「先着順」以外にも「抽選制」や「完全年齢順」、又は予め接種日と場所が指定される「割当制」の方式が、効率性の観点では優れているとの指摘が有識者からも出ていると承知しているが、政府として現状の「先着順」を改め、その他の方式を採用するつもりはあるか。またより効率的な予約システムを自治体に周知し採用を指示してはどうか、お尋ねする。高齢者のワクチン接種の完了目標である七月末を待たずして、すぐにも一般の方々への接種が順次開始される状況を踏まえ、対象者の規模が高齢者よりはるかに多い一般接種を万全の体制とする趣旨から、政府の方針を尋ねる。
五 一般接種の完了はいつ頃と目標を定め今後取り組むのか、政府の意志をお示し願いたい。

 右質問する。

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