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令和三年六月十一日提出
質問第二二六号

東京都で緊急事態宣言が発出されていても東京オリンピック・パラリンピック競技大会を開催するのかに関する質問主意書

提出者  中谷一馬




東京都で緊急事態宣言が発出されていても東京オリンピック・パラリンピック競技大会を開催するのかに関する質問主意書


一 世界的に著名な医学誌であるアメリカの医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」において、医学者のグループが日本のワクチン接種率が経済協力開発機構(OECD)諸国で最低となっていることを指摘しつつ、「私たちは、オリンピックを進めるというIOC(国際オリンピック委員会)の決意は最高の科学的証拠の情報に基づいていないと信じている」という旨の東京オリンピック・パラリンピック競技大会に関する論評を発表したと報道されている。ワクチン接種が諸外国と比べて遅れていることに関する政治責任を政府はどのように受け止めているのか、所見を伺いたい。
二 アメリカの「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」では、東京オリンピック・パラリンピック競技大会が行われれば「選手を含む参加者はオリンピック中に感染し、二百カ国・地域以上に帰国するリスクを引き起こす可能性がある」と指摘している。
 またイギリスの「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」でも、日本の限定的な検査体制とワクチン接種の遅れは政治的指導力の欠如が原因だと指摘した上で、科学的根拠や倫理的責任を無視して東京オリンピック・パラリンピック競技大会を日本国内の政治的理由及び経済的な目的で開催することは、人類の健康と安全に日本が貢献することと矛盾していると評している旨が報道されている。
 そして、日本においても東京都医師会の尾崎治夫会長が、「ステージ二、(東京都内の一日の)感染者が百人くらいに収まっていないとやはり国民、都民の色んな思い、感情からしてオリンピックが本当にできる状態なのかなと、みなさん考えられるのではないかと思う。それくらいに感染を抑えた状況でないと、(令和三年)七月、八月にリバウンドが来るということが予測されているので、なかなか難しいのではないかと思っている」と指摘し、「場合によっては感染状況によるが、中止という選択肢もありうるのかなと思っている」と述べたとも報道されている。
 政府は、こうした世界各国の医学界における専門家からの意見を黙殺し、科学的な根拠を示さないまま、「国民の命と健康を守る」という精神論を強弁した上で、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を強行しようとしているのは何故か、その詳細について政府の所見を伺いたい。
三 日本を含む世界の新型コロナウイルス感染症の感染状況が変異株の出現などで昨年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の延期時よりも深刻化していることが各所から指摘されている。そうした中、令和三年五月二十四日提出質問第一四〇号緊急事態宣言が発出されている区域及びまん延防止等重点措置の実施区域における東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に関する質問主意書において、「一 国際オリンピック委員会(IOC)のジョン・コーツ調整委員長は令和三年五月二十一日、東京で新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が発出されていても、七月二十三日に始まる予定の東京オリンピック・パラリンピック競技大会を開催する旨の発言をしたが、政府においても緊急事態宣言が発出されていても東京オリンピック・パラリンピック競技大会を開催するべきであると考えているのか、所見を伺いたい。」、「二 まん延防止等重点措置が実施されている区域において、東京オリンピック・パラリンピック競技大会を開催するべきであると考えているのか、併せて所見を伺いたい。」と尋ねた際、「開催に当たっては、選手や大会関係者の感染対策をしっかり講じることにより、安心して参加できるようにし、国民の命と健康を守っていきます。今般、日本政府が調整をした結果、ファイザーから各国選手へのワクチンの無償の提供が実現をし、さらに、選手や大会関係者と一般の国民が交わらないようにするなどの厳格な感染対策を検討します。こうした対策を徹底することで、国民の命や健康を守り、安全、安心の大会を実現することは可能と考えており、しっかり準備を進めてまいります。」という令和三年五月十九日の参議院本会議における菅義偉内閣総理大臣の発言を引用して答弁しているが、この答弁は、東京都に緊急事態宣言が発出されていても東京オリンピック・パラリンピック競技大会を実現することは可能であると考えて、準備を進め、開催する意向であるということであるのか、国民の命と健康を守る立場にある政府の真摯かつ明瞭な見解を伺いたい。
四 令和三年五月二十四日提出質問第一四一号緊急事態宣言が発出されている区域及びまん延防止等重点措置の実施区域における東京オリンピック・パラリンピック競技大会の観戦に関する質問主意書において、「二 国際オリンピック委員会(IOC)のジョン・コーツ調整委員長は令和三年五月二十一日、東京で新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が発出されていても、七月二十三日に始まる予定の東京オリンピック・パラリンピック競技大会を開催する旨の発言をしている。緊急事態宣言が発出されている区域における東京オリンピック・パラリンピック競技大会の観戦のための外出・移動は、不要不急のものではないと考えているのか、政府の見解を伺いたい。」、「三 まん延防止等重点措置実施区域における東京オリンピック・パラリンピック競技大会の観戦のための外出・移動は、不要不急のものではないと考えているのか、政府の見解を伺いたい。」と尋ねた際に、「令和三年四月二十八日(日本時間)に開催された国際オリンピック委員会、国際パラリンピック委員会、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会、東京都及び政府による五者協議において、『観客上限については、海外からの観戦を認めないとの大きな事情変更がある中で、変異株による国内感染の状況も踏まえ、観客数に係る判断は六月に国内のスポーツイベント等における上限規制に準じることを基本に行うこと』で合意したところである。」という答弁を頂いたが、「観客数に係る判断は六月に国内のスポーツイベント等における上限規制に準じることを基本に行う」ということは、緊急事態宣言が発出されている区域及びまん延防止等重点措置実施区域における東京オリンピック・パラリンピック競技大会の観戦のための外出・移動は、不要不急のものではないと考えているという理解でよいか、国民の命と健康を守る立場にある政府の見解を確認したい。その際、お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないなどとはぐらかすことなく、真摯かつ明瞭に詳細についてご答弁を頂きたい。

 右質問する。

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